146 / 304
特別スキルレベルアップ編その2
フジヤさんへのプレゼント
しおりを挟む
こうして、作戦会議というか、顔合わせが無事に済んだ。ダンジョン攻略は、明日にしようということで話がまとまった。会議が終わると、フリントさんは急いで帰っていった。自分の職業を自分でばらしてしまったわけだけど。どうやら彼にとってはそれが逆に好都合だったようで。
「明日の授業の準備がありますので、この辺で失礼します」
そう言って、すさまじい勢いでログアウトしていった。残ったシュウさんとフジヤさんと私だけど。シュウさんも、調べものがあるとかで早々にログアウトした。
私とフジヤさんは、傷薬を作りながらお店のチラシ作りに関して話していた。
「初心者が作った傷薬を前面に押し出す感じのデザインもいい感じだよね」
「そうですね」
フジヤさんは悩ましそうな顔をする。
「うー、迷うなぁ」
ふと思いついた私は、フジヤさんに提案してみる。
「どうせなら、チラシとは別に小冊子とか作っても面白そうですよね」
「カンナのお店新聞、みたいな感じで?」
「そうです」
私の提案に、フジヤさんはぽんと手を打った。
「そっか。チラシはチラシ、店に置く用のペーパー的なのは、別に作ればいいのか! 勝手に片方しかやっちゃだめだって思いこんでた。そうだよ、私が勝手に作ればいいだけのハナシじゃん!」
「その分、フジヤさんの負担は増えてしまうのですが……」
ちょっと申し訳ない気はするけど……。すると、フジヤさんが笑う。
「私は楽しんで仕事するから何の問題もないよ!」
「ほんとですか、よかった」
「そうと決まれば、ますますやる気が出て来たよ! さっそく、イラストをリアルで描いてみる! それで会社でまた見せる!」
「やった! 楽しみにしてますね」
「うん」
そして、フジヤさんも傷薬づくりをきりのいいところまで終わらせると、ログアウトしていった。まだ今日は、私はスキルを使ってない。
よーし、作る作る詐欺してた、フジヤさんのお仕事道具の作成にとりかかりますか。3つ使えるし。
そうと決まれば。私は早速モノづくりにとりかかる。カンナさんのお店の商品の中から、作り変えられそうなものを3点準備する。
一つは、中は白紙の分厚い日記帳。二つ目は、鉛筆っぽいもの。三つめは、色鉛筆っぽいもの。
「『言霊・物語付与のスキル』の付与をします」
そう言って、私は三つのアイテムのスキル付与にとりかかる。一つ目の表紙がかっこよかったという理由で選んだ日記帳は、ページがなくならないスケッチとメモ帳兼用のものに。二つ目の鉛筆は、半永久的に使えるちびらない鉛筆。三つ目の色鉛筆は、もちろん色鉛筆としても使えるけど、きれいだ、必要だと思う何かについている色をスポイトのように回収し、そのまま色鉛筆としてその色を使えるようにする面白い作りの色鉛筆に変えた。
明日のダンジョン攻略で何かスケッチしたりメモすることがあるかもしれない。その時にもきっとフジヤさんの役に立つはず。いいものができたね!
