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第4章
2.お兄ちゃんどいて!そいつ殺せない!(side:俯瞰)
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「ちょいまてぃ!私のおごりだなんてそんな話聞いてない!!」
宴会スタートとほぼ同時に抗議の声をあげるエクレア。
それもそうだろう。会場の設営こそ村人やギルド所属の冒険者達の善意で無料だったが、用意した料理の数々はそれなりに実費がかかっている。
エクレア一人で全て負担すれば借金がさらに追加されてしまうのだ。そりゃぁ必死に抗議するも……
「当然でしょ。だって今決めたことだし……それよりもお姉ちゃん。約束破ったよね」
「ぎくり……約束って……ナンノコトデショウカ?」
「いちごのタルト、作ってくれるって約束……したよね。やぶったら脳天に酒瓶叩きつけるって言ったよね」
ゆらりっと、にこやかだが悪鬼のごとく迫るモモちゃんにタラりと冷や汗を流すエクレア。
「あ、その……お姉ちゃん今日の準備で忙しかったから……」
「お・し・お・き・だ・ね」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!助けてランプおにいちゃ~ん!!妹に殺されるぅぅぅぅぅぅぅう!!」
ぴょんっと木箱を積み上げて作られた即席の舞台から飛び降りると同時にランプの元へ駆け寄るエクレア。
なお、ランプは焼きたての串焼きを今まさに頬張ろうとしていた瞬間だった。そのせいでエクレアの接近には気付かず、気が付いた時には……
「お兄ちゃん助けて!!妹に……妹に殺されそうなの」
涙目でランプの背に隠れて、がたがた振るえる義妹と……
「お兄ちゃんどいて!そいつ殺せない!」
酒瓶片手にゆらりとにじり寄る実妹の板挟みにされていた。
「な、なんだ!!?なんなんだこの状況わ!?」
全く訳が分からない、わけのわからない展開にもろ巻き込まれてうろたえまくる兄ランプ。
でもって周囲は『いいぞもっとやれー』っと止めるどころか酒や串焼き片手に煽りまくる始末。
それもそのはず。
なにせエクレアは後ろに隠れながらこっそりとハンドサインでモモちゃん含む周囲の顔見知り冒険者に……
“コレチャバン”“テキトウニアワセテ”
なメッセージを送ってるのだ。
よって今行ってる寸劇はエクレアのメッセージに応えて始めた即興の茶番なのである。
「お、おちつけ。モモ、まずは深呼吸して……」
「ふふふ……邪魔するならたとえお兄ちゃんといえども」
「だ、だから落ち着け!!落ち着いてくれ!!!」
エクレアのメッセージを物理的に見る事ができないランプはわけわからず、テンパりながらも妹の説得を試みる。そんな兄の必死な姿が滑稽すぎて周囲はついつい笑みを浮かべてしまう。
しばらく周囲は二人が兄を巻き込んで演出した茶番?を肴にして酒と料理を堪能していた。
そんな様を少し離れた所で見守る……正確にいえば直感に従って即座に距離を取った事で被害を免れたローインとトンビ。
「ねぇ……ちょっと思った事、言ってもいいかな?」
「多分同じこと思ってる。だから同時に言おう」
せーっの……
「「あの2人血のつながった姉妹なんじゃね??」」
実際2人とも髪の色がほぼ同じな上にモモちゃんはエクレアの影響を受けてか、振る舞いに似通った部分がでてきてるのだ。
それにくわえて色以外ほぼ同じにそろえたお揃いの衣装で息ぴったりな寸劇……
違うとわかってるのにやっぱり姉妹にみえてしまうのであった。
ちなみにランプは赤髪。見え方によってはエクレアもランプの妹としてみる事も可能であろう。
そんなこんなと寸劇の結末は………
何がどうなったのか、2人のクロスボンバーによって兄がKO。2人はハイタッチの後にペコリとお辞儀。合わせて周囲から拍手喝さいっと、宴会の盛り上がりに一役買った形で終えたのである。
「「………」」
拍手喝さいの中、ローインとトンビは皆から忘れ去られてるかのように白目向いて寝転がってるランプを哀れと思うも、兄は妹のおもちゃにされるのが昔からのお約束だ。
それにエクレアとモモちゃんは普段だと互いに監視し合うストッパーだが、双方同じ方向で暴走すれば手が付けられないのは村内の共通認識。少なくともローインとトンビでは手に負えないので……
「僕らも僕らで宴会を楽しもうか」
「ん。死んだランプの分まで楽しもう」
いやいや、ランプはまだ生きてるから!!っという彼方からの突っ込みを無視するかのごとく、二人は宴会……主に料理を堪能する事にしはじめた。
その後、ランプの行く末を知る者は……誰も居なかった?
