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”芥川 月の誕生”
【楽しいコト♪】
しおりを挟む二年が経ったーーーー
すっかり夫婦の生活も板についた。
「冬紀」
「なに? 月君?」
「今日の二年記念日なんですけど・・・・・・レストランを予約したので・・・・・・」
「まったく、奥手なのはなかなか治らないわねぇ」
「い、一緒に行きません?」
「フフフ・・・・・・もちろん。良いわよ♪」
義父、冬重とは週に一回会うかどうかの距離になっていた。
無意識的に、洗脳状態だった脳が、離れたがっていたのかもしれない。
もしくは、大切な妻に酷い仕打ちをした義父を許せていないのか・・・・・・
いずれにせよ、冬重がおらずとも、鍛錬をやめた日はなかった。
これも、最早習慣化しているのだ。
「ねえ・・・・・・」
「ん?」
「何か考え事?」
「いえ・・・・・・今日も美しいな・・・・・・と」
「ありがとう♪」
東京の夜景が一望できるレストランにて、二人は食事をしながら談笑していた。
彼女の美貌は、一流の飲食店業の人間でさえ、業務を忘れて魅入ってしまいそうになる。
がーーーー
この夜の彼女は、どこか妖しいフェロモンが漂っていた。
気がついたのは、芥川のみ。
「・・・・・・冬紀も、何か考え事でもしてらっしゃるので?」
「・・・・・・こんなに月が綺麗だとね、気持ちいいこと・・・・・・したくなっちゃうわ」
「・・・・・・場所をわきまえてください」
「うふふ・・・・・・好きな癖に・・・・・・♡」
そして足早に家に帰るとーーーー
野獣のように交わった。
だが、それでもなお、冬紀の様子がおかしい。
裸で抱き合っていたが、ふと、冬紀が立ち上がった。
傷のひとつもない真珠のような肌が、ぼんやりと視界に映る・・・・・・
・・・・・・ぼんやり・・・・・・?
・・・・・・??
「冬紀・・・・・・貴方・・・・・・盛りましたね・・・・・・」
「ふふ・・・・・・効いてきたのね」
「痺れます・・・・・・こんな状態の私を、犯すとでも?」
「う~ん・・・・・・それも捨て難いけれど、少しやらなくちゃいけないことがあってね」
ドレスに着替えて、髪を括った。
「ど・・・・・・どこに・・・・・・?」
痺れる中、必死で問いかけた・・・・・・
「うふふ・・・・・・お・た・の・し・み♪」
ガクッ・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
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