外れスキル【無限再生】が覚醒して世界最強になった ~最強の力を手にした俺は、敵対するその全てを蹂躙する~

八又ナガト

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011 無謀な作戦

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「死後、魂の再生成を行うことによる復活……つまり、――それが【無限再生】の真の能力だったのか!?」

 これまでただの外れスキルだと思い込んでいたのが、恥ずかしくなるほどの規格外な能力だ。
 とはいえ、そう思い込んでしまうのも仕方なかっただろう。

「状況から察するに、覚醒の条件は僕の死亡……そりゃ、これまで気付けなかったわけだよ」

 それに最後の説明をしっかりと読んでみたところ、無限という言葉から想像するほど優秀なわけでもない。
 復活後、無防備な時間にもう一度殺されでもしたら、その時は今後こそ死に絶えてしまうのだろう。

「今回の場合、ネクロ・デモンからトドメを受けた時に、たまたまトラップ・ルームの外に吹き飛ばされたおかげで追撃がなくて助かった……ってところかな」

 そこまでを分析し、僕の体はぶるりと震えた。
 僕が助かったのは紙一重でしかなく、その奇跡がなければ間違いなく死んでいたことだろう。

「そうだ! ネクロ・デモンは今どこに……」

 ハッと顔を上げた僕は、通路の先にあるトラップ・ルームに視線を向ける。
 しかしそこにはもう、ネクロ・デモンの姿は残されていなかった。

 ただし、僕たちの脱出を阻んだ出入り口は今も厳重な扉で閉ざされている。
 そこからある程度の予測を立てることができた。

「アルトが推測したように、ここは攻略者を閉じ込め始末するためのトラップ・ルームなんだろう。アルトたちが転移でいなくなり、僕が死んだタイミングで役目を失ったネクロ・デモンは消滅……しかしその直後に僕が復活したことで、もう一度出入口が閉ざされた――勘も入ってるけど、大筋は間違えていないはずだ」

 だが、仮にこの予測が正しかった場合……僕にとっては絶望的な材料にしかならない。
 なぜなら仕組みが分かっただけでは、ここから抜け出すことはできないからだ。

「罠が残っている以上、ここから外に出ようとすればもう一度ネクロ・デモンが出現するはず。だけど僕には、ヤツと戦えるだけの力なんてない……」

 ネクロ・デモンのレベルが1000なのに対し、僕のレベルはたった31。
 その差は歴然であり、奇跡や偶然でひっくり返るようなものではない。
 またトラップ・ルームの外まで吹き飛ばされるなんて奇跡も起こらないだろうし、再び戦えば今度こそ僕は死に絶えるだろう。

 万事休す。
 まさしく、そんな表現がピッタリな状況だった。

「何か、他に手はないのか……?」

 せっかく蘇ることができたのに、ここで諦めるなんて絶対にゴメンだ。
 それに――

「ここから出ることができなければ、アイツらに復讐することもできない」

 ――今もなお、際限なく湧き上がる復讐心が、僕から諦観を奪い去っていく。
 何としてでも現状を打破するための方法を思いつかなければ。

 しかし何度考え直したところで、今の僕がネクロ・デモンに勝てるとはとても思えない。
 できることがあるとすれば、この場でレベルアップするくらいだが……

 僕は振り返り、今なおボス部屋からこちらを睨み続けているブラック・ファングを見た。


 ――――――――――――――

【ブラック・ファング】
 ・レベル:30
 ・ダンジョンボス:【黒きアビス】

 ――――――――――――――


「……さすがにこれは、無茶があるよね」

 閃いたのは、再出現リポップするボスを何度も倒すことでレベルアップするという方法。
 だが、肝心のブラック・ファングのレベルは30。
 これでは何度討伐を繰り返したところで、得られる経験値は限られている。
 たどり着けたとして、せいぜいが40~50レベルといったところだろう。

 それでも、僕にはもう他の選択肢が残されていなかった。
 無謀は承知で――そしてそれ以上に、この悲惨な現実から目を逸らすため、僕は短剣を握りしめボス部屋に戻った。

 その途中で、余っていた15SPステータス・ポイントを全て攻撃力に割り振る。

「グルァァァアアアアア!」
「――はあっ!」

 ブラック・ファングの初撃を躱した僕は、そのまま反撃を仕掛けた。
 溜まった鬱憤を晴らすように、絶え間なく連撃を浴びせていく。

 その結果、戦闘からわずか1分後。
 僕はブラック・ファングの討伐に成功した。



 ――そして僕は、信じられないような現象に遭遇することとなった。


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