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第3章
11.11歳で性奴隷なんてどこの誰に需要あるのだかねぇ……
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回想終了したところでよっこいしょっと身を起こす。
縛られてるせいで手が使えないから、一度仰向けになって腹筋の力でゆっくり身を起こす。
その際身体中がバキボキと音が鳴り響く。限界以上の力を酷使した代償ともいうべき肉体の悲鳴に襲われ、少し呻くもなんとか身は起こせた。
「うぅぅ……『魔人化』は反動もあるけどそれ以上に使いどころ難しいよねぇ。攻勢に入っている時は強いけど、守勢にまわって動揺とか弱気になったとたん『魔人化』が解除されて元に戻るどころか弱体化。メリットの分だけデメリットも付きまとう諸刃だから絶対に調子のるなっとおやっさん達から散々口酸っぱく言われていたっていうのに……
もうこれは教訓だと思って素直に受け入れよう、うん」
そう納得させながらエクレアは周囲を見渡す。
どこかに光源があるのか薄っすらと明るいものの、部屋の中は何もない。あるのは扉一つぐらいだ。
続いて自分の今の状態を調べる。
まず後ろ手を縛ってる縄だが、雑に見えて意外としっかり縛ってるようだ。多少身じろぎしてみるも緩む気配はない。
自分の身体に目を向けると血まみれで少々破けた服が映った。足首は手首同様に縄でしっかり縛られてる他、右足の靴が靴下ごと脱げて裸足になってた。多分掴まれた時にでも脱げたのだろう。
様々な薬を入れていた腰のポケッシュは取られたようだが、ふともものベルトはそのままだ。何も挟まれてないのでベルトだけあっても無意味だが……
「全くなんで無駄に最後の『黒色火薬入り試験管』を使ってるのさ。あれは一本100万Gで売らないと到底割に合わない高価なブツだっていうのに……ブツブツ」
答えは戦場の空気に酔っていたからとしか言いようがない。
「まっ、やってしまったモノは仕方ない。元々試作品で検証実験用のものだから不発しなかったという結果を得ただけでよしとしよっか。
で、次に検証するのは………あんまり考えたくない。けど確認はしないといけないし……うん、覚悟完了」
覚悟を決めて自分の服下、要は何かされたかどうかを確認。
これといった違和感は残ってないのでそっちはまだ大丈夫だろう。
もっとも……
「いつまで大丈夫でいられるかなんだけどね」
ふぅっとため息をついて投げやり的に足を前へと投げ出しながら、今後の想像をする。
ゴブリンに攫われた者。特にうら若き乙女が攫われた場合の末路は悲惨である。
具体的にいうと乱暴される。
エロ同人みたいに!エロ同人みたいに!
そりゃぁもうKENZEN本で表現してはいけない、あれやこれといった酷い事をされるのだ。
「これで私も今日から性奴隷かぁ。13歳ならともかく11歳で性奴隷なんてどこの誰に需要あるのだかねぇ……まぁその時は抵抗するけど」
ぼやきつつ後ろ手を縛ってる縄の具合を改めて確認。
手ごたえからみてそう簡単に抜けれそうにはないが、ただの縄っぽいのでそこらの壁の出っ張り等でこすり合わせてればそのうち切れそうだと感じた。
ただエクレアの場合はそんな面倒なことせず『魔人化』を発動させて力込めたら即座にブチッと出来る。
力技でどうにかできてしまうエクレアにとって、ただの縄での拘束は意味ない代物のようだ。
……いや、縄が素肌の手首にチクチクと擦れてちょっと痛いからスリップダメージとしての意味はありそうだけど、今すぐブチッとするわけにはいかない。
エクレアが自由を取り戻してる事に気付かれたら次は絶対に拘束がきつくなる。
……きつくなっても再度ブチッとすれば問題ないかもしれないが、いくらエクレアでも好きできつめに拘束されたいというドM趣味はない。
逃げるにしても今は『魔人化』の反動で身体中が悲鳴あげてるという万全とは程遠い状態。
隠密や索敵は薬草採取で鍛えてると言っても罠の見分けはできないのでまず引っかかる。引っかかればゴブリン達にバレるから結局のところ最後はゴブリン蹴散らしながらの逃走劇。
ゴブリンは馬鹿だが間抜けじゃない。馬鹿正直に突っ込んで来るだけじゃなく時には狡猾に立ち回られる。
2度もそれでやられたのだ、3度目も何かやられる。
っで再びとっつかまってさらにきつい拘束が施されて振り出し……
「いずれランプ君たちも助けにきてくれるわけだし、すぐ何かされるわけじゃないならもう少し囚われのお姫様気分で待ってようかな」
モモちゃんの逃げる時の大立ち回りから逃げ切れたのは確定的に明らか。
いずれ皆が踏み込んでくる。
動くのはその時。
なら今は大人しくしてようと思い、こてんっと横になる。
今は静かに……
静かに………
「……あーやっぱり後ろ手の拘束だけはどうにかしたい。不自由だと思うと余計に自由が恋しくなるというか……」
………
