【完結済み】VRゲームで遊んでいたら、謎の微笑み冒険者に捕獲されましたがイロイロおかしいです。<長編>

新章

5-②

まだ見慣れない、ホテルのような自分の部屋に戻る。問題がなければ明後日にあの緑色のカプセルに入る。

「少し体が怠いかな。」
アンケートのようなものに体験の感想を書き込み、送信しておく。会社でも利用していた端末で、これから行く世界の情報が出てくる。旅行のパンフレットみたい。

旅のしおり、かな？

ニュースサイトのような形式に奴隷という文字もあった。労働刑の役割と説明されている。フィクションのように、過激なものでもない事を祈る。エロもグロもお断りで。

実際に何回も行っている人のインタビュー記事や、使ったことにある魔物の素材が得られる話を流しみる。
魔物の素材は、解体する場合とドロップをすると書いてあるのをみると、攻略本を見ている気分になる。

「まんま、ゲームの世界だよね。」

魔物に狩りに、魔法。こんな世界があるなんて普通なら映画セットだと思う。映画もゲームの技術も高画質で綺麗でリアルなのに驚く。その疑惑を否定する根拠は、大掛かりな機械と人。

人材と資金を注ぎ込んで、夢かゲームのし過ぎのような事を言っているけど。その技術力が背景にあると信じられる気がする。

盛大に、騙されている可能性がたまによぎるけど、私なんかをヨイショしてどうするの？
そんな考えで、信じる方にバランスをとっている。それにこんなイベントに参加できるなら少し騙されても良いかもしれないなんて思っている。あの目に映った世界の一端は、考えるより大きく私を惹きつけていた。

「実際に行かなきゃ、実感できないよ。」

結局はその結論になるから、私は端末を再び動かす。

続いて、世界の話の欄を見る。宗教というか精霊信仰“実際に加護というものがある世界だ。”と言っていたクラークはその存在を信じているんだろうか？

動画を再生してみる。観光案内のような説明に画面は静かな建築物の中を進む。

イベントで見た、王城を思い出す装飾だ。あちらがここのデザインを模しているのかもしれない。

創造神、女神様らしい名前のところで電子音が聞こえる。オルゴールのような、高いメロディ音。女神様の名前は、聞き取れない音なのかな？

ほどほどに読むのをやめ、その日は眠った。結構疲れていたらしい。


翌日、メンタル健康診断の結果を医師から知らされる。

「結果に問題点はありませんね」
「そうですか。」

そういえば驚くほど、メンタルも前向きだと気づく。刺激的でゲームのような世界が楽しみなんだな。
目標はあの世界に足を踏み入れること、それでまず目的が達成される。

何かもっと目標とするものが必要かな？

時間の管理、体調の経過を見てまたダイブする時が来た。