37 / 54
第三章 休みくらい好きにさせて
第19話 友人というのはいいものだ
しおりを挟む
私は、ちょっと頭を悩ませていた。なんやかんやでの領地滞在となってしまったわけだが、完全に乙女ゲームと流れが変わってしまっていることに。
いや、お前が悪役令嬢やってないからだろと言われればそうなんだけど、あまりにもずれすぎているような気がする。
どこから狂ったのだろうか。ヒロインからしてみれば、私の印象は良くないだろう。遭遇しても無視か、何か話すにしても悪態をつくばかり。これで好印象を持つのは、よほどのマゾヒストだけだろう。
つまりは、ヒロインからしてみれば、いじめてないだけで、私は悪役令嬢のポジションにいることは変わらない。ヒロインを泣かせたりもしたしね。
問題は、攻略対象。カインがうざがっていると言っていたから、カインはあまりヒロインには好印象を持っていないと考えられる。他にあの天才魔法使いもしかり。今はわからないけど、私が会話を盗み聞きしていたときは、そこまで仲良くはしていなかったように思える。
むしろ、ジュラルミンの話をしていた私のほうが、友人くらいには思われているかもしれない。自惚れではないかと思われるかもしれないけど。
他の攻略対象とは、会っていないのでわからない。というか、他に誰がいるのか、あまり詳しくない。私は、実際にプレイしたわけではなく、プレイしている画面を見ていただけだ。興味がなさすぎたから、友人からのリークしか情報がない。
そんなわけで、ソフィアを呼んで聞いてみることにした。
「攻略対象って、隠しキャラと、天才魔法使いと、お兄様と、カイン以外に誰かいる?」
「え~っとねー……王子が二人でしょ?後は……神官と騎士団長の息子かしらね」
これはまたテンプレな。乙女ゲームだと、必ずと言っていいほどいるような立場だ。神官はそうでもないかもしれないけど、騎士団長の息子はあるあるではないだろうか。
「王子って、一人はドルー殿下よね?後一人は?」
「まだ入学されていないのよ。年下キャラだもの」
「えっ?最初から登場しないのもいるの?」
てっきり、乙女ゲームだから、最初から攻略対象が登場するものだと思っていた。まさか、ヒロインが進級しなくてはいけないとは思わなかった。
「そう。でも、攻略はそこまで難しくはないのよね。子犬?っていうの?そんなキャラだから、甘えん坊なんだけど、逆にその王子に頼るように行動すれば、簡単に攻略できるわ」
ソフィアはため息混じりに説明する。
つまりは、あなただけが頼りなのってやつか。確かに、私もソフィアもそういう女は嫌いだ。頼りにする前に、何とかしようと努力しろよって思ってしまうから。
「でも、他の攻略対象は、フラストレーションが溜まるのよね……!」
「なんでよ?」
「だって、騎士団長の息子は俺様で、神官はナルシストよ!?何度シナリオライターを呪い殺しそうになったか……!」
あぁ……!見てる分には面白くても、現実で関わると胃に穴が開くやつだ。私も、俺様とナルシストは嫌いなんだよな~。
ソフィアこと明莉がここまで腹を立てるということは、相当の凍りつくようなナルシスト発言や、イラッとする俺様発言のせいで、明莉の望む恋愛ができなかったのだろう。
そんなのと現実で関わるかもしれないなんて、確かにそれはフラストレーションが溜まる。ヒロインは、こんなのとも恋愛をしなければならないのかと思うと、ちょっとだけ同情するわ。
「なら、そいつらは無視一択……と、言いたいけど、ナルシストはともかく、俺様は難しいかもね」
「ええ、攻略対象の中で、一番ぐいぐい来るキャラだからね。カインでうんうん唸ってるあなたには無理だわ」
「知ってたのね」
話した覚えはないが、カインと一緒にいるところなどを見られていたのだろうな。
「いっそのこと、恋愛をしてみれば?」
楽しそうにソフィアがからかってくる。こういうところも、前世と同じだ。
「私に恋愛ができると思うの?」
「……いや、無理ね。鈍感なあんたには、自分の恋にも気づかなさそうだわ」
「私って、そんなに鈍いかしら?」
「…………」
私が首をかしげると、ソフィアが冷たい目で見てくる。そして、深くため息をついた。わざとらしく。これは、お前は何を言っているんだという目だろう。
うん、鈍いのね。ごめんなさい。
「わかったから、その目はやめてくれる?」
「ええ。それで、話を戻すとして、俺様は厄介よ。一応、年上キャラなんだけど……」
「じゃあ少なくとも、私たちが三年になったらいなくなるのね!」
そう思うと、ちょっとは頑張れるかもしれない。ここの学園は、三年間だけだ。いや、専門課程の学校……日本でいう大学に当たる場所もあるにはあるのだけど、そこに通うのはよほどの物好きだけだ。
