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071 フールの企み
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ギルドに集まった冒険者の数は、実に60人以上に達していた。
ここにいる全員がAランク以上の実力者であり、改めてこの都市のレベルの高さを実感する。
そんな俺たちの前に、1人の受付嬢が現れる。
これまでに見たことがない人物だ。
彼女は周囲を見渡した後、大声で指示を出し始めた。
「皆さん、この度はお集まりいただきありがとうございます! 今回のスタンピードの震源地は複数のダンジョンであり、その中には未踏破のSランクダンジョン【破滅の大地】も含まれています!」
Sランクダンジョンという言葉が聞こえてきた瞬間、冒険者たちがざわざわとし始める。
彼らからしても、Sランクは戦いたくない相手なのだろう。
「防衛作戦の内容ですが、皆様には複数のグループになって配置についてもらいます! グループ分けはこちらで行うので、指示に従い分かれてください!」
その後、俺たちはギルドが決めたグループに分かれていく。
「一緒のグループになったね、シモン」
「みたいだな」
イネスの言う通り、俺たちは同じグループだった。
知り合いは同グループに割り振られるのかとも思ったが、ギルドに俺たちの関係は明かしていない。
となると、ただの偶然と考えるのが自然だろうか。
移動した先には、他に4人の男性冒険者が待っていた。
そのうちの一人、筋肉質な肉体が特徴的な男性が、どこか作られたような笑みを浮かびながら手を差し伸べてくる。
その顔には、どこか見覚えがあるような気がした。
「俺がこのグループのリーダーを任されたフールだ。よろしくな、兄ちゃん」
「……ああ」
俺は握手には応じず、簡単に頷きを返す。
フールはピクリと眉をひそめた後、すぐに笑みへと戻した。
「ハ、ハハッ……それじゃ、そろそろ行くか。俺たちの配置はあっちだ」
先頭に立ち、歩き始めるフールたち。
俺とイネスは後方から彼らについていく。
「……ぜってぇ、許さねぇ」
移動中。
内容までは聞き取れなかったが、フールがポツリと何かを呟いていた。
◇◆◇
(あの野郎……舐めた態度を取りやがって。ぜってぇ、許さねぇ!)
移動途中。
フール・ブラスフェミーは背後にいる少年――シモンを肩越しに見ながら、怒りの形相を浮かべていた。
以前の生意気な態度に加え、今回は握手まで無視してきた。
こんな屈辱は、これまでの人生においても滅多に経験したことがなかった。
(まあいい、あんな態度を取れるのは今だけだ。スタンピードに乗じて、俺様がテメェの息の根を止めてやるんだからな!)
意気込むフール。
ここにいる他の3人は彼の手がかかった部下であるため、その凶行がばれる心配はない。
後から魔物に殺されたと報告すれば、それだけで済む話だ。
シモンのレベルを知っている者も多くいる。疑われることはまずないだろう。
そうこうしているうちに、フールたちは持ち場である城門の外に辿り着く。
今回、冒険者たちは6~7人で構成された10のグループに分かれ、城門を半円状に取り囲むようにして魔物たちに対処することになっていた。
フールたちの持ち場はその端。
裏から受付嬢に手を回し、もっとも魔物の襲撃が少ないであろう場所にしてもらったのだ。
(アイツらに手を出す暇がないほど、大量の魔物の対処に追われるわけにはいかないからな。とはいえ、ここでも最低限の襲撃はあるはず。その隙に攻撃して二人を殺すんだ!)
ニヤリと、笑みを浮かべるフール。
その直後だった。大地が激しく振動し、魔物たちの足音が盛大に響いてくる。
「魔物の群れが来たぞー!!!」
陣形の中心にいるグループから、大声量での忠告が届く。
音だけでなく、目視できる範囲にやってきたのだろう。
(さあ、本番の始まりだ!)
こうして、彼――フールにとって屈辱の一日が始まったのだった。
ここにいる全員がAランク以上の実力者であり、改めてこの都市のレベルの高さを実感する。
そんな俺たちの前に、1人の受付嬢が現れる。
これまでに見たことがない人物だ。
彼女は周囲を見渡した後、大声で指示を出し始めた。
「皆さん、この度はお集まりいただきありがとうございます! 今回のスタンピードの震源地は複数のダンジョンであり、その中には未踏破のSランクダンジョン【破滅の大地】も含まれています!」
Sランクダンジョンという言葉が聞こえてきた瞬間、冒険者たちがざわざわとし始める。
彼らからしても、Sランクは戦いたくない相手なのだろう。
「防衛作戦の内容ですが、皆様には複数のグループになって配置についてもらいます! グループ分けはこちらで行うので、指示に従い分かれてください!」
その後、俺たちはギルドが決めたグループに分かれていく。
「一緒のグループになったね、シモン」
「みたいだな」
イネスの言う通り、俺たちは同じグループだった。
知り合いは同グループに割り振られるのかとも思ったが、ギルドに俺たちの関係は明かしていない。
となると、ただの偶然と考えるのが自然だろうか。
移動した先には、他に4人の男性冒険者が待っていた。
そのうちの一人、筋肉質な肉体が特徴的な男性が、どこか作られたような笑みを浮かびながら手を差し伸べてくる。
その顔には、どこか見覚えがあるような気がした。
「俺がこのグループのリーダーを任されたフールだ。よろしくな、兄ちゃん」
「……ああ」
俺は握手には応じず、簡単に頷きを返す。
フールはピクリと眉をひそめた後、すぐに笑みへと戻した。
「ハ、ハハッ……それじゃ、そろそろ行くか。俺たちの配置はあっちだ」
先頭に立ち、歩き始めるフールたち。
俺とイネスは後方から彼らについていく。
「……ぜってぇ、許さねぇ」
移動中。
内容までは聞き取れなかったが、フールがポツリと何かを呟いていた。
◇◆◇
(あの野郎……舐めた態度を取りやがって。ぜってぇ、許さねぇ!)
移動途中。
フール・ブラスフェミーは背後にいる少年――シモンを肩越しに見ながら、怒りの形相を浮かべていた。
以前の生意気な態度に加え、今回は握手まで無視してきた。
こんな屈辱は、これまでの人生においても滅多に経験したことがなかった。
(まあいい、あんな態度を取れるのは今だけだ。スタンピードに乗じて、俺様がテメェの息の根を止めてやるんだからな!)
意気込むフール。
ここにいる他の3人は彼の手がかかった部下であるため、その凶行がばれる心配はない。
後から魔物に殺されたと報告すれば、それだけで済む話だ。
シモンのレベルを知っている者も多くいる。疑われることはまずないだろう。
そうこうしているうちに、フールたちは持ち場である城門の外に辿り着く。
今回、冒険者たちは6~7人で構成された10のグループに分かれ、城門を半円状に取り囲むようにして魔物たちに対処することになっていた。
フールたちの持ち場はその端。
裏から受付嬢に手を回し、もっとも魔物の襲撃が少ないであろう場所にしてもらったのだ。
(アイツらに手を出す暇がないほど、大量の魔物の対処に追われるわけにはいかないからな。とはいえ、ここでも最低限の襲撃はあるはず。その隙に攻撃して二人を殺すんだ!)
ニヤリと、笑みを浮かべるフール。
その直後だった。大地が激しく振動し、魔物たちの足音が盛大に響いてくる。
「魔物の群れが来たぞー!!!」
陣形の中心にいるグループから、大声量での忠告が届く。
音だけでなく、目視できる範囲にやってきたのだろう。
(さあ、本番の始まりだ!)
こうして、彼――フールにとって屈辱の一日が始まったのだった。
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