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第六章 貴方が狩りゲーで重視するのはなんですか?

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解散したその後、僕の渡したタオルを届けに来たという口実で4階から9階まで階段で上がってきた猛者(ケーキ君)を向かい入れる。

言うがこの寮は8階の成績上位者と9階の役持ち組以外は基本階段移動だ。


「はぁくそ.....マジ階段めんどくせぇ」

「お疲れ様です」

「.....誰もいねぇ時は楽にしてもいいんじゃね?俺も慣れたいし」

「なら口調だけ。変装はこのままで」


ダルそうにソファに凭れる彼にお茶を提供する。


「帰るのめんどいなら泊まってく?」

「明日昇級試験だし話聞いたら帰るわ。....俺いねぇと文貴達が部屋荒らすしよ」

「本当にお疲れ様」


そして僕はサマ臣君との出来事と生徒会庶務のことを話した。話す度に苦い顔をするケーキ君になんだか面白く思ってしまう。


「なるほど、あのイカれ野郎がストリップしたのはお前のためか。時間稼ぎのためとはいえやっぱやること頭おかしいなあいつ。しかもそれで自分の異能を晒すようなまねして.....いや、弱点になり得ないから見せたのか」


異能を大多数に見せるのはあまり宜しくない。それは自身の知らない弱点を見つける人がその大多数にいるかもしれないからだ。

....まぁ、それをわかっていて見せびらかす人達も当然存在する。そういう人間はたとえ弱点を知られたとしてもそれは弱点足りないと自負している強者か、弱点を気にしないバカだと僕は思っている。

だから僕はケーキ君の言葉に待ったをかける。


「サマ臣君にだって弱点はあるよ」


僕の切り裂く刃リッパーにだって弱点はあるんだ。サマ臣君に弱点がないわけないだろう。

きっと彼は自分の弱点を気にしないバカだ。


「弱点?」

「ヴァイスのことはあまり詳しくないけど、さっき見た限り瀧ちゃんのクレアティオは自立していた。話変わるけどケーキ君って影子の流れ見える?」

「見えねぇ」

「そっか。.....僕達異能者は空気中の影子を魂写棒に込めたり、実体化させたり、ドールに送り込んだりして異能を始動する。さっきさ、クレアティオを見て見たんだけど瀧ちゃんからの供給なしで動いていたんだよね」

「ほぉ....」

「つまりドールって電池で動く意思ある人形なんだ。電池が切れれば・抜かれれば当然止まって、定期的に電池を変えればずっと動く」

「おいおい、ますます戦闘狂の弱点が見えなくなってきたぜ。本人から定期的な供給をさせないようある程度本人とドールを離れさせればいいのが、戦闘狂にはできねぇじゃねぇか」

「まぁ待ってよ、ケーキ君。僕が言いたいのは、ヴァイスって使用者の意識がなくても込められた電池(影子)によってある程度自衛できるってこと」

「.....そうだ、な」

「でもサマ臣君は?」

「......できない」

「そう、つまり――サマ臣君の異能は本人が意識を失えば機能しなくなるってこと」

「それは俺達ザントにもサナートにも言えることだろ。弱点とは言えなくねぇ?」

「――そっか」



うん....要は心構えの問題かな。サマ臣君に勝つためにはドール云々ではなくてザントとサナートと対峙しているように考えた方がいい。ヴァイスとして戦うと勝ち目がなくなる。だからといって真正面から戦って勝てるとは思えないけど。

.....もう薬盛って倒す方法しか思いつかないなぁ。



「はい、サマ臣君の話はここで終わり。他になにか聞きたいことある?」

「生徒会庶務について。あの委員長さんは納得したのか?」

「うん、すんなりと。.....ごめんケーキ君、あんまりその話はしたくないかな」

「ふーん、そうか。で、庶務としての仕事はいつからだ」

「昇級試験が終わってからだって僕は聞いた。あ、そうそう聞きたいんだけ.....生徒会顧問ってどんな人?」


一度モッチー先生に聞いてみたんだけど、『仲はいいが一緒にいたいとは思わない奴』って言われた。どういうこと?ってなったね、その時。
それは仲がいいと言えるのかな?


「......一言で言えば良い奴だが一緒に居たくない奴」

「えぇ???」


モッチー先生と同じこと言うじゃん。
いい人なのに一緒に居たくないの?どんな人なの?すっごい気になる。


「近づかないことをオススメする。懐かれたら最後、死が待ってるぞ」

「こわ....」


ケーキ君の言う通り近づかないようにしよう。







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