50 / 68
番外編
番外編5 え? 誰?
しおりを挟む
鑑定の仕事をしていたら、昼を軽く過ぎていた。
「あ、モニカさん、昼めしどうしますか?」
「う~ん、今日はオークカツ弁当だよね。あたしオークカツ丼の方が好きなんだよねぇ」
「そうだったんですね。じゃあ、今度はそうしますね。今は材料がないから」
創造魔法で材料がないと死ぬ目に合うからね。俺は無理はしない。
「うん。でもさ~、そろそろ新しいお弁当が食べたいよね~。何かないかなぁ」
「そうですね~。食べられる肉って言うのがよく分からないんですよ。あと魚はこの辺じゃないし」
「魚かぁ、そうだねぇ。ちょっと行ってマジックバッグに入れてくるって言う手もあるけどねぇ」
「そうなんですけどね。さすがに仕入れに行くのに一人だと心もとないし、二人での長距離の転移はまだちょっと」
そう。以前行った海のある街もさ、行ってもいいんだけど、さすがに片道1週間以上っていうのはさ。大体、国を超えるから転移は無理かもしれない。
「そっか~。後なんか考えてるのはないの?」
「ああ、ミノタウロスっていうのが牛肉に似ているって言うから買取とかきたら貰おうかなって思ってて」
「ミノタウロス……何になるの?」
何だかモニカさんの目がキラッて光ったような気がした。
「すき焼き弁当っていう甘辛い感じにちょっと似た……」
「ミノタウロス! 分かったよ、ソウタ。見つけてくるよ。大丈夫。情報さえ集まればどこにいるか判るからね。あとは簡易の魔法陣とかで転移が出来なくてもすぐだよぉぉ」
やる気満々で拳を高く上げたモニカさんに俺は慌てて口を開いた。
「駄目ですよ。モニカさん。女性が危ないですよ。見つけたらダグラスが取って来てくれることになっているから」
「いつだか分からないのを待つのは性に合わないんだよぉ。でもせっかくソウタがそう言ってくれたから、知り合いに頼んでみるよ。見つけたらとってきてね! って」
「はい! そうしてください!」
「先にケンタローと食べておいで」と言われて俺は2階に上がった。
ギルマスは自分の部屋で溜まった仕事をしている。月の終わりは忙しいなんてどこでも同じだななんて思いながら、俺は健太郎さんが保護されている隣の部屋のドアを叩いた。
「健太郎さん、お昼にしませんか?」
「はい」
ん? なんか声が違う
「入りますよ」
「どうぞ」
あれ、健太郎さんってこんな声だったっけ?
ドアを開けた…………閉じた。
「だ、誰?」
バクバクとものすごい勢いで心臓が働きだした。ちょっと待って、誰、あれ、誰?????
あの可愛い顔の5歳児はどこに行ったの?
何なの? え? 何? ホスト? ホストかな? いや、それよりも何よりも……
「どうしたんですか? ソウタさん」
「!!」
俺が閉めたドアが向こうから開いた。
ちちちちちち違う! 俺の知っている人と違う! そしてこの人はなんで……
「どどどどどなた?」
「? ああ、すみません。大橋健太郎です」
「は………」
「白い部屋で神様と交渉をして、20歳にしてもらったんですよ。5歳児では何もできませんからね。ほら、面影あるでしょう?」
そう言われて楽しそうにがしっと両腕を掴まれて顔を寄せられた途端、俺は「わあぁぁぁぁ!!」と声をあげていた。
「どうした!」
「ソウタ!!」
「なになになに~~~」
隣の部屋からカイザックが、そしてどうやって来たのか階段をダグラスとモニカさんが駆け上がってきた。
そして。
「!! 誰だ! ソウタから離れろ!」
「えええ? もう、ソウタさんどうして叫ぶんですか? 皆さんも、俺ですってば、大橋健太郎です!」
「はぁ?」
廊下に3人の大きな「はぁ?」が響いた。
でもそれは仕方がない事だと思う。
だって、健太郎さん、真っ裸でその辺にあった布みたいなのグルグル巻きに巻いていたんだもん。
---------------
さすが、神。
「あ、モニカさん、昼めしどうしますか?」
