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特別スキルレベルアップ編その2
フリントさんの作戦
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「で、作戦は」
「作戦なんて、ありません」
「……」
「……」
フリントさんとシュウさん、お互いに見つめ合う。確かに、聞いて驚く内容だったね、すごい!
「……わたしの聞き間違いか。……作戦は?」
「だから、ありませんって」
「……」
「……」
シュウさんは大きな大きなためいきをつく。それから、私を見て言った。
「……これでも、この先生の言うとおりに行動するのか」
「面白そうじゃないですか」
「ねー」
私とフジヤさん、頷きあう。シュウさんは再び大きなため息。
「……このグループの常識人は、わたしだけとみた」
「はい。だから必要な時のストッパー、よろしくお願いします」
「……まぁ、どこぞのゲームのように、命はかかってないからな」
シュウさんは言いつつ、目を細める。
「……しかし、そういう行き当たりばったりの旅も、悪くはないのかもしれない」
「でしょ!?」
なぜかフリントさんが全力で言う。シュウさんは嫌そうに言った。
「……そちらに言われるのは嫌だが、まぁ、悪くはないとは思う」
「だって普段は、用意周到に準備してから行くんでしょ」
「そうだ」
「だったら、いいじゃないですか」
「……ちなみに、そちらのレベルは」
「ぼくですか? レベル40です」
「……初心者用のダンジョンなら、わたしとそちらでなんとかなるか」
「シュウさんはレベルいくつなんですか」
「……レベル68」
「はぁ!?」
フリントさんが、すっごい顔でシュウさんに詰め寄る。
「……だから、レベル68」
「どうやってレベル上げたんですか!?」
「……普通に、ダンジョンを周回してただけだが」
「アナタ! お仕事は! フリーター! ですか!」
「……いや、普通の正社員だが」
フリントさんは、すごくショックを受けた表情をする。
「……ぼくの時間の使い方がまずいんでしょうか」
「いや。……わたしは、仕事の時間でもできるからな……」
シュウさん、苦笑する。そっか、シュウさん仕事でゲーム内を駆け回ることだってあるもんね……。
「ええ!? そんな素敵な仕事、あるんですか!」
「……あるといえば、ある」
「いいなぁ」
フリントさん、がっくりする。シュウさんは、そっとその肩をたたく。
「……仕事が嫌になったら相談してくれ。口利きくらいならできるかもしれん」
「ふえええぇっ、シュウさん、いい人!」
フリントさんががばっとシュウさんに抱きつく。シュウさん顔をしかめて彼を引きはがそうとする。
「くっつくな、暑苦しい。……とりあえず、高レベルプレイヤーが二人いるから、作戦が皆無でもなんとかはなるだろう。フリント、そちらはダンジョンの構造についてしっかり頭に入れておいてくれ」
「承知しました」
シュウさんからはなれて、フリントさんは頷いた。仲良し組の完成だ!
「作戦なんて、ありません」
「……」
「……」
フリントさんとシュウさん、お互いに見つめ合う。確かに、聞いて驚く内容だったね、すごい!
「……わたしの聞き間違いか。……作戦は?」
「だから、ありませんって」
「……」
「……」
シュウさんは大きな大きなためいきをつく。それから、私を見て言った。
「……これでも、この先生の言うとおりに行動するのか」
「面白そうじゃないですか」
「ねー」
私とフジヤさん、頷きあう。シュウさんは再び大きなため息。
「……このグループの常識人は、わたしだけとみた」
「はい。だから必要な時のストッパー、よろしくお願いします」
「……まぁ、どこぞのゲームのように、命はかかってないからな」
シュウさんは言いつつ、目を細める。
「……しかし、そういう行き当たりばったりの旅も、悪くはないのかもしれない」
「でしょ!?」
なぜかフリントさんが全力で言う。シュウさんは嫌そうに言った。
「……そちらに言われるのは嫌だが、まぁ、悪くはないとは思う」
「だって普段は、用意周到に準備してから行くんでしょ」
「そうだ」
「だったら、いいじゃないですか」
「……ちなみに、そちらのレベルは」
「ぼくですか? レベル40です」
「……初心者用のダンジョンなら、わたしとそちらでなんとかなるか」
「シュウさんはレベルいくつなんですか」
「……レベル68」
「はぁ!?」
フリントさんが、すっごい顔でシュウさんに詰め寄る。
「……だから、レベル68」
「どうやってレベル上げたんですか!?」
「……普通に、ダンジョンを周回してただけだが」
「アナタ! お仕事は! フリーター! ですか!」
「……いや、普通の正社員だが」
フリントさんは、すごくショックを受けた表情をする。
「……ぼくの時間の使い方がまずいんでしょうか」
「いや。……わたしは、仕事の時間でもできるからな……」
シュウさん、苦笑する。そっか、シュウさん仕事でゲーム内を駆け回ることだってあるもんね……。
「ええ!? そんな素敵な仕事、あるんですか!」
「……あるといえば、ある」
「いいなぁ」
フリントさん、がっくりする。シュウさんは、そっとその肩をたたく。
「……仕事が嫌になったら相談してくれ。口利きくらいならできるかもしれん」
「ふえええぇっ、シュウさん、いい人!」
フリントさんががばっとシュウさんに抱きつく。シュウさん顔をしかめて彼を引きはがそうとする。
「くっつくな、暑苦しい。……とりあえず、高レベルプレイヤーが二人いるから、作戦が皆無でもなんとかはなるだろう。フリント、そちらはダンジョンの構造についてしっかり頭に入れておいてくれ」
「承知しました」
シュウさんからはなれて、フリントさんは頷いた。仲良し組の完成だ!
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