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新章

4-③

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「どうだった?」

カプセルの外でクラークが、紳士的に手を差し出している。その手を支えに、ふわりと跳び上がって着地する。
「ゲームみたいで!ホント凄くって!」

正直。リアルさに、楽しさに興奮している。新しいゲーム、楽しみを見つけ出した時のまだやりたいと気持ちが騒ぐ。


再度、問題ないか健康診断をして、ダイブ試験は終了した。異世界に行くというより、月旅行へ行く準備に思える。訓練などもないし、それより遥かに手軽だろうな。

「課題は、体力面ですか?」
「過度に心配するほどではないだろう。」

自然と端末で見た情報の補足の話が続いて、あちらの世界の話。宗教というか精霊信仰がある。

「実際に加護というものがある世界だ。」

会社でも利用していた端末で、画像を見ながら話を聞く。体には、検査器具がつけられてチェックされる時間でもあった。


「スマートウォッチはないが、透明なウインドウを呼び出すことはできる。ただし、街中など場所が限定される」

ガイド機能付きらしい。

(電波が入らないのだろうか。)

「端末の操作を、空中ですることになる。」
「なかなか最先端な技術。」

リアルVRは、特に問題なく動いていた。

「教会からスタートし、案内人が待っている。世話係であり、パートナーだな。」

面接写真のような画像が出てきた。
「こちらの冒険者だ。」

紺色の髪、眼鏡が似合いそうだけど体格も良い。年齢は2つ上で、剣士と日本語で記載されている。
「名前は、会ってから紹介を。城の依頼中に会った冒険者だったな?」

うっすら思い出す。なんならケーキも一緒した仲だ。検査器具が外され、
後日、質疑応答の時間をとってくれるというので資料を端末で持ち出し許可を得て、席を立つ。部屋に戻る事にしよう。



技術者たちは忙しく動き回るのを横目に。カイナはそんな慌ただしさとは別に、正式に使用するカプセルへと案内されていた。
「本番はあちらのカプセルで行います」

私の周りのカプセルとは色が違った落ち着いたグリーン。
「あっちは、チームカラーで統一しています。スポーツカーをイメージしているんですよ?」

車の塗装やロケットを思わせた。

「カイナさんの店舗をイメージしてみました!」
「ありがとうございます」

拘ってくれたらしいのでなんとか語尾が疑問符にならないよう、感謝を伝えた。

「生産職を送り込むことは珍しいんですよ。魔法使いではあるんですけど。」

そして。工場見学のようにカプセルの合間を少し歩き回り、カイナは今度こそ自室に帰ったのだった。
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