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未来の王妃
仕事
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(いつまで会えないんだろう。)
ローランド様と会う時間はなく、これまでも会わない時間は多かったのに。
この婚約者という立場になってから、会えていない時間が気になるようになった。
(我が儘が増したのかしら?)
最初に城内に入られる御令嬢を迎える日が近づいてきた。
そうなると、情報も降りて来ている。
1番にお目にかかれるのはイザベラ様。王都にお住まいの侯爵家で“中央の貴族”。
熱心な教育を受けてらっしゃる、『次期王妃に相応しい!』との呼び声が高い。
声高に言っているのは、同じ派閥の媚び売るタイプの貴族だろうけど。
その次は森側からいらっしゃる、アイナ様。
森を抜けた隣国、クラウド帝国で商いをしてきた隊商と共にここ王都にやってくると聞く。
貴族令嬢とは違った雰囲気なるのだろう
「パレードでもするかもね?楽しみだわ」と言うのが、メイドの意見だ。
最後に“海の民”代表の家系でらっしゃる、ナナミ様が到着する。すでに出発していると思うが海までは距離があるので日程は距離を慮った結果だろう。と言う見解だ。
『メイド情報と考察』は、以上の通りだ。そんな情報か開示をしてひと息の休憩と共に、それぞれ散っていった。
到着された御令嬢は
『王への挨拶』に向い、滞在の許可を得て部屋にお入りいただく。
その数日後、ご機嫌伺いに王太子さまとのお茶会。
なので、お部屋とお茶会を同時に準備している。
ローランド様、上層部の方達が大変そう。そしてメイドも動き回る。
一度、お茶を出しに行き、(多分作為的に回って来た役目ね!)ローランド様のお姿を見れた。
書類を見ながら、「ああ。ありがとう。」と言ってくださったわ。
その後3度見してたことを揶揄われているのを、マライヤは見ていない。
準備、念のため、もう一度チェックして…
何回するのだと思うが、安全、清潔、素早く!
プロのメイドが成せる技には、下準備が欠かせない。
そんな中、情報交換の意味で高位貴族の女性が集められた。王妃様主催の王城で開かれたお茶会に、公爵家のお義母様も来ていらしてメイドのお会いして少しお話しできた。
お茶会で「うちの嫁ですの。」と紹介されて驚いたけど。その後も奥様方に質問攻めにタジタジだった。
特に、
「いつメイドを辞めるの?」
「お義父様が宰相の職を辞した時?」
と言った将来設計のお話しを色々と。逃げてきたけど。
(私、メイドに復帰できるのかしら。)
子供を産まなきゃいけない。
産まなきゃなんて言葉を使いたくないわ。きっと可愛い子だ。
公爵家の跡継ぎ。
誰かとの結婚はするものだと思っていた。それが、ローランド様と一緒になるのは嬉しい。
あっという間で、実感が湧いているのか?いないのか。
(でも、近い未来なのよね。)
この目まぐるしい忙しさも、頭を働かせベッドに身を委ねたくなる疲労感も。
(変わるのね。)
今のメイドの生活から、公爵家の嫁になる。
一度領地に帰って、家族に直接話したいな。
父と兄の話は、母の手紙でしか知らない。お義姉さんとも3年会ってないわけか。
少し話してみたいな。お嫁に入るってどんな気持ちでだったかとか。
その時間も取れると思えない忙しさだわ。
もしかして、家族とは結婚式で会うってなるかしら?
ローランド様ともゆっくり話時間をとれる当てはないものね。
しばらくは無理。それは私も彼もそうだ。
将来の事は決まらなかった。
けど、起きれば仕事の時間がやってくる。
私はメイドだ。
「さ、働きましょ。」
そして、忙しく日々は過ぎ去って行く。
ローランド様と会う時間はなく、これまでも会わない時間は多かったのに。
この婚約者という立場になってから、会えていない時間が気になるようになった。
(我が儘が増したのかしら?)
最初に城内に入られる御令嬢を迎える日が近づいてきた。
そうなると、情報も降りて来ている。
1番にお目にかかれるのはイザベラ様。王都にお住まいの侯爵家で“中央の貴族”。
熱心な教育を受けてらっしゃる、『次期王妃に相応しい!』との呼び声が高い。
声高に言っているのは、同じ派閥の媚び売るタイプの貴族だろうけど。
その次は森側からいらっしゃる、アイナ様。
森を抜けた隣国、クラウド帝国で商いをしてきた隊商と共にここ王都にやってくると聞く。
貴族令嬢とは違った雰囲気なるのだろう
「パレードでもするかもね?楽しみだわ」と言うのが、メイドの意見だ。
最後に“海の民”代表の家系でらっしゃる、ナナミ様が到着する。すでに出発していると思うが海までは距離があるので日程は距離を慮った結果だろう。と言う見解だ。
『メイド情報と考察』は、以上の通りだ。そんな情報か開示をしてひと息の休憩と共に、それぞれ散っていった。
到着された御令嬢は
『王への挨拶』に向い、滞在の許可を得て部屋にお入りいただく。
その数日後、ご機嫌伺いに王太子さまとのお茶会。
なので、お部屋とお茶会を同時に準備している。
ローランド様、上層部の方達が大変そう。そしてメイドも動き回る。
一度、お茶を出しに行き、(多分作為的に回って来た役目ね!)ローランド様のお姿を見れた。
書類を見ながら、「ああ。ありがとう。」と言ってくださったわ。
その後3度見してたことを揶揄われているのを、マライヤは見ていない。
準備、念のため、もう一度チェックして…
何回するのだと思うが、安全、清潔、素早く!
プロのメイドが成せる技には、下準備が欠かせない。
そんな中、情報交換の意味で高位貴族の女性が集められた。王妃様主催の王城で開かれたお茶会に、公爵家のお義母様も来ていらしてメイドのお会いして少しお話しできた。
お茶会で「うちの嫁ですの。」と紹介されて驚いたけど。その後も奥様方に質問攻めにタジタジだった。
特に、
「いつメイドを辞めるの?」
「お義父様が宰相の職を辞した時?」
と言った将来設計のお話しを色々と。逃げてきたけど。
(私、メイドに復帰できるのかしら。)
子供を産まなきゃいけない。
産まなきゃなんて言葉を使いたくないわ。きっと可愛い子だ。
公爵家の跡継ぎ。
誰かとの結婚はするものだと思っていた。それが、ローランド様と一緒になるのは嬉しい。
あっという間で、実感が湧いているのか?いないのか。
(でも、近い未来なのよね。)
この目まぐるしい忙しさも、頭を働かせベッドに身を委ねたくなる疲労感も。
(変わるのね。)
今のメイドの生活から、公爵家の嫁になる。
一度領地に帰って、家族に直接話したいな。
父と兄の話は、母の手紙でしか知らない。お義姉さんとも3年会ってないわけか。
少し話してみたいな。お嫁に入るってどんな気持ちでだったかとか。
その時間も取れると思えない忙しさだわ。
もしかして、家族とは結婚式で会うってなるかしら?
ローランド様ともゆっくり話時間をとれる当てはないものね。
しばらくは無理。それは私も彼もそうだ。
将来の事は決まらなかった。
けど、起きれば仕事の時間がやってくる。
私はメイドだ。
「さ、働きましょ。」
そして、忙しく日々は過ぎ去って行く。
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