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第4章
10.僕は正気に戻った
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「……えっ?」
エクレアは思わず惚けた。“深淵”とも呼べる闇を纏った魔王にふさわしい威厳を持ちながらも惚けた。
だが、ローインはそんな惚けた姿も美しいと思い始める。
「はぁはぁ……キレイだ……とてもすてきだよ……ハァハァハァハァ」
「えっ、えっ、えっ???」
息を荒げながら血走った眼でじりじりとにじり寄るローインに思わず後ずさりはじめるエクレア。
恐れるどころか変な方向へ全力疾走される形に魅了されたローインの姿はさすがのエクレアも予想外なのか、怯えるようにローインから距離を取ろうとしてる。
「ちょ、ローイン君正気に戻って!ほら、正気に!!」
再度パンパンっと手を鳴らし始めるも、ローインは気にしない。止まらない。奥底から湧き出る感情を止められない。
「大丈夫だよエクレアちゃん。僕は正気に戻った………僕は正気だ」
……
…………
………………
「どこのガリさんの真似よぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
ガリさんとは誰のことか……ローインは理解不能ながらも、彼にしてみればどうでもよかった。
今ローインの頭の中にあるのは……
「はぁはぁ……エクレアちゃん……好きだ……結婚しよう……子供一杯作ろう。そして……」
色欲一色だった。
なので言動は直球。変化球とか牽制とか全くないストレートな発想……大人のいけない本によって得た知識を参考にして、エクレアと『あばんちゅーる』な一夜を過ごす事しか考えられなくなっていた。
ただ幸いというかローインはまだ子供。種は作れないから下半身に大きな変化はない……が、エクレアにとっては今の状況そのものがすでにアウト。
支離滅裂、ドン引き、狂っている。
一体どの言葉が適切なのか、最早わけのわからないような状態となったローインにエクレアは怯える。
怯えながら一歩下がるも、ローインはその分だけ距離をつめる。
怯えてさらに一歩下がる姿も愛おしい。必死に手を打ち鳴らしながら正気へと戻るように訴える姿が可愛らしい。その焦り顔を力でもって抑えつけて驚愕に染めたくなる……そんな想いを抱きながら距離を詰めてゆき、やがてエクレアの背にどんっとサクラの幹が当たる。
逃げ場がなくなった。
その瞬間、ローインは飛び掛かる。
「エックレアちゅわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」
手の平と足の裏を合わせた水泳台からの飛び込みを思わせるジャンプ……
そう、ある界隈で有名なルパンダイブだ。
本来ならこれは服を置き去りにして飛び込むのだが、あいにくローインにそこまでの技量はない。
そもそもルパンダイブなんてどこで覚えたのか……倭国由来の書物で得た知識という定番の答えが出てきそうながらも、ローインは知らなかった。
ルパンダイブを決行した者が辿る末路。お約束ともいうべき、定番なオチを知らなかった。
よって、手鳴らしでは止められないと悟ったエクレアはすっと眼を細め、足を振り上げてきた。
あの短いスカートで……絶対領域を完備したスカートで足を振り上げてきたのだ。
思わず心が躍った、その次の瞬間……
「ジェノサイド……」
ガン!!
顎に強烈な衝撃が走った。彼女の足裏で見事に顎を跳ね上げられたせいでおもわずのけぞる。
それでも今はチャンス……
エクレアのスカートの中を覗くチャンスなのだっと、気合入れてのけぞった体制を元に戻すも
「カッター!!!」
ドコン!!!
