外れスキル【無限再生】が覚醒して世界最強になった ~最強の力を手にした俺は、敵対するその全てを蹂躙する~

八又ナガト

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057 ハーフエルフ

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「は、ははっ! 何を言いだすかと思えば馬鹿馬鹿しい!」
「…………」
「まあいい、ここまで笑わせてくれた礼に教えてやるよ。確かに今、お前が言ったことは正しい。けどな、その女は例外なんだよ!」
「……どういうことだ?」

 リーダーらしき男はビシッと、俺の背後にいる少女を指さす。
 すると、

「…………っ」

 少女は困ったような、申し訳なさそうな表情で下を向いていた。
 それに気をよくしたのか、男は高らかに言葉を紡ぐ。

「そこにいる女はな、エルフはエルフでもなんだよ! 人族からもエルフ族からも嫌われている半端者。そんな奴に手を出したところで、報復なんてくるわけねえだろうが!」
「――――ッ」

 ハーフエルフ。
 そう告げられた瞬間、少女の体が激しく揺れた。
 まるで、絶対に触れてほしくない領域に踏み込まれたかのように。

 俺も詳しくないが、聞いたことがある。
 エルフ族は掟により、同族以外と子をなすことを禁じられている。
 ハーフエルフとは、その存在自体が掟破りの証明なのだ。

「……なるほど、そういうことだったのか」
「っ」

 俺の呟きを聞き、震える少女。
 その姿はまるで、味方になってくれたはずの俺から敵意を向けられるのを恐れているようですらあった。

 きっと彼女は、これまでも同じような偏見を向けられ続けたのだろう。
 言葉で聞かずとも、それが簡単に分かってしまう反応だった。

「……ふう」

 結局、どこにでもこういった差別はあるということだろう。
 外れユニークスキル持ちと、ハーフエルフ。
 事情は違うが、かつての自分と似たものを俺は感じた。

 だから、俺は――

「ごめん、なさい」

 ――少女に言葉を投げかけようとした、その矢先。
 彼女は突然、謝罪の言葉を口にした。

「わたしの事情に巻き込んで、ごめんなさい。あなただけでも逃げて……」
「……名前は?」
「えっ?」

 俺は少女の言葉を無視し、こちらの質問をぶつけてやった。

「お前の名前だ」
「イ、イネス、だけど……」
「……そうか。とりあえず、コイツらの相手は俺がする。イネスはそこにいろ」
「それって、どういう……」

 困惑した様子の少女――イネスを放置し、俺は男たちに向き直る。
 それが敵対の意思と理解できたのだろう。リーダーらしき男は苛立ったように眉をひそめた。

「おいおいなんだ、まさか反抗する気か? 低レベルってのは、どうやら知能まで劣ってるらしいな!」

 その言葉に、周囲の者たちが爆笑する。

「まあいい。抵抗するってんなら現実を見せてやるだけだ。しゃしゃり出てきたテメェを無残に殺して、逆らったどうなるかその女に教えてやるよ」

 リーダーらしき男は、隣に立つ男に命じる。

「ほら、さっさとやっちまいな」
「了解で~す!」

 命じられた男は下卑た笑みとともに、ゆっくりこちらに近づいてくる。
 その手には短剣が握られていた。
 彼我《ひが》の距離が、1メートルまで詰まる。


「へへっ、雑魚の分際で調子に乗りやがって。テメェみたいな愚図は、このオレの剣技で華麗に捌いて――え?」


 ――それ以上、男の言葉が紡がれることはなかった。
 俺が振るった骸の剣ネクロ・ディザイアによって、真っ二つになった上半身が滑り落ちていったからだ。

「……反応すらできないのか」

 間抜けな表情のまま死に絶えた男を一瞥した後、俺は骸の剣ネクロ・ディザイアに付着した血を払う。
 そして、改めてリーダーらしき男に視線を向けた。

「……は? は? はあ!?」
 
 男たちは未だに何が起きたか理解していないようで、口をぽかんと開けたままその場に突っ立っていた。

「い、今……いったい何が……」

 困惑しているのは男たちだけでなく、後方にいるイネスも同様だった。
 俺は彼女に対し、背中越しで簡潔に告げる。


「細かい話は後だ。とりあえず、コイツらを全員片づけるまで待っていろ」


 そして俺は、蹂躙を開始した。
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