いつかサクラの木の下で…… -乙女ゲームお花畑ヒロインざまぁ劇の裏側、ハッピーエンドに隠されたバッドエンドの物語-(アルファ版)

やみなべ

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第3章

21.予想外の展開!?

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「むっ?(企み?反逆計画?)」

 一体何のことを言われたのか、つい首をかしげるエクレア。
 対して男は確証があるらしく、にやりと笑いながら話し続ける。

「“奴”のシナリオに反逆する算段なのだろう。駒としてはイレギュラーな行為なのだが嬢ちゃんの“狂気”はそのイレギュラーな行為を推奨させてくれる……よって私も混ぜさせてもらおうか!!
 いい加減私も“奴”の態度に少々腹を据えかねているモノがあるからなぁ!!!!ハハハハハハハハh!!!!!」

「むふー!!?(予想外の展開!?こいつ私の“狂気”奪ったせいでおかしくなったー!!!!?)」


 そういえばさっき目隠し外された直後にみた男の瞳はどこか正気を失った、虚ろな眼をしていたような気はしたが、それは全く気のせいではなかったらしい。
 っというか、こんなラスボスでもおかしくない奴が魅了改め“狂気”に堕とせるってこれどんなクソゲーだーっと突っ込みたいが現実は御覧の有様。
 ゲームバランスを根本から覆す“狂気”を付与してしまうなんて、一体エクレアの中に潜む“ナニカ”はなんなのか……

 知りたいような知ったらダメなような……少なくともこのなんとなく自分の中に混ざりこんでいる“ナニカ”は絶対表に出したらダメな奴だということはわかった。
 邂逅一番で口封じに動こうとした気持ち、ちょっとわかってしまう程度にわかった。

「むぅぅ(でも“奴”ってなんのことかな?)」

 “ナニカ”同様に“奴”も何なのかわからないも、ダンジョンマスターを派遣するぐらいだし世界を管理する神とかゲームシステム運営とかそういった存在なのかもしれない。
 なら彼等にとって今のエクレアはバグを超える超危険な病原体。
 “狂気”と言う名前のウィルスを次々と感染拡大させて世界を汚染しつくとんでもない爆弾だ。

 そんなもんが自分の世界にいるなんて気付かれたら速攻で排除される。隕石の雨を降らせて村ごと跡形もなく消滅とか周囲の被害お構いなしで排除される。

「むぅぅ……(自重しよう。今度からは多分とかじゃなく絶対自重しよう。強く自重しよう)」


 改めて決意するも……エクレアはふと思った。

「……?(そういえば猿轡されてるのになんでこうやって意思疎通できるんだろう?)」

 創作あるあるではあるが、会話機能を持たないモノと意思疎通する補正はある。ご都合主義的にそれが働いたなら一応納得はできる。
 猿轡外してくれたら補正なんかなく普通に会話できるのにっという突っ込みは入れたい。だが今現在それ以上に突っ込みたいことは……


「むぐむぐー!!(それよりなんでお米様だっこなの!?ここは普通お姫様だっこするとこでしょー!!断固としてやり直し要求するー!!!)」

 じたばたっと手足はまだ縛られたままなのでそれほど強く暴れられないも、動かせる範囲内で抗議するエクレア。
 ちなみにお米様だっことは袋を肩で担ぎあげて運ぶアレを人体で行ったものである。
 現在社会でも戦場で重症人を移送するための手段としての認定はされてるも、現実主義すぎて浪漫も何もあった物じゃない。

 ついでにいえば今のエクレアの服はお花畑の無双で酷い状況になってたところに拷問まがいの暴行。それでトドメ刺されたらしく、ぼろきれと化していた。
 一応辛うじて元服だった布切れがまとわりついて裸にはなってないが、もはや職業奴隷の方がまだマシだっというぐらい酷い有様。

 でも正気のまま狂っているエクレアに羞恥心なぞあるわけなく……







 純粋な少年達は後ほど『傷だらけでぼろきれを纏った縛られたエクレアとご対面』っというこれまた一波乱起きそうなシチュエーションが起きる………











 わけなかった。









「いくら私でもか弱いレディーをあられもない姿で晒させるほど無粋ではない。よって肌ぐらいは隠させてやろう」

「むー!!(まてぃ!!確かに肌は隠せてるけどなんで簀巻きなのー!!!)」

 じたばたっと簀巻きで宙づりにされた体勢で抗議するエクレア。
 その姿もそうだが何より肌の露出が完全なくなったせいで一騒動こそ起きる可能性は減った……

 ただあれやこれやを想像してた特殊性癖の方々からの抗議が殺到という別のところで一騒動は確実に起きそうであった。
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