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第3章
10.狩られるのは私でした (緊迫ならぬ緊縛回)
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“狩るのは私で、狩られるのはお前たちだという事をなぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!”
……………………
「残念。狩られるのは私でしたって即オチ2コマかよ!!」
思わずびしっと突っ込む一人漫才中のエクレア。
ただし以前と違って今回は虚空へ向けての突っ込みは入れない。
というか物理的に入れられなかった。
なぜなら、縛られてるからである。
エクレアは後ろ手に縛られた状態で地面を寝転がっていた。
「う~ん……まさかゴブリンに捕まるイベントが起きちゃうなんて」
もしかしたら何かの補正があるかもしれないけど、それ以上にこう思っていた。
今の現状は補正じゃなく必然。ただの自業自得。
なにせ『魔人化』はリスクがある。
身体能力を大きく上げる。すさまじいまでの倍率で強化する代わりに理性が吹っ飛ぶ。
SAN値0でこれ以上狂いようがないエクレアに影響を及ぼすぐらい理性を吹っ飛ばす。
それでも訓練を重ねてある程度の分別付くようにはしていた。
必要以上に暴れず引く時は引けるように、引き際を誤らないよう最低限の理性は残せるようにと制御してたが……
四方八方ゴブリンに囲まれた中でのまき散らかした血の匂いでムセるかのような戦場の空気には完全無力であった。
結果として……
戦場の空気に酔ったエクレアは敵を殲滅するまで止まらない完全なバーサーカーと化したわけだ。
……………………
「ふははっはははははあは!!圧倒的ではないか私の力は!!」
バーサーカーとなったエクレアは確かに強かった。
無双ゲーみたくゴブリンを文字通りちぎっては投げちぎっては投げてで周囲に血と贓物をまき散らした。
多少反撃食らうも身体強化は攻撃力だけでなく防御力もあがる。
ゴブリンの非力な力で振るわれる攻撃なんて大体『カーン☆ノーダメージ!』
掴まれても身震いで大体振り払える。
通常なら負ける要素なんてない……けどここは現実だ。
ゲームじゃない。決してゲームではない。
ましてや『ゴブリンは馬鹿だが間抜けじゃない』で1度痛い目みたというのに、再び痛い目をみた。
死んだふり作戦で寝転がっていたゴブリンに足を掴まれたのだ。
ダメージはなくても激しく動き回ってる最中、足元お留守なところでいきなり足首を掴まれたというか、しがみつかれたのだから当然……
ズッテーン!!
転倒である。
それでもただ転倒しただけならすぐに立ち上がれば問題ない。問題ないが……エクレアは立ち上がれない。
立ち上がろうとする気配すらない。
それもそのはず……
「か……はっ……」
転倒のショックで理性が戻った……すなわち『魔人化』が解けた事で今までの反動。
実戦で『魔人化』を長時間維持させた事がなかったせいで知る術もなかった反動。
限界を超えた力で無計画に暴れまくったツケともいうべき疲労に襲われたわけだ。
早鐘を打つ心臓を抑え、必死に足りない酸素を補給にかかるも周囲に漂う血と贓物の臭気でむせてしまってうまくいかない。
しばらくの間うずくまって苦し気に荒い呼吸を繰り返すのみっと、戦闘中にも拘わらず無防備な姿をさらしてしまうエクレア。
その変わりざまにゴブリン達も一瞬惚けるも、それは一瞬。これはチャンスだと気づくやいなやげたげたと笑いながら一斉に襲い掛かってきた。
「!!!?」
思わず頭を抱え込むエクレアだがゴブリン達は全く躊躇せず、その背中を殴る蹴る殴る蹴る殴る蹴る……
以前モモちゃんにやられたご褒美をもらう羽目となった。
それでも再度『魔人化』すれば有象無象なゴブリンは即座に蹴散らせるも、体力をほとんど失って呼吸が全く整ってない状態では精神集中も上手くいかず……
結果としては中途半端な『魔人化』のまま亀のように縮こまるだけだ。
そんなゴブリン相手に完全な悪手を取っていたエクレアだが……
唐突に攻撃が止んだのに気付いた。
何事かと思って顔をあげると……
そこには大岩を掲げてるゴブリンの醜悪な顔が映って………
ブラックアウト。
大質量に重力という大自然の力を上乗せさせた一撃はエクレアの意識を刈り取るに十分な威力を誇っており……
……………………
「で、目を覚ましたら洞窟っていうより遺跡の牢屋みたいな部屋に放り込まれてました。ご丁寧に手足を縛って」
つまり、エクレアは物理的な意味も含んだ二重の意味で足をすくわれて負けたのである。
その様はまさしく『お前調子ぶっこき過ぎてた結果だよ』だろう。
……………………
「残念。狩られるのは私でしたって即オチ2コマかよ!!」
思わずびしっと突っ込む一人漫才中のエクレア。
ただし以前と違って今回は虚空へ向けての突っ込みは入れない。
というか物理的に入れられなかった。
なぜなら、縛られてるからである。
エクレアは後ろ手に縛られた状態で地面を寝転がっていた。
「う~ん……まさかゴブリンに捕まるイベントが起きちゃうなんて」
もしかしたら何かの補正があるかもしれないけど、それ以上にこう思っていた。
今の現状は補正じゃなく必然。ただの自業自得。
なにせ『魔人化』はリスクがある。
身体能力を大きく上げる。すさまじいまでの倍率で強化する代わりに理性が吹っ飛ぶ。
SAN値0でこれ以上狂いようがないエクレアに影響を及ぼすぐらい理性を吹っ飛ばす。
それでも訓練を重ねてある程度の分別付くようにはしていた。
必要以上に暴れず引く時は引けるように、引き際を誤らないよう最低限の理性は残せるようにと制御してたが……
四方八方ゴブリンに囲まれた中でのまき散らかした血の匂いでムセるかのような戦場の空気には完全無力であった。
結果として……
戦場の空気に酔ったエクレアは敵を殲滅するまで止まらない完全なバーサーカーと化したわけだ。
……………………
「ふははっはははははあは!!圧倒的ではないか私の力は!!」
バーサーカーとなったエクレアは確かに強かった。
無双ゲーみたくゴブリンを文字通りちぎっては投げちぎっては投げてで周囲に血と贓物をまき散らした。
多少反撃食らうも身体強化は攻撃力だけでなく防御力もあがる。
ゴブリンの非力な力で振るわれる攻撃なんて大体『カーン☆ノーダメージ!』
掴まれても身震いで大体振り払える。
通常なら負ける要素なんてない……けどここは現実だ。
ゲームじゃない。決してゲームではない。
ましてや『ゴブリンは馬鹿だが間抜けじゃない』で1度痛い目みたというのに、再び痛い目をみた。
死んだふり作戦で寝転がっていたゴブリンに足を掴まれたのだ。
ダメージはなくても激しく動き回ってる最中、足元お留守なところでいきなり足首を掴まれたというか、しがみつかれたのだから当然……
ズッテーン!!
転倒である。
それでもただ転倒しただけならすぐに立ち上がれば問題ない。問題ないが……エクレアは立ち上がれない。
立ち上がろうとする気配すらない。
それもそのはず……
「か……はっ……」
転倒のショックで理性が戻った……すなわち『魔人化』が解けた事で今までの反動。
実戦で『魔人化』を長時間維持させた事がなかったせいで知る術もなかった反動。
限界を超えた力で無計画に暴れまくったツケともいうべき疲労に襲われたわけだ。
早鐘を打つ心臓を抑え、必死に足りない酸素を補給にかかるも周囲に漂う血と贓物の臭気でむせてしまってうまくいかない。
しばらくの間うずくまって苦し気に荒い呼吸を繰り返すのみっと、戦闘中にも拘わらず無防備な姿をさらしてしまうエクレア。
その変わりざまにゴブリン達も一瞬惚けるも、それは一瞬。これはチャンスだと気づくやいなやげたげたと笑いながら一斉に襲い掛かってきた。
「!!!?」
思わず頭を抱え込むエクレアだがゴブリン達は全く躊躇せず、その背中を殴る蹴る殴る蹴る殴る蹴る……
以前モモちゃんにやられたご褒美をもらう羽目となった。
それでも再度『魔人化』すれば有象無象なゴブリンは即座に蹴散らせるも、体力をほとんど失って呼吸が全く整ってない状態では精神集中も上手くいかず……
結果としては中途半端な『魔人化』のまま亀のように縮こまるだけだ。
そんなゴブリン相手に完全な悪手を取っていたエクレアだが……
唐突に攻撃が止んだのに気付いた。
何事かと思って顔をあげると……
そこには大岩を掲げてるゴブリンの醜悪な顔が映って………
ブラックアウト。
大質量に重力という大自然の力を上乗せさせた一撃はエクレアの意識を刈り取るに十分な威力を誇っており……
……………………
「で、目を覚ましたら洞窟っていうより遺跡の牢屋みたいな部屋に放り込まれてました。ご丁寧に手足を縛って」
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