蒼い月 -ペンダントの力-

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夢のまた夢な夢

拓也と智己

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蒸し暑い夜。部屋の明かりは落とされ、机の上のペンダントだけがかすかに光を返していた。
智己は拓也に向かって、静かに囁いた。

「……拓也、お休み」

その合図で、拓也の肩がふっと弛み、瞳の奥から緊張が抜けていく。だが眠るのではなく、ただ夢へ沈み込むように意識の膜が覆う。

智己は、すでに何度も試してきた観察の熱を抑えきれず、今日こそ新たな段階へ踏み込むと決めていた。

「夢の中だ。……素直に言えるだろ?」

拓也の唇が微かに動く。
「……ああ……」

「なあ、拓也。お前、鍛錬って言って快感を追い込んできただろ。ひとりでやるより……誰かとやったら、もっと上に行けると思わないか?」

拓也は小さく頷いた。
「……思う……。ライバルとか、隣で……一緒に……」

「じゃあ、俺で試してみろよ。俺とお前で上を目指そうぜ」

智己はそう言い、ゆっくりと布団に横になる。誘い方はあくまで自然に、だが瞳には熱が宿っていた。
拓也は息を詰まらせ、逡巡するように拳を握る。

「……でも、俺が智己と?……それは...」
「夢なんだ。大丈夫だ」

その囁きで、拓也の緊張が溶け、布団へ身を乗り出してきた。シャツのボタンが外され、腹筋の上を指がなぞる。智己は目を細め、わずかに腰を浮かせた。

拓也は必死に吐息を殺しながら、智己の足を広げる。下着を下ろした瞬間、智己の体は小さく震えた。
「……ほんとに、いいのか……」
「お前が試したいんだろ……? 遠慮するな」

拓也は頷き、準備されたローションを手に取る。現実でも智己が密かに置いておいたものだ。夢の中の拓也は、それを当然のように使う。

指がゆっくりと入り、智己の奥を探る。
「……っ……く……」
声を漏らす智己を見て、拓也の胸は高鳴る。夢の中だからこそ、遠慮もタブーもなかった。

十分にほぐされたあと、拓也は自分を導き入れる。
熱く、狭い。智己の背中が弓なりに反り、喉から声がもれる。

「……っ……はぁ……!」

拓也は息を荒げ、必死に腰を動かす。鍛錬のように、力を込め、汗を散らす。智己は苦痛と快感の入り混じる波に飲まれ、腕を布団に沈める。

「……もっと……拓也のをくれ……」
智己の誘いに、拓也は全力で応えた。

二人の体が汗に濡れ、軋み合い、拓也が限界を超える瞬間、智己も大きく声を上げて果てた。

布団の上に倒れ込み、二人の息だけが重なって響く。

智己はつながったまま、ゆっくりと腕を伸ばして枕元のタオルを取った。
「……ほら、拭け。夢でも、終わったらちゃんと片付けるんだ」

拓也は言われるまま、体を拭き、服を整えていく。
布団も整えられ、部屋は元の静けさを取り戻した。
智己も自らを整える。

智己は満足げに息をつき、拓也の額に軽く触れる。
「よし……全部戻ったな。――拓也、おはよう」

瞬間、拓也の表情に意識が戻り、きょとんとした目を開いた。
「……あれ……? 俺、今……寝てた?」

智己は机に腰かけ、何事もなかったように肩をすくめる。

拓也は布団の中でまばたきをし、寝汗を拭うように額を撫でた。
「……なんか、変な夢……見てた気がする」

智己は机に腰かけたまま、何気ない声で問う。
「へぇ。どんな?」

「……いや……」拓也は唇を噛む。
口にするのをためらうが、暗示がそれを許さない。
「……誰かと……やってる……感じで……」

智己は目を細める。
「へぇ、やってた? 誰と?」

「……近い誰か……」
拓也の声は小さく掠れ、耳まで赤く染まる。
「……熱くて……すげぇ……気持ちよかった……」

智己は鼻先で笑いをこらえた。
「ふーん。エロい夢だな。……溜まってんじゃねえの?」
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