「明日の授業の準備がありますので、この辺で失礼します」
そう言って、すさまじい勢いでログアウトしていった。残ったシュウさんとフジヤさんと私だけど。シュウさんも、調べものがあるとかで早々にログアウトした。
私とフジヤさんは、傷薬を作りながらお店のチラシ作りに関して話していた。
「初心者が作った傷薬を前面に押し出す感じのデザインもいい感じだよね」
「そうですね」
フジヤさんは悩ましそうな顔をする。
「うー、迷うなぁ」
ふと思いついた私は、フジヤさんに提案してみる。
「どうせなら、チラシとは別に小冊子とか作っても面白そうですよね」
「カンナのお店新聞、みたいな感じで?」
「そうです」
私の提案に、フジヤさんはぽんと手を打った。
「そっか。チラシはチラシ、店に置く用のペーパー的なのは、別に作ればいいのか! 勝手に片方しかやっちゃだめだって思いこんでた。そうだよ、私が勝手に作ればいいだけのハナシじゃん!」
「その分、フジヤさんの負担は増えてしまうのですが……」
ちょっと申し訳ない気はするけど……。すると、フジヤさんが笑う。
「私は楽しんで仕事するから何の問題もないよ!」
「ほんとですか、よかった」
「そうと決まれば、ますますやる気が出て来たよ! さっそく、イラストをリアルで描いてみる! それで会社でまた見せる!」
「やった! 楽しみにしてますね」
「うん」
そして、フジヤさんも傷薬づくりをきりのいいところまで終わらせると、ログアウトしていった。まだ今日は、私はスキルを使ってない。
よーし、作る作る詐欺してた、フジヤさんのお仕事道具の作成にとりかかりますか。3つ使えるし。
そうと決まれば。私は早速モノづくりにとりかかる。カンナさんのお店の商品の中から、作り変えられそうなものを3点準備する。
一つは、中は白紙の分厚い日記帳。二つ目は、鉛筆っぽいもの。三つめは、色鉛筆っぽいもの。
「『言霊・物語付与のスキル』の付与をします」
そう言って、私は三つのアイテムのスキル付与にとりかかる。一つ目の表紙がかっこよかったという理由で選んだ日記帳は、ページがなくならないスケッチとメモ帳兼用のものに。二つ目の鉛筆は、半永久的に使えるちびらない鉛筆。三つ目の色鉛筆は、もちろん色鉛筆としても使えるけど、きれいだ、必要だと思う何かについている色をスポイトのように回収し、そのまま色鉛筆としてその色を使えるようにする面白い作りの色鉛筆に変えた。
明日のダンジョン攻略で何かスケッチしたりメモすることがあるかもしれない。その時にもきっとフジヤさんの役に立つはず。いいものができたね!
20
あなたにおすすめの小説
もふもふと味わうVRグルメ冒険記 〜遅れて始めたけど、料理だけは最前線でした〜
きっこ
ファンタジー
五感完全再現のフルダイブVRMMO《リアルコード・アース》。
遅れてゲームを始めた童顔ちびっ子キャラの主人公・蓮は、戦うことより“料理”を選んだ。
作るたびに懐いてくるもふもふ、微笑むNPC、ほっこりする食卓――
今日も炊事場でクッキーを焼けば、なぜか神様にまで目をつけられて!?
ただ料理しているだけなのに、気づけば伝説級。
癒しと美味しさが詰まった、もふもふ×グルメなスローゲームライフ、ここに開幕!
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
【完結】VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました
鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。
だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。
チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。
2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。
そこから怒涛の快進撃で最強になりました。
鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。
※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。
その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。
───────
自筆です。
アルファポリス、第18回ファンタジー小説大賞、奨励賞受賞
【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。
鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。
鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。
まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。
────────
自筆です。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
癒し目的で始めたVRMMO、なぜか最強になっていた。
branche_noir
SF
<カクヨムSFジャンル週間1位>
<カクヨム週間総合ランキング最高3位>
<小説家になろうVRゲーム日間・週間1位>
現実に疲れたサラリーマン・ユウが始めたのは、超自由度の高いVRMMO《Everdawn Online》。
目的は“癒し”ただそれだけ。焚き火をし、魚を焼き、草の上で昼寝する。
モンスター討伐? レベル上げ? 知らん。俺はキャンプがしたいんだ。
ところが偶然懐いた“仔竜ルゥ”との出会いが、運命を変える。
テイムスキルなし、戦闘ログ0。それでもルゥは俺から離れない。
そして気づけば、森で焚き火してただけの俺が――
「魔物の軍勢を率いた魔王」と呼ばれていた……!?
癒し系VRMMO生活、誤認されながら進行中!
本人その気なし、でも周囲は大騒ぎ!
▶モフモフと焚き火と、ちょっとの冒険。
▶のんびり系異色VRMMOファンタジー、ここに開幕!
カクヨムで先行配信してます!
ゲーム内転移ー俺だけログアウト可能!?ゲームと現実がごちゃ混ぜになった世界で成り上がる!ー
びーぜろ
ファンタジー
ブラック企業『アメイジング・コーポレーション㈱』で働く経理部員、高橋翔23歳。
理不尽に会社をクビになってしまった翔だが、慎ましい生活を送れば一年位なら何とかなるかと、以前よりハマっていたフルダイブ型VRMMO『Different World』にダイブした。
今日は待ちに待った大規模イベント情報解禁日。その日から高橋翔の世界が一変する。
ゲーム世界と現実を好きに行き来出来る主人公が織り成す『ハイパーざまぁ!ストーリー。』
計画的に?無自覚に?怒涛の『ざまぁw!』がここに有る!
この物語はフィクションです。
※ノベルピア様にて3話先行配信しておりましたが、昨日、突然ログインできなくなってしまったため、ノベルピア様での配信を中止しております。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる