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ベンチに座る2人

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「あのですね。」


少女と言えそうな年齢で、男の片手の上に
その可憐な柔らかい手をのせる。


男には、慣れた触れ合いだ。
手を握る、そのほおに触れ、髪のひと房を耳にかけてやる。

数々の女と浮名を流したと言われる男の余裕が
ありありと見えた。

その分、少女のように顔を赤め触れるかどうかの
ためらいがちな様子は、初々しい。

“若いなあ”
女に振り回されるのに慣れた男は、余裕を持っていた。

それもこの頃だけ。

キスするような仕草、その挙動のおかしくなる少女に
可愛いと思っていた時期は、瞬く間に過ぎたのだった。

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