言霊付与術師は、VRMMOでほのぼのライフを送りたい

工藤 流優空

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特別スキルレベルアップ編その2

フジヤさんへのプレゼント

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 こうして、作戦会議というか、顔合わせが無事に済んだ。ダンジョン攻略は、明日にしようということで話がまとまった。会議が終わると、フリントさんは急いで帰っていった。自分の職業を自分でばらしてしまったわけだけど。どうやら彼にとってはそれが逆に好都合だったようで。

「明日の授業の準備がありますので、この辺で失礼します」

 そう言って、すさまじい勢いでログアウトしていった。残ったシュウさんとフジヤさんと私だけど。シュウさんも、調べものがあるとかで早々にログアウトした。

 私とフジヤさんは、傷薬を作りながらお店のチラシ作りに関して話していた。

「初心者が作った傷薬を前面に押し出す感じのデザインもいい感じだよね」
「そうですね」

 フジヤさんは悩ましそうな顔をする。
「うー、迷うなぁ」

 ふと思いついた私は、フジヤさんに提案してみる。
「どうせなら、チラシとは別に小冊子とか作っても面白そうですよね」
「カンナのお店新聞、みたいな感じで?」
「そうです」

 私の提案に、フジヤさんはぽんと手を打った。
「そっか。チラシはチラシ、店に置く用のペーパー的なのは、別に作ればいいのか! 勝手に片方しかやっちゃだめだって思いこんでた。そうだよ、私が勝手に作ればいいだけのハナシじゃん!」

「その分、フジヤさんの負担は増えてしまうのですが……」
 
 ちょっと申し訳ない気はするけど……。すると、フジヤさんが笑う。

「私は楽しんで仕事するから何の問題もないよ!」
「ほんとですか、よかった」
「そうと決まれば、ますますやる気が出て来たよ! さっそく、イラストをリアルで描いてみる! それで会社でまた見せる!」
「やった! 楽しみにしてますね」
「うん」

 そして、フジヤさんも傷薬づくりをきりのいいところまで終わらせると、ログアウトしていった。まだ今日は、私はスキルを使ってない。
 よーし、作る作る詐欺してた、フジヤさんのお仕事道具の作成にとりかかりますか。3つ使えるし。

 そうと決まれば。私は早速モノづくりにとりかかる。カンナさんのお店の商品の中から、作り変えられそうなものを3点準備する。

 一つは、中は白紙の分厚い日記帳。二つ目は、鉛筆っぽいもの。三つめは、色鉛筆っぽいもの。

「『言霊・物語付与のスキル』の付与をします」

 そう言って、私は三つのアイテムのスキル付与にとりかかる。一つ目の表紙がかっこよかったという理由で選んだ日記帳は、ページがなくならないスケッチとメモ帳兼用のものに。二つ目の鉛筆は、半永久的に使えるちびらない鉛筆。三つ目の色鉛筆は、もちろん色鉛筆としても使えるけど、きれいだ、必要だと思う何かについている色をスポイトのように回収し、そのまま色鉛筆としてその色を使えるようにする面白い作りの色鉛筆に変えた。

 明日のダンジョン攻略で何かスケッチしたりメモすることがあるかもしれない。その時にもきっとフジヤさんの役に立つはず。いいものができたね!
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