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第三章 探る者たち
52. 協力者 2
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せっかく二人きりになれたこの機会を逃すまいと、僕はいろいろと聞き出すことにした。
「あなたの名前はなんて言うんですか?」
「……ルディとでも呼んでくれ」
呼んでくれということは、ルディというのは本名ではないのだろう。本名を明かせないということは、やはりやんごとなき身分のお方のようだ。
領主さまが黒いフードの集団について知らなかったところを見ると、おそらく親戚などではない、まったくの無関係の者だろう。
そんな人がこの街に何をしに来たんだろうか。
「君は?」
「ルイと呼んでください」
僕もルディさんと同じように返す。ルディさんからの応答はないけど、了承してはいるだろう。
「ルディさんはなぜこの街に?」
「調査をしに来た。奴らの幹部がこの街に潜伏しているという情報を掴んだからな」
さっきも言っていたけど、奴らってなんだ?
「奴らって誰ですか?」
僕が尋ねると、ルディさんは歩みを止める。
「ルイ。君が平民なら、黒いコントラクトカードも持っているだろう?」
「……口外禁止の『契約』ですね」
僕は黒いコントラクトカードを取り出し、ルディさんに向ける。
わざわざ一方的な契約になるという黒いコントラクトカードを使わせるということは、よほど口外されたくないんだろう。
領主さまも奥さまの呪いについて話すときに使っていたような気がする。おそらくは、契約という名の命令をくだすことができるといったところだろう。
僕の黒いコントラクトカードとルディさんの銀のコントラクトカードが重なる。
「私の話す内容を誰にも口外してはならない」
ルディさんが契約内容を告げて、カードを離したのを確認して、僕はコントラクトカードを仕舞う。
仕舞い終えると同時にルディさんが説明を始めた。
「『白夜の会』と呼ばれる者たちだ」
「白夜の会……?」
響きからすると、組織の名前……というか、宗教団体みたいな感じなんだけど、そういう認識でいいのかな?
「『白夜の会』は世界中に仲間がいる大規模な組織だ。表向きは慈善事業をしているが、裏では人身売買や暗殺、誘拐をしている」
なるほど。そいつらがレオンを誘拐した可能性があるということか。そして、この人たちが吹雪の日を知りたがっていたのは、その『白夜の会』が吹雪の日に行動を起こすことを事前に掴んでいたのだろう。
でも、なぜ吹雪?そして、なぜレオンが狙われた?
これらの疑問がまだ解けていない。
「この建物には人がいたか?」
「いいえ。レオンや他に捕まった人を除けば誰も」
そういえば、あの人たちはどうなったんだろうか。おそらくは領主さまがすでに事情聴取をしているはずだけど、あれから会っていないし話も聞いていない。
僕にとってはレオンが無事ならそれでよくて、他の人たちのことまで気にかけていられなかった。
冷たいと思われようが、僕はそういう人間だ。
「そのレオンという子の様子は?」
「見つかったときには意識がありませんでした。意識が戻っても、事件当時のことはよく覚えていなかったようで、外出したことだけをぼんやりと覚えている状態でした」
「ふむ……黒魔法かもしれないな」
「黒魔法……ですか」
黒魔法は基本である赤、青、黄、緑と比べると珍しいけど、金や銀と比べればありふれた属性と言える。
そして黒魔法は影から影への移動などトリッキーな使い方をすることが多く、黒魔法の特徴の一つに呪いがある。
領主さまの奥さまも呪いにかかっていた。今は僕の『魔力強化』が施された七等級の白魔法によって完治しているけど、魔法をかけた相手はわかっていない。
もしかしたら、この件も『白夜の会』という者たちの仕業なのかもしれない。となると、領主さまも無関係ではなくなる。
話しておきたいところだけど、僕はたった今口外禁止の『契約』をしてしまったので、口外することはできない。
というか、そもそも。
「なぜ領主さまに協力を仰がないのですか?」
「どこに『白夜の会』の間者が潜んでいるかわからない以上、迂闊に協力を願うことはできない」
なるほど。つまりは、領主さまの屋敷に『白夜の会』がいる可能性があるのだ。その者は、奥さまに呪いをかけた本人、もしくは関係者の可能性が高い。
屋敷に行って調べたいところだけど……僕はリーリアさまの友人という立場ではあれど平民。理由もなしに屋敷を訪ねることはできない。もうすぐ冬ごもりが始まろうとしている今の時期はなおさらだ。