……………
…………………
「やばっ、不自由だとお花摘みどうすればなんて考えてたらちょっともよおしてきたかも。私大ピンチ」
自分から需要を増やしにかかるという実にサービス精神旺盛なエクレアであった。
縛られてるせいで手が使えないから、一度仰向けになって腹筋の力でゆっくり身を起こす。
その際身体中がバキボキと音が鳴り響く。限界以上の力を酷使した代償ともいうべき肉体の悲鳴に襲われ、少し呻くもなんとか身は起こせた。
「うぅぅ……『魔人化』は反動もあるけどそれ以上に使いどころ難しいよねぇ。攻勢に入っている時は強いけど、守勢にまわって動揺とか弱気になったとたん『魔人化』が解除されて元に戻るどころか弱体化。メリットの分だけデメリットも付きまとう諸刃だから絶対に調子のるなっとおやっさん達から散々口酸っぱく言われていたっていうのに……
もうこれは教訓だと思って素直に受け入れよう、うん」
そう納得させながらエクレアは周囲を見渡す。
どこかに光源があるのか薄っすらと明るいものの、部屋の中は何もない。あるのは扉一つぐらいだ。
続いて自分の今の状態を調べる。
まず後ろ手を縛ってる縄だが、雑に見えて意外としっかり縛ってるようだ。多少身じろぎしてみるも緩む気配はない。
自分の身体に目を向けると血まみれで少々破けた服が映った。足首は手首同様に縄でしっかり縛られてる他、右足の靴が靴下ごと脱げて裸足になってた。多分掴まれた時にでも脱げたのだろう。
様々な薬を入れていた腰のポケッシュは取られたようだが、ふともものベルトはそのままだ。何も挟まれてないのでベルトだけあっても無意味だが……
「全くなんで無駄に最後の『黒色火薬入り試験管』を使ってるのさ。あれは一本100万Gで売らないと到底割に合わない高価なブツだっていうのに……ブツブツ」
答えは戦場の空気に酔っていたからとしか言いようがない。
「まっ、やってしまったモノは仕方ない。元々試作品で検証実験用のものだから不発しなかったという結果を得ただけでよしとしよっか。
で、次に検証するのは………あんまり考えたくない。けど確認はしないといけないし……うん、覚悟完了」
覚悟を決めて自分の服下、要は何かされたかどうかを確認。
これといった違和感は残ってないのでそっちはまだ大丈夫だろう。
もっとも……
「いつまで大丈夫でいられるかなんだけどね」
ふぅっとため息をついて投げやり的に足を前へと投げ出しながら、今後の想像をする。
ゴブリンに攫われた者。特にうら若き乙女が攫われた場合の末路は悲惨である。
具体的にいうと乱暴される。
エロ同人みたいに!エロ同人みたいに!
そりゃぁもうKENZEN本で表現してはいけない、あれやこれといった酷い事をされるのだ。
「これで私も今日から性奴隷かぁ。13歳ならともかく11歳で性奴隷なんてどこの誰に需要あるのだかねぇ……まぁその時は抵抗するけど」
ぼやきつつ後ろ手を縛ってる縄の具合を改めて確認。
手ごたえからみてそう簡単に抜けれそうにはないが、ただの縄っぽいのでそこらの壁の出っ張り等でこすり合わせてればそのうち切れそうだと感じた。
ただエクレアの場合はそんな面倒なことせず『魔人化』を発動させて力込めたら即座にブチッと出来る。
力技でどうにかできてしまうエクレアにとって、ただの縄での拘束は意味ない代物のようだ。
……いや、縄が素肌の手首にチクチクと擦れてちょっと痛いからスリップダメージとしての意味はありそうだけど、今すぐブチッとするわけにはいかない。
エクレアが自由を取り戻してる事に気付かれたら次は絶対に拘束がきつくなる。
……きつくなっても再度ブチッとすれば問題ないかもしれないが、いくらエクレアでも好きできつめに拘束されたいというドM趣味はない。
逃げるにしても今は『魔人化』の反動で身体中が悲鳴あげてるという万全とは程遠い状態。
隠密や索敵は薬草採取で鍛えてると言っても罠の見分けはできないのでまず引っかかる。引っかかればゴブリン達にバレるから結局のところ最後はゴブリン蹴散らしながらの逃走劇。
ゴブリンは馬鹿だが間抜けじゃない。馬鹿正直に突っ込んで来るだけじゃなく時には狡猾に立ち回られる。
2度もそれでやられたのだ、3度目も何かやられる。
っで再びとっつかまってさらにきつい拘束が施されて振り出し……
「いずれランプ君たちも助けにきてくれるわけだし、すぐ何かされるわけじゃないならもう少し囚われのお姫様気分で待ってようかな」
モモちゃんの逃げる時の大立ち回りから逃げ切れたのは確定的に明らか。
いずれ皆が踏み込んでくる。
動くのはその時。
なら今は大人しくしてようと思い、こてんっと横になる。
今は静かに……
静かに………
「……あーやっぱり後ろ手の拘束だけはどうにかしたい。不自由だと思うと余計に自由が恋しくなるというか……」
………
……………
…………………
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