私は、通う気は毛頭ない。
「あなたが断罪されなかったら……ね」
あ、その問題が残ってたか。……いや、そっちのほうが早く逃げられるんじゃないか?断罪されて、平民にでもなってしまおうか。前世の記憶があるから、家事もできるにはできるし、魔法が使えるのは、貴族がほとんどだから、仕事には困らないだろうし。
まぁ、その前に、婚約問題や、その他もろもろを片づけてからだろうな。特に、『青の月』
それに私が堂々と狙われていないのは、白梟が大きいだろうから。白梟がいなかったら、今の倍は狙われていたに違いない。
平民になってしまったら、白梟は返却しなくてはならないだろう。物扱いのようになってしまうが、元々は公爵家が持っていたので、私が平民となり、公爵家から除外されてしまったら、持っているのはまずいと思う。
公爵家から廃嫡された人間が影を従える。そんな前例を作ってしまったら、後の争いの種になりかねない。それは、いくらなんでも後味が悪すぎる。それは嫌だ。
だからといって、急いて返してしまうと、それを聞いた青の月がここぞとばかりに仕掛けてくる可能性もある。そうなると、死亡コース一直線だ。
「あぁ……めんどくさい。断罪になったら、殺される。ならなかったら胃に穴が開く可能性。死ぬか殺されるか選べと言われているようなものじゃない……」
「あなたがゲーム通りに動いていたら、少なくとも変な組織に目はつけられなかったんじゃない?」
その通りだ。そもそも、私に前世の記憶がなければ、変に狙われなかったのかもしれない。今でも、後悔していないと言えば嘘になるくらいには、悩んでいる。
前世の記憶がなければ、悪役令嬢のリリアンとして生きていたかもしれない。そして、悪役として断罪されるか、愛されない公爵夫人としての人生を送るか。その二択だっただろう。
前世の記憶があったとしても、ゲームのリリアンとまったく同じ行動をすれば、こんな面倒事はなかったかもしれない。モニカちゃんも、そんなの知らねぇと振り切ってしまえばよかったかも。
演技でも、カインにベタベタするお馬鹿な公爵令嬢としていれば。
ヒロインも、向こうに合わせていじめていれば。
でも、そうなると、今の私の心はどうなっていただろうか。モニカちゃんと関わっていなければ、学園には魔物が溢れて、多数の負傷者……場合によっては、死者も出たかもしれない。
スタンピードもしかり。私が対処していなくても、なんとかなったかもしれないけど、犠牲者は出たかもしれない。
そうなっても、所詮はゲームと片づけられたのかと問われれば、無理だと答えるだろう。
「私には、ゲーム通りには動けないわよ。人形じゃないもの」
「まぁ、そうね。私だって、ゲームにすら登場しないモブ以下ですもの。でも、今は乙女ゲームの主要キャラにすっかり関わっているわ」
「主要キャラといえば……あのヒロインはどうするのかしらね」
「態度を改めなければ、バッドエンド一直線だと思うわよ?何か、気になることでもあるの?」
それを聞かれて、私は口ごもる。話してもいいのかわからないから。
ソフィアにこのことを話したら、どこで知ったのかという尋問が始まるに違いない。そうなったら、ソフィアに口で勝てる自信はないので、すべて正直に話すしかなくなってしまう。
「……話したくないならいいわよ。無理に暴きたいとは思わないわ」
「あら、珍しいのね。いつものあんたなら、私に隠し事なんて生意気ねとかいうのに」
「どこのわがままお嬢様よ。そんなことは言わないわ。でも、そんな風に言うなら、聞かれたら話すつもりだったのかしら?」
ソフィアはニヤニヤしながら聞いてくる。これは、ここまで読まれていた可能性があるな。
やっぱり、生まれ変わってもこの友人には敵わないかもしれない。
「ヒロインのお母さんが、私たちと同類かもしれないといえばわかるかしら?」
「……なるほどね。それじゃあ、彼女もある意味では被害者なのか」
「確定したわけではないけどね」
「……それじゃあ、この件は保留ってことで!アップルパイとタルトタタン作ってあげるから待ってなさい」
ソフィアにしては珍しく強引に話を切り上げて、そそくさと部屋を出ていってしまう。これは……私に気を遣ってくれたのかもしれない。
スパルタなところもあるし、毒舌なところもあるけど、やっぱりいい友人を持ったなと思うこの頃だった。
いや、お前が悪役令嬢やってないからだろと言われればそうなんだけど、あまりにもずれすぎているような気がする。
どこから狂ったのだろうか。ヒロインからしてみれば、私の印象は良くないだろう。遭遇しても無視か、何か話すにしても悪態をつくばかり。これで好印象を持つのは、よほどのマゾヒストだけだろう。
