DANCING・JAEGER

第1章

【危険な仕事】

「･･････調子はどうだ？」


　クインはエプロンにマスクの同胞に声をかけた。


　刺激臭のする液体を、仲間はクインに見せるようにタンクを傾けた。


「できました･･････これで今月も食べていけますね」


「･･････ああ」


「ゴホ･･････ゴホッ･･････」


「おい、大丈夫か？」


「平気ですよ･･････まだ、働けます」


「無理をするな。休め。こんな劇薬を毎日眠らずに作っていたら病気になる」


「僕たちが休んだら･･････その分『あの子たち』がどんなお仕置きを受けるか･･････休めません」


　その時、ドアが乱暴に開かれた。


　入ってきたのは鼻が折れている男。そしてそれに追従する者たち。


「順調か？」


　彼が喋る度に、舌がうねる音が聞こえてくる。


　前歯が全部ないのだ。言葉も聞き取りづらい。