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後宮の調略
後宮調査着手
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「キャサリンさん、いろいろと融通してくれてありがとう。これ気持ちです」
エリカはキャサリンに白金貨を4枚渡した。キャサリンさんの年収ぐらいの価値がある。
キャサリンさんは驚いたが、素直に受け取った。
「エリカさん、出来ることはやりますし、聞きたいことがあれば何でも聞いてください」
言葉遣いもがらりと変わった。現金なおばさんである。
「では、早速ですが、外に出てくれますか?」
「? はい、いいですよ」
エリカとアラとキャサリンの3人は外に出た。
「あそこに雲がありますよね。あそこを見ていてもらっていいですか?」
「あれですか? わかりました。こんな感じでいいですか?」
エリカはランスロットと念話する。
(ラン君、これで見える?)
(はい、大丈夫です。キャサリンおばさん、OKです。裏切らない人です)
(ラン君、ありがとう)
エリカはランスロットとの念話を切って、キャサリンとの会話に切り替えた。
「キャサリンさん、ありがとう」
キャサリンは急にお金をもらったことに後ろめたさを感じ始めた。
「エリカさん、やはり、私こんなにもらっては申し訳ないです」
「いいんです。それは取っておいてください。これからいろいろとお願いすることになりますので、それに対する正当な報酬ですよ」
キャサリンはずっと考えていたが、受け取ることにした。
「何か今すぐにお役に立てることはありますか」
「はい、まず、王の側室について教えてください」
王の正妃はカトリーヌの姉のエカテリーナ。側室は8人いるらしいというのはわかっている。うち、昨日は5人と会話した。
思いっきり怪しまれたと思う。エリカたちは、これから各々の妃がどう動くかで、味方にするか、敵にするかの判断をしようと考えていた。
「王の側室は8人います。毎年新しい妃が数名入りますが、1年経っても妊娠出来ない妃は、後宮から出されます。7人がすでに母親で、1人が今年入った新しい妃ですが、ご懐妊中です。この妃を含めて、現在3名の妃がご懐妊中です」
「昨日、5人に会いました。ということは、懐妊中ではない妃全員に会ったということでしょうか」
「バラ園には正妃様もいらっしゃいますが、5人の方はどのような感じでしたでしょうか」
アラが答えた。
「若い順に年が18、19、21、25、26、27でしたわ」
エリカとキャサリンがびっくりしている。
「私、ヒトの年齢がわかるんですの」
「アラさん、すごい特技ですね。私の年齢も分かりますか?」
「ええ。38歳ですね」
「凄いです。当たりです。残念ながら妃の年齢を私は知りませんが、王妃様は30歳ぐらいのはずです」
エリカが答える。
「確か長女のリリア様が16歳になられておいでですので、30代の半ばではないでしょうか」
「その通りですね。ということは、おっしゃる通り、懐妊中ではない妃全員にお会いされたのだと思います。王様は妃を愛していないとの噂です。子供のできる可能性の高い日の妃のみと夜伽をされます。子作りのためだけしか、後宮には来られません」
(なるほど。純粋に子孫繁栄のためだけに側室を持っているのか)
エリカは意外だった。もっと好色な王というイメージだったのだ。
「唯一の例外が今から10年ほど前におられたカトリーヌ妃です。懐妊しなかったため、後宮から出されてしまいましたが、王様は毎日のように通っておられました」
(出たわね、カトリーヌ。ラン君のお父さんは王様のお下がりを貰ったのね)
「そんな素敵な妃がいらっしゃったのですか。少し興味が出て来たのですが、その頃の事情に詳しい妃はどなたですか」
「恐らくエイミー様です。カトリーヌ様と同じ年に入宮されましたので。いつも青系の衣装をお召しになっていて、青薔薇様と呼ばれてます。ご懐妊中ですので、昨日はお会いされていないと思います」
「キャサリンさん、エイミー様に私達がお近づき出来るよう手配することは可能ですか?」
「そうですね。ベッドメイキングの担当をお二方に変更するようにします」
よし、まずはエイミーからね。
エリカはキャサリンに白金貨を4枚渡した。キャサリンさんの年収ぐらいの価値がある。
キャサリンさんは驚いたが、素直に受け取った。
「エリカさん、出来ることはやりますし、聞きたいことがあれば何でも聞いてください」
言葉遣いもがらりと変わった。現金なおばさんである。
「では、早速ですが、外に出てくれますか?」
「? はい、いいですよ」
エリカとアラとキャサリンの3人は外に出た。
「あそこに雲がありますよね。あそこを見ていてもらっていいですか?」
「あれですか? わかりました。こんな感じでいいですか?」
エリカはランスロットと念話する。
(ラン君、これで見える?)
(はい、大丈夫です。キャサリンおばさん、OKです。裏切らない人です)
(ラン君、ありがとう)
エリカはランスロットとの念話を切って、キャサリンとの会話に切り替えた。
「キャサリンさん、ありがとう」
キャサリンは急にお金をもらったことに後ろめたさを感じ始めた。
「エリカさん、やはり、私こんなにもらっては申し訳ないです」
「いいんです。それは取っておいてください。これからいろいろとお願いすることになりますので、それに対する正当な報酬ですよ」
キャサリンはずっと考えていたが、受け取ることにした。
「何か今すぐにお役に立てることはありますか」
「はい、まず、王の側室について教えてください」
王の正妃はカトリーヌの姉のエカテリーナ。側室は8人いるらしいというのはわかっている。うち、昨日は5人と会話した。
思いっきり怪しまれたと思う。エリカたちは、これから各々の妃がどう動くかで、味方にするか、敵にするかの判断をしようと考えていた。
「王の側室は8人います。毎年新しい妃が数名入りますが、1年経っても妊娠出来ない妃は、後宮から出されます。7人がすでに母親で、1人が今年入った新しい妃ですが、ご懐妊中です。この妃を含めて、現在3名の妃がご懐妊中です」
「昨日、5人に会いました。ということは、懐妊中ではない妃全員に会ったということでしょうか」
「バラ園には正妃様もいらっしゃいますが、5人の方はどのような感じでしたでしょうか」
アラが答えた。
「若い順に年が18、19、21、25、26、27でしたわ」
エリカとキャサリンがびっくりしている。
「私、ヒトの年齢がわかるんですの」
「アラさん、すごい特技ですね。私の年齢も分かりますか?」
「ええ。38歳ですね」
「凄いです。当たりです。残念ながら妃の年齢を私は知りませんが、王妃様は30歳ぐらいのはずです」
エリカが答える。
「確か長女のリリア様が16歳になられておいでですので、30代の半ばではないでしょうか」
「その通りですね。ということは、おっしゃる通り、懐妊中ではない妃全員にお会いされたのだと思います。王様は妃を愛していないとの噂です。子供のできる可能性の高い日の妃のみと夜伽をされます。子作りのためだけしか、後宮には来られません」
(なるほど。純粋に子孫繁栄のためだけに側室を持っているのか)
エリカは意外だった。もっと好色な王というイメージだったのだ。
「唯一の例外が今から10年ほど前におられたカトリーヌ妃です。懐妊しなかったため、後宮から出されてしまいましたが、王様は毎日のように通っておられました」
(出たわね、カトリーヌ。ラン君のお父さんは王様のお下がりを貰ったのね)
「そんな素敵な妃がいらっしゃったのですか。少し興味が出て来たのですが、その頃の事情に詳しい妃はどなたですか」
「恐らくエイミー様です。カトリーヌ様と同じ年に入宮されましたので。いつも青系の衣装をお召しになっていて、青薔薇様と呼ばれてます。ご懐妊中ですので、昨日はお会いされていないと思います」
「キャサリンさん、エイミー様に私達がお近づき出来るよう手配することは可能ですか?」
「そうですね。ベッドメイキングの担当をお二方に変更するようにします」
よし、まずはエイミーからね。
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