宴会スタートとほぼ同時に抗議の声をあげるエクレア。
それもそうだろう。会場の設営こそ村人やギルド所属の冒険者達の善意で無料だったが、用意した料理の数々はそれなりに実費がかかっている。
エクレア一人で全て負担すれば借金がさらに追加されてしまうのだ。そりゃぁ必死に抗議するも……
「当然でしょ。だって今決めたことだし……それよりもお姉ちゃん。約束破ったよね」
「ぎくり……約束って……ナンノコトデショウカ?」
「いちごのタルト、作ってくれるって約束……したよね。やぶったら脳天に酒瓶叩きつけるって言ったよね」
ゆらりっと、にこやかだが悪鬼のごとく迫るモモちゃんにタラりと冷や汗を流すエクレア。
「あ、その……お姉ちゃん今日の準備で忙しかったから……」
「お・し・お・き・だ・ね」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!助けてランプおにいちゃ~ん!!妹に殺されるぅぅぅぅぅぅぅう!!」
ぴょんっと木箱を積み上げて作られた即席の舞台から飛び降りると同時にランプの元へ駆け寄るエクレア。
なお、ランプは焼きたての串焼きを今まさに頬張ろうとしていた瞬間だった。そのせいでエクレアの接近には気付かず、気が付いた時には……
「お兄ちゃん助けて!!妹に……妹に殺されそうなの」
涙目でランプの背に隠れて、がたがた振るえる義妹と……
「お兄ちゃんどいて!そいつ殺せない!」
酒瓶片手にゆらりとにじり寄る実妹の板挟みにされていた。
「な、なんだ!!?なんなんだこの状況わ!?」
全く訳が分からない、わけのわからない展開にもろ巻き込まれてうろたえまくる兄ランプ。
でもって周囲は『いいぞもっとやれー』っと止めるどころか酒や串焼き片手に煽りまくる始末。
それもそのはず。
なにせエクレアは後ろに隠れながらこっそりとハンドサインでモモちゃん含む周囲の顔見知り冒険者に……
“コレチャバン”“テキトウニアワセテ”
なメッセージを送ってるのだ。
よって今行ってる寸劇はエクレアのメッセージに応えて始めた即興の茶番なのである。
「お、おちつけ。モモ、まずは深呼吸して……」
「ふふふ……邪魔するならたとえお兄ちゃんといえども」
「だ、だから落ち着け!!落ち着いてくれ!!!」
エクレアのメッセージを物理的に見る事ができないランプはわけわからず、テンパりながらも妹の説得を試みる。そんな兄の必死な姿が滑稽すぎて周囲はついつい笑みを浮かべてしまう。
しばらく周囲は二人が兄を巻き込んで演出した茶番?を肴にして酒と料理を堪能していた。
そんな様を少し離れた所で見守る……正確にいえば直感に従って即座に距離を取った事で被害を免れたローインとトンビ。
「ねぇ……ちょっと思った事、言ってもいいかな?」
「多分同じこと思ってる。だから同時に言おう」
せーっの……
「「あの2人血のつながった姉妹なんじゃね??」」
実際2人とも髪の色がほぼ同じな上にモモちゃんはエクレアの影響を受けてか、振る舞いに似通った部分がでてきてるのだ。
それにくわえて色以外ほぼ同じにそろえたお揃いの衣装で息ぴったりな寸劇……
違うとわかってるのにやっぱり姉妹にみえてしまうのであった。
ちなみにランプは赤髪。見え方によってはエクレアもランプの妹としてみる事も可能であろう。
そんなこんなと寸劇の結末は………
何がどうなったのか、2人のクロスボンバーによって兄がKO。2人はハイタッチの後にペコリとお辞儀。合わせて周囲から拍手喝さいっと、宴会の盛り上がりに一役買った形で終えたのである。
「「………」」
拍手喝さいの中、ローインとトンビは皆から忘れ去られてるかのように白目向いて寝転がってるランプを哀れと思うも、兄は妹のおもちゃにされるのが昔からのお約束だ。
それにエクレアとモモちゃんは普段だと互いに監視し合うストッパーだが、双方同じ方向で暴走すれば手が付けられないのは村内の共通認識。少なくともローインとトンビでは手に負えないので……
「僕らも僕らで宴会を楽しもうか」
「ん。死んだランプの分まで楽しもう」
いやいや、ランプはまだ生きてるから!!っという彼方からの突っ込みを無視するかのごとく、二人は宴会……主に料理を堪能する事にしはじめた。
その後、ランプの行く末を知る者は……誰も居なかった?
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