つまりは、ヒロインからしてみれば、いじめてないだけで、私は悪役令嬢のポジションにいることは変わらない。ヒロインを泣かせたりもしたしね。
問題は、攻略対象。カインがうざがっていると言っていたから、カインはあまりヒロインには好印象を持っていないと考えられる。他にあの天才魔法使いもしかり。今はわからないけど、私が会話を盗み聞きしていたときは、そこまで仲良くはしていなかったように思える。
むしろ、ジュラルミンの話をしていた私のほうが、友人くらいには思われているかもしれない。自惚れではないかと思われるかもしれないけど。
他の攻略対象とは、会っていないのでわからない。というか、他に誰がいるのか、あまり詳しくない。私は、実際にプレイしたわけではなく、プレイしている画面を見ていただけだ。興味がなさすぎたから、友人からのリークしか情報がない。
そんなわけで、ソフィアを呼んで聞いてみることにした。
「攻略対象って、隠しキャラと、天才魔法使いと、お兄様と、カイン以外に誰かいる?」
「え~っとねー……王子が二人でしょ?後は……神官と騎士団長の息子かしらね」
これはまたテンプレな。乙女ゲームだと、必ずと言っていいほどいるような立場だ。神官はそうでもないかもしれないけど、騎士団長の息子はあるあるではないだろうか。
「王子って、一人はドルー殿下よね?後一人は?」
「まだ入学されていないのよ。年下キャラだもの」
「えっ?最初から登場しないのもいるの?」
てっきり、乙女ゲームだから、最初から攻略対象が登場するものだと思っていた。まさか、ヒロインが進級しなくてはいけないとは思わなかった。
「そう。でも、攻略はそこまで難しくはないのよね。子犬?っていうの?そんなキャラだから、甘えん坊なんだけど、逆にその王子に頼るように行動すれば、簡単に攻略できるわ」
ソフィアはため息混じりに説明する。
つまりは、あなただけが頼りなのってやつか。確かに、私もソフィアもそういう女は嫌いだ。頼りにする前に、何とかしようと努力しろよって思ってしまうから。
「でも、他の攻略対象は、フラストレーションが溜まるのよね……!」
「なんでよ?」
「だって、騎士団長の息子は俺様で、神官はナルシストよ!?何度シナリオライターを呪い殺しそうになったか……!」
あぁ……!見てる分には面白くても、現実で関わると胃に穴が開くやつだ。私も、俺様とナルシストは嫌いなんだよな~。
ソフィアこと明莉がここまで腹を立てるということは、相当の凍りつくようなナルシスト発言や、イラッとする俺様発言のせいで、明莉の望む恋愛ができなかったのだろう。
そんなのと現実で関わるかもしれないなんて、確かにそれはフラストレーションが溜まる。ヒロインは、こんなのとも恋愛をしなければならないのかと思うと、ちょっとだけ同情するわ。
「なら、そいつらは無視一択……と、言いたいけど、ナルシストはともかく、俺様は難しいかもね」
「ええ、攻略対象の中で、一番ぐいぐい来るキャラだからね。カインでうんうん唸ってるあなたには無理だわ」
「知ってたのね」
話した覚えはないが、カインと一緒にいるところなどを見られていたのだろうな。
「いっそのこと、恋愛をしてみれば?」
楽しそうにソフィアがからかってくる。こういうところも、前世と同じだ。
「私に恋愛ができると思うの?」
「……いや、無理ね。鈍感なあんたには、自分の恋にも気づかなさそうだわ」
「私って、そんなに鈍いかしら?」
「…………」
私が首をかしげると、ソフィアが冷たい目で見てくる。そして、深くため息をついた。わざとらしく。これは、お前は何を言っているんだという目だろう。
うん、鈍いのね。ごめんなさい。
「わかったから、その目はやめてくれる?」
「ええ。それで、話を戻すとして、俺様は厄介よ。一応、年上キャラなんだけど……」
「じゃあ少なくとも、私たちが三年になったらいなくなるのね!」
そう思うと、ちょっとは頑張れるかもしれない。ここの学園は、三年間だけだ。いや、専門課程の学校……日本でいう大学に当たる場所もあるにはあるのだけど、そこに通うのはよほどの物好きだけだ。
私は、通う気は毛頭ない。
「あなたが断罪されなかったら……ね」
あ、その問題が残ってたか。……いや、そっちのほうが早く逃げられるんじゃないか?断罪されて、平民にでもなってしまおうか。前世の記憶があるから、家事もできるにはできるし、魔法が使えるのは、貴族がほとんどだから、仕事には困らないだろうし。
まぁ、その前に、婚約問題や、その他もろもろを片づけてからだろうな。特に、『青の月』
それに私が堂々と狙われていないのは、白梟が大きいだろうから。白梟がいなかったら、今の倍は狙われていたに違いない。
