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”芥川 月の誕生”
【修行】
しおりを挟む修行は苛烈を極めたーーーー
指で腕立て伏せ・束ねた竹に抜き手・フルスイングの木製バットに耐える・・・・・・
挙げたらキリがないほどの、常軌を逸した鍛錬。
半年ほど経った頃だろうか・・・・・・
朝食を食べていたときだ。
「ああ、今日から技の訓練に入りますから。厳しいので覚悟しててくださぁい! ヒャハハハ!!!!」
手を縛られ・・・・・・逆さ吊りにされ、天井に立てと言われた。
・・・・・・意味が・・・・・・
それでも「ヤレ」と言われたら、やらざるを得ない。
もはや、洗脳状態に近かった。
幾度、脳天から地面に叩きつけられたか・・・・・・
目から流血し、視界に火花が散り始めた頃に・・・・・・ようやく二〇秒だけ天井を指で噛むことができるようになった。
あらゆる武術の、あらゆる技を、そして体の使い方を、叩き込まれた。
一年経ちーーーー
ゴルフのクラブで腰をフルスイングされても、顔色ひとつ変えなくなった。
二年が経ちーーーー
天井に刺さった釘をつまみながら、本を一冊読めるようになった。
三年が経ちーーーー
手刀で飛んでいるハエを真っ二つにできるようになった。
四年が経ちーーーー
空手・合気道・剣道・柔道・拳法・・・・・・徒手格闘技の全ての有段者を相手に一分とかからず勝てるようになった。
五年が経ちーーーー
呼吸を十分間止められる苦行を完遂した。
そして八年ーーーー
師匠冬重との組手で一本を取るという偉業を成し遂げた・・・・・・ッッ!!
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