「僕が『白夜の会』の関係者とは思わないのですか?」
表向きは慈善事業を行っているということは、恵まれない子どもの支援などをしていてもおかしくない。
その中で素質のありそうな子どもを引き抜くというのはよくあることだ。それを理解しているならば、相手が子どもであろうと疑いの目は持つはず。
「最初はそう思ったが、君だとわかってから疑うことはなくなった」
「なぜですか?」
「君の家族が事件に巻き込まれたためだ。君が単身でここに出向いてきたというのもあるが」
僕が『白夜の会』の関係者ならその身内であるレオンを誘拐などせずに、僕に連れ出すように命じればいいだけだし、僕が余計なことをしないか監視する者がいてもおかしくないってことか。
「あっ、ここで止まってください」
話しているうちに隠し通路があった部屋にたどり着いた。
「この部屋に隠し通路があって、その先にレオンたちがいたんです」
僕は部屋の中に入り、隠し通路の前に立つ。ルディさんは壁の回りを観察するように見ていた。
「……なるほど。『隠蔽』のスキルによるものだな」
「『隠蔽』……ですか?」
僕が想像している通りなら、対象を隠す……ということだろうか。
この隠し通路は『隠蔽』というスキルで隠されたもののようだ。
「『隠蔽』によって隠された通路が『看破』によって突破されたというところか……」
ルディさんはぶつぶつと呟きながら観察を続けている。
そこで、僕は疑問に思った。
(なんで『看破』を使ったことを知ってるんだろう?)
ルディさんの言う通り、この通路は領主さまの部下の兵士の『看破』というもので見つけた。でも、僕はそんなことは一言も話していない。
「ルディさん、よくわかりますね」
「……ああ、こういうのはよく見るからな」
問いかけに対して答えるまでに妙な間があったのを僕は見過ごさなかった。
声のトーンや目線からして、ルディさんが嘘を言っているようには見えない。おそらく、このような場面をよく見るというのは本当だろう。でも、確信を得られたのはもっと別の何かがあったはずだ。
それこそ、そういうのを見抜くことのできるスキルとか。
「それより、まだ君の兄が捕えられていた場所ではないだろう。案内を再開してくれ」
「はい、わかりました」
ルディさんに関する疑惑が強まりながらも、僕は隠し通路の奥に進んだ。
「あなたの名前はなんて言うんですか?」
「……ルディとでも呼んでくれ」
呼んでくれということは、ルディというのは本名ではないのだろう。本名を明かせないということは、やはりやんごとなき身分のお方のようだ。
領主さまが黒いフードの集団について知らなかったところを見ると、おそらく親戚などではない、まったくの無関係の者だろう。
そんな人がこの街に何をしに来たんだろうか。
「君は?」
「ルイと呼んでください」
僕もルディさんと同じように返す。ルディさんからの応答はないけど、了承してはいるだろう。
「ルディさんはなぜこの街に?」
「調査をしに来た。奴らの幹部がこの街に潜伏しているという情報を掴んだからな」
さっきも言っていたけど、奴らってなんだ?
「奴らって誰ですか?」
僕が尋ねると、ルディさんは歩みを止める。
「ルイ。君が平民なら、黒いコントラクトカードも持っているだろう?」
「……口外禁止の『契約』ですね」
僕は黒いコントラクトカードを取り出し、ルディさんに向ける。
わざわざ一方的な契約になるという黒いコントラクトカードを使わせるということは、よほど口外されたくないんだろう。
領主さまも奥さまの呪いについて話すときに使っていたような気がする。おそらくは、契約という名の命令をくだすことができるといったところだろう。
僕の黒いコントラクトカードとルディさんの銀のコントラクトカードが重なる。
「私の話す内容を誰にも口外してはならない」
ルディさんが契約内容を告げて、カードを離したのを確認して、僕はコントラクトカードを仕舞う。
仕舞い終えると同時にルディさんが説明を始めた。
「『白夜の会』と呼ばれる者たちだ」
「白夜の会……?」
響きからすると、組織の名前……というか、宗教団体みたいな感じなんだけど、そういう認識でいいのかな?
「『白夜の会』は世界中に仲間がいる大規模な組織だ。表向きは慈善事業をしているが、裏では人身売買や暗殺、誘拐をしている」
なるほど。そいつらがレオンを誘拐した可能性があるということか。そして、この人たちが吹雪の日を知りたがっていたのは、その『白夜の会』が吹雪の日に行動を起こすことを事前に掴んでいたのだろう。
でも、なぜ吹雪?そして、なぜレオンが狙われた?
