あの方の妃選定でしたら、本気で勝ちに行きますわ

もぐすけ

文字の大きさ
10 / 12

次から次へと鬱陶しいですわ

しおりを挟む
 舞踊、政治論、歌と戦いは進み、マーガレットは全て一位、リリアナも全て二位だった。

 本当に彼女たちの才能とここまでのレベルにまで到達した努力には脱帽する。

 私は彼女たちと大きく点差が開いた三位軍団にいた。

 マーガレットとリリアナはこれまで私を相手にしていない感じだったが、次の種目の武道で状況が一変する。

 武道は異種格闘技のバトルロイヤルだったが、剣を持った私と鞭を持ったリリアナが他を圧倒し、マーガレットはかなり早い段階で私が仕留めた。

 いくら拳闘の達人といえど、剣の達人にかなうはずがないのだ。

 リリアナの鞭には多少手こずったが、鞭を切ってしまえば、敵ではなかった。

 武道は私が一位、二位がリリアナ、マーガレットは屈辱の十二位だった。

 総合点の一位にリリアナが躍り出て、50点差の二位が私、10点差でマーガレットが三位と大きく順位が変動した。

 そして、ついに私を排除する動きが出始めた。

 私に刺客が送られたのだ。

「お嬢、お嬢を尾行していた不審な男を捕らえました。猛毒の入った瓶と針を何本も保持していました。毒殺の機会を狙っていたと思われます」

 私の護衛の責任者であるクノイチのユキジが報告して来た。

「どこからの刺客かしら」

「恐らくリクリエーム公爵家かと思います」

「マーガレットか」

 だが、何となくだが、マーガレットが殺害を指示したのではないと思う。

 彼女は十二位という結果に悔し涙を流していたが、恐らく私がこれまでどれだけ剣に人生を捧げて来たかが分かったはずだ。

 恐らくバックにいるレクリエーム家が動いたのだと思う。

 リズルとスタシアからも連絡があり、ウィンチェスター家も刺客を放とうとしたそうだ。

 スタシアが両親に刺客送りをやめないと、リリアナにも刺客が送られると脅してやめさせたらしい。

 スタシアが取り込み中と言っていたのは、ウィンチェスター家の見張りだったようだ。

 皇太子妃戦はそれぞれのバックにいる一族の戦いでもあるのだ。

「お嬢、マーガレットを狙いますか?」

「私ね、彼女のことは嫌いじゃないのよ。刺客を送り出した黒幕は突き止められるかしら?」

「推測は出来ます。レクリエーム家の暗部を担当する分家のチェイダー子爵家と思います」

「チェイダー子爵は仕留められそう?」

「妾の家に通っていますので、そこを狙えば割と簡単にやれると思います」

 すぐにチェイダー子爵家に不幸な出来事が続いた。

 最初にチェイダー子爵が妾の家で腹上死したのを皮切りに、跡取りの長男が湖で溺死、次男が心臓発作、子爵の弟が自殺、そしてその長男も後追い自殺と、立て続けに一族の男5人が病死や事故死してしまったのだ。

 チェイダー子爵家の構成員も次々に不慮の事故で亡くなったり、行方不明になったが、公にされることはなかった。

 次の戦いの「馬術」で、マーガレットとリリアナに会ったが、特に変わった様子はなかった。

 恐らく彼女たちは裏で行われている一族間の抗争については、知らされていないのだろう。

 さて、私も競技に集中しよう。

 馬術は馬の扱いの技術を採点する実技審査だ。

 全員が体型が隠れる同じ衣装を来て、顔まで隠れるベールをつけて、馬にまたがる。

 審査員から誰かわからないようにして馬術を披露するのだ。

 私は小さい頃から父親に馬術をみっちりとしごかれてきたので、剣術並みに馬術は得意だ。

 そのため、マーガレットとリリアナの技術力の高さがよく分かる。

 審査員からは誰が乗馬しているかは分からないが、妃候補からは分かるのだ。

 この二人、本当にすごいと思う。

 もっと違った形で出会いたかった。

 でも、手は抜かない。私の馬術をとくとご覧なさい。

 馬術は私が一位、二位がマーガレット、三位がリリアナという結果だった。

 運動系の種目はいつも一位だが、リッチモンド家の遺伝子が成せる技なの。ごめんあそばせ。

 さあ、残すは次の種目と最終戦のみだ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

つまらない妃と呼ばれた日

柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。 舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。 さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。 リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。 ――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある

柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった 王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。 リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。 「わかりました。あなたには、がっかりです」 微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。

可愛らしい人

はるきりょう
恋愛
「でも、ライアン様には、エレナ様がいらっしゃるのでは?」 「ああ、エレナね。よく勘違いされるんだけど、エレナとは婚約者でも何でもないんだ。ただの幼馴染み」 「それにあいつはひとりで生きていけるから」 女性ながらに剣術を学ぶエレナは可愛げがないという理由で、ほとんど婚約者同然の幼馴染から捨てられる。 けれど、 「エレナ嬢」 「なんでしょうか?」 「今日の夜会のパートナーはお決まりですか?」  その言葉でパートナー同伴の夜会に招待されていたことを思い出した。いつものとおりライアンと一緒に行くと思っていたので参加の返事を出していたのだ。 「……いいえ」  当日の欠席は著しく評価を下げる。今後、家庭教師として仕事をしていきたいと考えるのであれば、父親か兄に頼んででも行った方がいいだろう。 「よければ僕と一緒に行きませんか?」

彼女が望むなら

mios
恋愛
公爵令嬢と王太子殿下の婚約は円満に解消された。揉めるかと思っていた男爵令嬢リリスは、拍子抜けした。男爵令嬢という身分でも、王妃になれるなんて、予定とは違うが高位貴族は皆好意的だし、王太子殿下の元婚約者も応援してくれている。 リリスは王太子妃教育を受ける為、王妃と会い、そこで常に身につけるようにと、ある首飾りを渡される。

ざまぁはハッピーエンドのエンディング後に

ララ
恋愛
私は由緒正しい公爵家に生まれたシルビア。 幼い頃に結ばれた婚約により時期王妃になることが確定している。 だからこそ王妃教育も精一杯受け、王妃にふさわしい振る舞いと能力を身につけた。 特に婚約者である王太子は少し?いやかなり頭が足りないのだ。 余計に私が頑張らなければならない。 王妃となり国を支える。 そんな確定した未来であったはずなのにある日突然破られた。 学園にピンク色の髪を持つ少女が現れたからだ。 なんとその子は自身をヒロイン?だとか言って婚約者のいるしかも王族である王太子に馴れ馴れしく接してきた。 何度かそれを諌めるも聞く耳を持たず挙句の果てには私がいじめてくるだなんだ言って王太子に泣きついた。 なんと王太子は彼女の言葉を全て鵜呑みにして私を悪女に仕立て上げ国外追放をいい渡す。 はぁ〜、一体誰の悪知恵なんだか? まぁいいわ。 国外追放喜んでお受けいたします。 けれどどうかお忘れにならないでくださいな? 全ての責はあなたにあると言うことを。 後悔しても知りませんわよ。 そう言い残して私は毅然とした態度で、内心ルンルンとこの国を去る。 ふふっ、これからが楽しみだわ。

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】

皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」 「っ――――!!」 「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」 クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。 ****** ・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。

処理中です...