平民になってしまったら、白梟は返却しなくてはならないだろう。物扱いのようになってしまうが、元々は公爵家が持っていたので、私が平民となり、公爵家から除外されてしまったら、持っているのはまずいと思う。
公爵家から廃嫡された人間が影を従える。そんな前例を作ってしまったら、後の争いの種になりかねない。それは、いくらなんでも後味が悪すぎる。それは嫌だ。
だからといって、急いて返してしまうと、それを聞いた青の月がここぞとばかりに仕掛けてくる可能性もある。そうなると、死亡コース一直線だ。
「あぁ……めんどくさい。断罪になったら、殺される。ならなかったら胃に穴が開く可能性。死ぬか殺されるか選べと言われているようなものじゃない……」
「あなたがゲーム通りに動いていたら、少なくとも変な組織に目はつけられなかったんじゃない?」
その通りだ。そもそも、私に前世の記憶がなければ、変に狙われなかったのかもしれない。今でも、後悔していないと言えば嘘になるくらいには、悩んでいる。
前世の記憶がなければ、悪役令嬢のリリアンとして生きていたかもしれない。そして、悪役として断罪されるか、愛されない公爵夫人としての人生を送るか。その二択だっただろう。
前世の記憶があったとしても、ゲームのリリアンとまったく同じ行動をすれば、こんな面倒事はなかったかもしれない。モニカちゃんも、そんなの知らねぇと振り切ってしまえばよかったかも。
演技でも、カインにベタベタするお馬鹿な公爵令嬢としていれば。
ヒロインも、向こうに合わせていじめていれば。
でも、そうなると、今の私の心はどうなっていただろうか。モニカちゃんと関わっていなければ、学園には魔物が溢れて、多数の負傷者……場合によっては、死者も出たかもしれない。
スタンピードもしかり。私が対処していなくても、なんとかなったかもしれないけど、犠牲者は出たかもしれない。
そうなっても、所詮はゲームと片づけられたのかと問われれば、無理だと答えるだろう。
「私には、ゲーム通りには動けないわよ。人形じゃないもの」
「まぁ、そうね。私だって、ゲームにすら登場しないモブ以下ですもの。でも、今は乙女ゲームの主要キャラにすっかり関わっているわ」
「主要キャラといえば……あのヒロインはどうするのかしらね」
「態度を改めなければ、バッドエンド一直線だと思うわよ?何か、気になることでもあるの?」
それを聞かれて、私は口ごもる。話してもいいのかわからないから。
ソフィアにこのことを話したら、どこで知ったのかという尋問が始まるに違いない。そうなったら、ソフィアに口で勝てる自信はないので、すべて正直に話すしかなくなってしまう。
「……話したくないならいいわよ。無理に暴きたいとは思わないわ」
「あら、珍しいのね。いつものあんたなら、私に隠し事なんて生意気ねとかいうのに」
「どこのわがままお嬢様よ。そんなことは言わないわ。でも、そんな風に言うなら、聞かれたら話すつもりだったのかしら?」
ソフィアはニヤニヤしながら聞いてくる。これは、ここまで読まれていた可能性があるな。
やっぱり、生まれ変わってもこの友人には敵わないかもしれない。
「ヒロインのお母さんが、私たちと同類かもしれないといえばわかるかしら?」
「……なるほどね。それじゃあ、彼女もある意味では被害者なのか」
「確定したわけではないけどね」
「……それじゃあ、この件は保留ってことで!アップルパイとタルトタタン作ってあげるから待ってなさい」
ソフィアにしては珍しく強引に話を切り上げて、そそくさと部屋を出ていってしまう。これは……私に気を遣ってくれたのかもしれない。
スパルタなところもあるし、毒舌なところもあるけど、やっぱりいい友人を持ったなと思うこの頃だった。
38
あなたにおすすめの小説
婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
側妃は捨てられましたので
なか
恋愛
「この国に側妃など要らないのではないか?」
現王、ランドルフが呟いた言葉。
周囲の人間は内心に怒りを抱きつつ、聞き耳を立てる。
ランドルフは、彼のために人生を捧げて王妃となったクリスティーナ妃を側妃に変え。
別の女性を正妃として迎え入れた。
裏切りに近い行為は彼女の心を確かに傷付け、癒えてもいない内に廃妃にすると宣言したのだ。
あまりの横暴、人道を無視した非道な行い。
だが、彼を止める事は誰にも出来ず。
廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。
王妃として教育を受けて、側妃にされ
廃妃となった彼女。