「う~ん、今日はオークカツ弁当だよね。あたしオークカツ丼の方が好きなんだよねぇ」
「そうだったんですね。じゃあ、今度はそうしますね。今は材料がないから」
創造魔法で材料がないと死ぬ目に合うからね。俺は無理はしない。
「うん。でもさ~、そろそろ新しいお弁当が食べたいよね~。何かないかなぁ」
「そうですね~。食べられる肉って言うのがよく分からないんですよ。あと魚はこの辺じゃないし」
「魚かぁ、そうだねぇ。ちょっと行ってマジックバッグに入れてくるって言う手もあるけどねぇ」
「そうなんですけどね。さすがに仕入れに行くのに一人だと心もとないし、二人での長距離の転移はまだちょっと」
そう。以前行った海のある街もさ、行ってもいいんだけど、さすがに片道1週間以上っていうのはさ。大体、国を超えるから転移は無理かもしれない。
「そっか~。後なんか考えてるのはないの?」
「ああ、ミノタウロスっていうのが牛肉に似ているって言うから買取とかきたら貰おうかなって思ってて」
「ミノタウロス……何になるの?」
何だかモニカさんの目がキラッて光ったような気がした。
「すき焼き弁当っていう甘辛い感じにちょっと似た……」
「ミノタウロス! 分かったよ、ソウタ。見つけてくるよ。大丈夫。情報さえ集まればどこにいるか判るからね。あとは簡易の魔法陣とかで転移が出来なくてもすぐだよぉぉ」
やる気満々で拳を高く上げたモニカさんに俺は慌てて口を開いた。
「駄目ですよ。モニカさん。女性が危ないですよ。見つけたらダグラスが取って来てくれることになっているから」
「いつだか分からないのを待つのは性に合わないんだよぉ。でもせっかくソウタがそう言ってくれたから、知り合いに頼んでみるよ。見つけたらとってきてね! って」
「はい! そうしてください!」
「先にケンタローと食べておいで」と言われて俺は2階に上がった。
ギルマスは自分の部屋で溜まった仕事をしている。月の終わりは忙しいなんてどこでも同じだななんて思いながら、俺は健太郎さんが保護されている隣の部屋のドアを叩いた。
「健太郎さん、お昼にしませんか?」
「はい」
ん? なんか声が違う
「入りますよ」
「どうぞ」
あれ、健太郎さんってこんな声だったっけ?
ドアを開けた…………閉じた。
「だ、誰?」
バクバクとものすごい勢いで心臓が働きだした。ちょっと待って、誰、あれ、誰?????
あの可愛い顔の5歳児はどこに行ったの?
何なの? え? 何? ホスト? ホストかな? いや、それよりも何よりも……
「どうしたんですか? ソウタさん」
「!!」
俺が閉めたドアが向こうから開いた。
ちちちちちち違う! 俺の知っている人と違う! そしてこの人はなんで……
「どどどどどなた?」
「? ああ、すみません。大橋健太郎です」
「は………」
「白い部屋で神様と交渉をして、20歳にしてもらったんですよ。5歳児では何もできませんからね。ほら、面影あるでしょう?」
そう言われて楽しそうにがしっと両腕を掴まれて顔を寄せられた途端、俺は「わあぁぁぁぁ!!」と声をあげていた。
「どうした!」
「ソウタ!!」
「なになになに~~~」
隣の部屋からカイザックが、そしてどうやって来たのか階段をダグラスとモニカさんが駆け上がってきた。
そして。
「!! 誰だ! ソウタから離れろ!」
「えええ? もう、ソウタさんどうして叫ぶんですか? 皆さんも、俺ですってば、大橋健太郎です!」
「はぁ?」
廊下に3人の大きな「はぁ?」が響いた。
でもそれは仕方がない事だと思う。
だって、健太郎さん、真っ裸でその辺にあった布みたいなのグルグル巻きに巻いていたんだもん。
---------------
さすが、神。
応援ありがとうございます!
30
お気に入りに追加
1,489
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる