527 / 636
第2章 幼年編
528 それぞれの修行
しおりを挟む「姫、ゴムはどう?」
「ええ。とっても順調よ。今のところ不安がないのが逆に不安っていうくらいにね」
「そっか。まずは良かったよね」
「狐ちゃんのおかげね」
「うううん。俺はなんにもしてないからね」
ミカサ商会さんが資金を出してくれたからゴム工房も順調なんだよね。
戦闘靴、今は月産200足くらいらしいけど、目標は当初からの予定通りに月産1,000足にするみたい。
「ゴームの木の管理とさ、グランドの立ち入り管理を今以上にちゃんとしなきゃいけないね」
「そうよね」
おそらく盗難事件も起きてくると思うんだよな。嫌だけど。
「そのへんは任せてよ。なんてったって元はデグー一族なんだからね」
「あははは」
【 デーツside 】
「ハァハァハァハァ‥‥」
「そうよぉぉーーっ!もっと、もっとよぉぉーーっ!」
「ハァハァハァハァ‥‥」
「デーツちゃん、受けはいいわね。狐ちゃんの指導かしら」
「ハイ」
「でも受けだけじゃダメよ。オンナは攻めなきゃ!」
「オンナジャナイ‼︎」
「あのねデーツちゃん、攻めはね、ときには守りにもなるのよ」
「えっ?」
「だって攻め続けたら相手は守るしかないでしょ?」
「なるほど!」
「そのためには体力、持久力も大事よ」
「はい師匠」
「違うわ!レ・ベ・ちゃん!」
「ハイレベチャン」
【 ドンside 】
「よいかなドン君。海洋諸国人の特性を活かすことじゃよ」
「特性?」
「海洋諸国人の男は長い年月をかけて、身体を小さく作ってきたの」
「はい師匠」
「それが長い年月で見つけた正解じゃからな」
「はい」
「剣士ではないから剣技で勝る必要はない。
魔法士でもないから魔法のレベルを上げる必要もない。
では海洋諸国人の強さはなにかの?」
「疾さと耐毒ですか?」
「半分正解じゃよ。疾さが正解で毒は必ずしも正解ではないの。
海洋諸国人の強さは疾さと隠密。これはいずれも魔力操作なんじゃよ。
良く体内に魔力を通すことが疾さに繋がり、良く体内の魔力を隠蔽することが隠密に繋がるんじゃよ」
「魔力操作‥‥」
「ほれドン君もわしの横に座りなされ。
まずは体内の魔力操作から始めましょうかな」
「はい師匠」
【 アレクside 】
コジローさんと一緒にナジローさんの墓参りに行った。
お墓はコジローさんの家を見下ろせるグランドの墓地の一角。南側の高台にロナウ河を背景に石造の墓標が刻まれていたんだ。
『コジローの弟 ナジローここに眠る』
ナジローさん。
いいところに住めるようになったんだね。
朝は朝日で目が覚めるし、夜は夕暮れになったから暗くなるからね。
もう時間がわかんなくなるまで薬やお酒を飲んでたらダメだよ。
それからコジローさんと家族を守ってよ。
もうナジローさんもデグー、アイランドの、同じ一族なんだからね。
俺も離れてはいるけど同じ一族の気持ちではいるから親戚だね。たまには俺のこともおもいだしてよ。
(フッ。アレク‥‥お前‥‥声出てるって)
「アレクありがとうな」
「うん‥‥」
「さっ、メシにするか。しゃーねぇーなぁ。娘も抱いていいぞ」
「いくいく!すぐいく!早く早く!」
「お前‥‥」
―――――――――――――――
いつもご覧いただき、ありがとうございます!
「☆」や「いいね」のご評価、フォローをいただけるとモチベーションにつながります。
どうかおひとつ、ポチッとお願いします!
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
47
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる