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特別スキルレベルアップ編その2
トラップ発動!
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「まずいですまずいです! どうするんですかどうするんですかっ」
遠くの方で、フリントさんの声が聞こえる。
「だから焦ったって仕方ないでしょ! だいたい高レベルプレイヤーが震えあがっててどうすんのよっ」
続いてフジヤさんの声も聞こえて来た。
「……。あちらはあちらで、楽しくやっているようだな」
「そうですね」
私たちは頷きあう。そして、同時に走り出す。
「トラップ、うまく作動してくれるといいですね」
「……ああ」
そう言っている間にも、すごい音が響いてくる。まるで、雷が落ちたみたい。一体シュウさんはどんなトラップを仕掛けたんだろう。
「……今のはきっと、麻痺トラップが作動した音だ」
シュウさんが、私の心を見透かしたように言う。
「……ちなみに、そちらが設置した毒肉【改】の隣にも、落とし穴トラップを設置しておいた」
「いいですね、落とし穴トラップにはまった後、小さくなってくれれば、なかなか抜け出せなくなるでしょうし」
私たちが走っていると、遠くの方に光が見えた。光の前に、フリントさんとフジヤさんが立っている。
「ここまで頑張ってー」
「急いでください、後ろからきてますきてます」
言われなくても気づいては、いる。足音が少しずつ近づいているのは。
「そろそろ、毒肉【改】と落とし穴トラップの場所に来ますかね」
私がそう独り言のように言った時だった。ひときわ大きな音がしたかと思うと、足音が消える。
「……どうやら、引っかかったようだな」
「ちゃんと、毒肉も食べてくれているといいんですけど……」
すると、ポップアップ画面が立ち上がる。
『特別スキルレベルアップ条件が1つ開放されました。確認しますか』
『ボスモンスターに自分で作ったアイテムでダメージを与える』
表示を見て、私はネズミ将軍が私の罠にひっかかったことを知る。うん、よっぽどお腹すいてたのかな。
「シュウさんシュウさん、ネズミ将軍、罠にひっかかったみたいです」
私が言うと、シュウさんは言う。
「今なら、止めをさせる……かもしれない」
「そうですね」
私の相槌に、シュウさんは少し逡巡した後、大声で言った。
「フリント、手伝え」
「僕は嫌ですよっ!」
シュウさんは走ってフリントさんを引きずって戻ってきた。
「……こちらとフリントで様子を見てくる。合図したら近くまで来てもらって構わない」
私は頷いた。うまく発動してくれてますように! シュウさんとフリントさんに危害が及びませんように! 私はそう思いながらシュウさんと引きずられていくフリントさんを見送った。
遠くの方で、フリントさんの声が聞こえる。
「だから焦ったって仕方ないでしょ! だいたい高レベルプレイヤーが震えあがっててどうすんのよっ」
続いてフジヤさんの声も聞こえて来た。
「……。あちらはあちらで、楽しくやっているようだな」
「そうですね」
私たちは頷きあう。そして、同時に走り出す。
「トラップ、うまく作動してくれるといいですね」
「……ああ」
そう言っている間にも、すごい音が響いてくる。まるで、雷が落ちたみたい。一体シュウさんはどんなトラップを仕掛けたんだろう。
「……今のはきっと、麻痺トラップが作動した音だ」
シュウさんが、私の心を見透かしたように言う。
「……ちなみに、そちらが設置した毒肉【改】の隣にも、落とし穴トラップを設置しておいた」
「いいですね、落とし穴トラップにはまった後、小さくなってくれれば、なかなか抜け出せなくなるでしょうし」
私たちが走っていると、遠くの方に光が見えた。光の前に、フリントさんとフジヤさんが立っている。
「ここまで頑張ってー」
「急いでください、後ろからきてますきてます」
言われなくても気づいては、いる。足音が少しずつ近づいているのは。
「そろそろ、毒肉【改】と落とし穴トラップの場所に来ますかね」
私がそう独り言のように言った時だった。ひときわ大きな音がしたかと思うと、足音が消える。
「……どうやら、引っかかったようだな」
「ちゃんと、毒肉も食べてくれているといいんですけど……」
すると、ポップアップ画面が立ち上がる。
『特別スキルレベルアップ条件が1つ開放されました。確認しますか』
『ボスモンスターに自分で作ったアイテムでダメージを与える』
表示を見て、私はネズミ将軍が私の罠にひっかかったことを知る。うん、よっぽどお腹すいてたのかな。
「シュウさんシュウさん、ネズミ将軍、罠にひっかかったみたいです」
私が言うと、シュウさんは言う。
「今なら、止めをさせる……かもしれない」
「そうですね」
私の相槌に、シュウさんは少し逡巡した後、大声で言った。
「フリント、手伝え」
「僕は嫌ですよっ!」
シュウさんは走ってフリントさんを引きずって戻ってきた。
「……こちらとフリントで様子を見てくる。合図したら近くまで来てもらって構わない」
私は頷いた。うまく発動してくれてますように! シュウさんとフリントさんに危害が及びませんように! 私はそう思いながらシュウさんと引きずられていくフリントさんを見送った。
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