体制を戻した直後の顎に再度衝撃が走った。
その威力は最初の非ではない。
顎どころか身体全体を大きく跳ね上げられるかのような衝撃はローインを正気に引き戻すだけの力はあった。
ただ、正気こそ戻っても……
「ぬわ~~~~!!!」
クルクルクルキリキリキリ………
きりもみ回転しながら宙を舞っているのだ。前後左右どころか天地の区別すらついてないローインには現状を把握なぞできない。
よって彼はなすすべもなくきりもみ回転を維持したまま頭から落下し……
グシャー
地面に激突した。
「あ……あれ……視界が……真っ赤に」
ローインは薄れゆく意識の中、ものすごい慌ててるエクレアの姿と……
その背後に大鎌を携えた黒いローブを着こんた変人が佇んでるのをみながら……
静かに目を閉じた。
こうしてローインは二度と目覚めない眠りについた……
わけはない。
「よかった、気が付いた!!」
目を覚ますと、目の前に涙目になったエクレアがいきなり飛び込んできた。
「えっと、僕は……一体何が起きたの」
ずきずきと頭が痛む頭を抑えながら考える。エクレアが上に乗っかってるこの状況は本当に一体何があったのか。
何をやらかしたのかっと思ってたら、エクレアから驚きの答えが返ってきた
「覚えてないの?って覚えてたらすごいけど……驚かないで聞いてね。実は……私の後ろの翼を出したら急に豹変して襲われたから思わず蹴り飛ばしちゃって……そしたら」
「死んじゃってたの」
エクレアは思わず惚けた。“深淵”とも呼べる闇を纏った魔王にふさわしい威厳を持ちながらも惚けた。
だが、ローインはそんな惚けた姿も美しいと思い始める。
「はぁはぁ……キレイだ……とてもすてきだよ……ハァハァハァハァ」
「えっ、えっ、えっ???」
息を荒げながら血走った眼でじりじりとにじり寄るローインに思わず後ずさりはじめるエクレア。
恐れるどころか変な方向へ全力疾走される形に魅了されたローインの姿はさすがのエクレアも予想外なのか、怯えるようにローインから距離を取ろうとしてる。
「ちょ、ローイン君正気に戻って!ほら、正気に!!」
再度パンパンっと手を鳴らし始めるも、ローインは気にしない。止まらない。奥底から湧き出る感情を止められない。
「大丈夫だよエクレアちゃん。僕は正気に戻った………僕は正気だ」
……
…………
………………
「どこのガリさんの真似よぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
ガリさんとは誰のことか……ローインは理解不能ながらも、彼にしてみればどうでもよかった。
今ローインの頭の中にあるのは……
「はぁはぁ……エクレアちゃん……好きだ……結婚しよう……子供一杯作ろう。そして……」
色欲一色だった。
なので言動は直球。変化球とか牽制とか全くないストレートな発想……大人のいけない本によって得た知識を参考にして、エクレアと『あばんちゅーる』な一夜を過ごす事しか考えられなくなっていた。
ただ幸いというかローインはまだ子供。種は作れないから下半身に大きな変化はない……が、エクレアにとっては今の状況そのものがすでにアウト。
支離滅裂、ドン引き、狂っている。
一体どの言葉が適切なのか、最早わけのわからないような状態となったローインにエクレアは怯える。
怯えながら一歩下がるも、ローインはその分だけ距離をつめる。
怯えてさらに一歩下がる姿も愛おしい。必死に手を打ち鳴らしながら正気へと戻るように訴える姿が可愛らしい。その焦り顔を力でもって抑えつけて驚愕に染めたくなる……そんな想いを抱きながら距離を詰めてゆき、やがてエクレアの背にどんっとサクラの幹が当たる。
逃げ場がなくなった。
その瞬間、ローインは飛び掛かる。
「エックレアちゅわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」
手の平と足の裏を合わせた水泳台からの飛び込みを思わせるジャンプ……
そう、ある界隈で有名なルパンダイブだ。
本来ならこれは服を置き去りにして飛び込むのだが、あいにくローインにそこまでの技量はない。
そもそもルパンダイブなんてどこで覚えたのか……倭国由来の書物で得た知識という定番の答えが出てきそうながらも、ローインは知らなかった。
ルパンダイブを決行した者が辿る末路。お約束ともいうべき、定番なオチを知らなかった。
よって、手鳴らしでは止められないと悟ったエクレアはすっと眼を細め、足を振り上げてきた。
あの短いスカートで……絶対領域を完備したスカートで足を振り上げてきたのだ。
思わず心が躍った、その次の瞬間……
「ジェノサイド……」
ガン!!
顎に強烈な衝撃が走った。彼女の足裏で見事に顎を跳ね上げられたせいでおもわずのけぞる。
それでも今はチャンス……
エクレアのスカートの中を覗くチャンスなのだっと、気合入れてのけぞった体制を元に戻すも
「カッター!!!」
ドコン!!!
体制を戻した直後の顎に再度衝撃が走った。
その威力は最初の非ではない。
顎どころか身体全体を大きく跳ね上げられるかのような衝撃はローインを正気に引き戻すだけの力はあった。
ただ、正気こそ戻っても……
「ぬわ~~~~!!!」
クルクルクルキリキリキリ………
きりもみ回転しながら宙を舞っているのだ。前後左右どころか天地の区別すらついてないローインには現状を把握なぞできない。
よって彼はなすすべもなくきりもみ回転を維持したまま頭から落下し……
グシャー
地面に激突した。
「あ……あれ……視界が……真っ赤に」
ローインは薄れゆく意識の中、ものすごい慌ててるエクレアの姿と……
その背後に大鎌を携えた黒いローブを着こんた変人が佇んでるのをみながら……
静かに目を閉じた。
こうしてローインは二度と目覚めない眠りについた……
わけはない。
「よかった、気が付いた!!」
目を覚ますと、目の前に涙目になったエクレアがいきなり飛び込んできた。
「えっと、僕は……一体何が起きたの」
ずきずきと頭が痛む頭を抑えながら考える。エクレアが上に乗っかってるこの状況は本当に一体何があったのか。
何をやらかしたのかっと思ってたら、エクレアから驚きの答えが返ってきた
「覚えてないの?って覚えてたらすごいけど……驚かないで聞いてね。実は……私の後ろの翼を出したら急に豹変して襲われたから思わず蹴り飛ばしちゃって……そしたら」
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