これらの疑問がまだ解けていない。
「この建物には人がいたか?」
「いいえ。レオンや他に捕まった人を除けば誰も」
そういえば、あの人たちはどうなったんだろうか。おそらくは領主さまがすでに事情聴取をしているはずだけど、あれから会っていないし話も聞いていない。
僕にとってはレオンが無事ならそれでよくて、他の人たちのことまで気にかけていられなかった。
冷たいと思われようが、僕はそういう人間だ。
「そのレオンという子の様子は?」
「見つかったときには意識がありませんでした。意識が戻っても、事件当時のことはよく覚えていなかったようで、外出したことだけをぼんやりと覚えている状態でした」
「ふむ……黒魔法かもしれないな」
「黒魔法……ですか」
黒魔法は基本である赤、青、黄、緑と比べると珍しいけど、金や銀と比べればありふれた属性と言える。
そして黒魔法は影から影への移動などトリッキーな使い方をすることが多く、黒魔法の特徴の一つに呪いがある。
領主さまの奥さまも呪いにかかっていた。今は僕の『魔力強化』が施された七等級の白魔法によって完治しているけど、魔法をかけた相手はわかっていない。
もしかしたら、この件も『白夜の会』という者たちの仕業なのかもしれない。となると、領主さまも無関係ではなくなる。
話しておきたいところだけど、僕はたった今口外禁止の『契約』をしてしまったので、口外することはできない。
というか、そもそも。
「なぜ領主さまに協力を仰がないのですか?」
「どこに『白夜の会』の間者が潜んでいるかわからない以上、迂闊に協力を願うことはできない」
なるほど。つまりは、領主さまの屋敷に『白夜の会』がいる可能性があるのだ。その者は、奥さまに呪いをかけた本人、もしくは関係者の可能性が高い。
屋敷に行って調べたいところだけど……僕はリーリアさまの友人という立場ではあれど平民。理由もなしに屋敷を訪ねることはできない。もうすぐ冬ごもりが始まろうとしている今の時期はなおさらだ。
「僕が『白夜の会』の関係者とは思わないのですか?」
表向きは慈善事業を行っているということは、恵まれない子どもの支援などをしていてもおかしくない。
その中で素質のありそうな子どもを引き抜くというのはよくあることだ。それを理解しているならば、相手が子どもであろうと疑いの目は持つはず。
「最初はそう思ったが、君だとわかってから疑うことはなくなった」
「なぜですか?」
「君の家族が事件に巻き込まれたためだ。君が単身でここに出向いてきたというのもあるが」
僕が『白夜の会』の関係者ならその身内であるレオンを誘拐などせずに、僕に連れ出すように命じればいいだけだし、僕が余計なことをしないか監視する者がいてもおかしくないってことか。
「あっ、ここで止まってください」
話しているうちに隠し通路があった部屋にたどり着いた。
「この部屋に隠し通路があって、その先にレオンたちがいたんです」
僕は部屋の中に入り、隠し通路の前に立つ。ルディさんは壁の回りを観察するように見ていた。
「……なるほど。『隠蔽』のスキルによるものだな」
「『隠蔽』……ですか?」
僕が想像している通りなら、対象を隠す……ということだろうか。
この隠し通路は『隠蔽』というスキルで隠されたもののようだ。
「『隠蔽』によって隠された通路が『看破』によって突破されたというところか……」
ルディさんはぶつぶつと呟きながら観察を続けている。
そこで、僕は疑問に思った。
(なんで『看破』を使ったことを知ってるんだろう?)
ルディさんの言う通り、この通路は領主さまの部下の兵士の『看破』というもので見つけた。でも、僕はそんなことは一言も話していない。
「ルディさん、よくわかりますね」
「……ああ、こういうのはよく見るからな」
問いかけに対して答えるまでに妙な間があったのを僕は見過ごさなかった。
声のトーンや目線からして、ルディさんが嘘を言っているようには見えない。おそらく、このような場面をよく見るというのは本当だろう。でも、確信を得られたのはもっと別の何かがあったはずだ。
それこそ、そういうのを見抜くことのできるスキルとか。
「それより、まだ君の兄が捕えられていた場所ではないだろう。案内を再開してくれ」
「はい、わかりました」
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