その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。
実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。
それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。
屋敷を飛び出し、一人で生きていく事を選択した。
ただコソコソと身を隠すつもりはない。
私を軽んじて。
捨てた彼らに自身の価値を示すため。
捨てられたのは、どちらか……。
後悔するのはどちらかを示すために。
【完結】婚約者が私以外の人と勝手に結婚したので黙って逃げてやりました〜某国の王子と珍獣ミミルキーを愛でます〜
平川
恋愛
侯爵家の莫大な借金を黒字に塗り替え事業を成功させ続ける才女コリーン。
だが愛する婚約者の為にと寝る間を惜しむほど侯爵家を支えてきたのにも関わらず知らぬ間に裏切られた彼女は一人、誰にも何も告げずに屋敷を飛び出した。
流れ流れて辿り着いたのは獣人が治めるバムダ王国。珍獣ミミルキーが生息するマサラヤマン島でこの国の第一王子ウィンダムに偶然出会い、強引に王宮に連れ去られミミルキーの生態調査に参加する事に!?
魔法使いのウィンロードである王子に溺愛され珍獣に癒されたコリーンは少しずつ自分を取り戻していく。
そして追い掛けて来た元婚約者に対して少女であった彼女が最後に出した答えとは…?
完結済全6話
2025.10〜連載版構想書き溜め中
2025.12 〜現時点10万字越え確定
【完結】悪役令嬢は3歳?〜断罪されていたのは、幼女でした〜
白崎りか
恋愛
魔法学園の卒業式に招かれた保護者達は、突然、王太子の始めた蛮行に驚愕した。
舞台上で、大柄な男子生徒が幼い子供を押さえつけているのだ。
王太子は、それを見下ろし、子供に向って婚約破棄を告げた。
「ヒナコのノートを汚したな!」
「ちがうもん。ミア、お絵かきしてただけだもん!」
小説家になろう様でも投稿しています。
婚約破棄? あ、ハイ。了解です【短編】
キョウキョウ
恋愛
突然、婚約破棄を突きつけられたマーガレットだったが平然と受け入れる。
それに納得いかなかったのは、王子のフィリップ。
もっと、取り乱したような姿を見れると思っていたのに。
そして彼は逆ギレする。なぜ、そんなに落ち着いていられるのか、と。
普通の可愛らしい女ならば、泣いて許しを請うはずじゃないのかと。
マーガレットが平然と受け入れたのは、他に興味があったから。婚約していたのは、親が決めたから。
彼女の興味は、婚約相手よりも魔法技術に向いていた。
【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。
五月ふう
恋愛
リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。
「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」
今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。
「そう……。」
マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。
明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。
リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。
「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」
ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。
「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」
「ちっ……」
ポールは顔をしかめて舌打ちをした。
「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」
ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。
だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。
二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。
「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。