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同期から恋人へ
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「……大丈夫か……?」
「大丈夫じゃない……」
しばらくしてから本郷に尋ねられ、寧々は呻くように答えた。
「……悪い……なんかもう、加減できなかった」
ズルリ、と出てゆく本郷を、名残惜しそうに自分の中が引き留めようとしている感覚を覚えながら、寧々はフーッと息を吐いた。
「大丈夫じゃないっていうのは……気持ち良すぎて、ってこと」
「フッ、そーかそーか、なら良かった」
クシャッと顔を崩して笑い、本郷はうつ伏せになっている寧々の背中や肩に、チュッチュッと音を立ててキスをした。
「ネネ、好きだよ」
「ん……わたしも……本郷君の事、好き……」
照れながら小さな声でそういう寧々の肩を引いて仰向けにさせ、本郷はその唇に深く口づけをした。
「て、事はだ。俺達、付き合うって事でいいのかな」
「……本郷君が、良ければ……」
「いいに決まってるだろ」
抱きしめ、寧々の肌を、温かさを味わう。
「最高の気分だ! なあネネ、付き合うんだから俺の事、苗字じゃなくて名前で呼んでよ。てか、俺の名前知ってる?」
「知ってるわよ。『優しい』に漢数字の『一』で『ユウイチ』と思わせといての『マサカズ』でしょ?」
「いや、別に思わせてないけどな? そう! マサカズって呼んで」
「うん、わかった」
「わかった、じゃなく。ほら! 早く!」
「えー? 別に今は……」
「いいじゃん! 聞きたいんだよ! お前が俺の名前呼ぶの!」
「んー、じゃあ……マ、マサカズ?」
「っつ……いいな、名前で呼ばれるの。もう一回」
「もういいでしょ? これからいっぱい呼ぶから。さあ、もう寝よう?」
「はっ? 何言ってんの? まだ寝ないよ? 20代の頃のようにとはいかないけど、一回で終わり、ってことはないよ。俺だってまだまだやれるところを証明しなきゃ」
その言葉に、寧々が青ざめる。
「わ、わたしは無理よ? もう無理! 絶対無理! 喉もカラカラ、そう! 水飲みたい!」
そう言って逃れるようにベッドから降りた寧々は、そのまま床にへたりこんでしまった。
「うわ、ちょっと何コレ、足に力が入らないんだけど」
「オイオイ、大丈夫かよ。ホラ」
本郷は慌てて寧々の腕を掴んで立たせると、再びベッドに横たわらせた。
「水は俺が持ってくるから、寝てろ」
そう言って部屋を出て行こうとして本郷だったが、ふと立ち止まると、もう一度ベッドに歩み寄り、横になっている寧々に覆いかぶさるようにして口づけをした。
「……ネネ、愛してる。本当の本当だからな」
「うん、わたしも……」
こうして二人は、同期から恋人へと関係を変えたのだった。
~終わり~
「大丈夫じゃない……」
しばらくしてから本郷に尋ねられ、寧々は呻くように答えた。
「……悪い……なんかもう、加減できなかった」
ズルリ、と出てゆく本郷を、名残惜しそうに自分の中が引き留めようとしている感覚を覚えながら、寧々はフーッと息を吐いた。
「大丈夫じゃないっていうのは……気持ち良すぎて、ってこと」
「フッ、そーかそーか、なら良かった」
クシャッと顔を崩して笑い、本郷はうつ伏せになっている寧々の背中や肩に、チュッチュッと音を立ててキスをした。
「ネネ、好きだよ」
「ん……わたしも……本郷君の事、好き……」
照れながら小さな声でそういう寧々の肩を引いて仰向けにさせ、本郷はその唇に深く口づけをした。
「て、事はだ。俺達、付き合うって事でいいのかな」
「……本郷君が、良ければ……」
「いいに決まってるだろ」
抱きしめ、寧々の肌を、温かさを味わう。
「最高の気分だ! なあネネ、付き合うんだから俺の事、苗字じゃなくて名前で呼んでよ。てか、俺の名前知ってる?」
「知ってるわよ。『優しい』に漢数字の『一』で『ユウイチ』と思わせといての『マサカズ』でしょ?」
「いや、別に思わせてないけどな? そう! マサカズって呼んで」
「うん、わかった」
「わかった、じゃなく。ほら! 早く!」
「えー? 別に今は……」
「いいじゃん! 聞きたいんだよ! お前が俺の名前呼ぶの!」
「んー、じゃあ……マ、マサカズ?」
「っつ……いいな、名前で呼ばれるの。もう一回」
「もういいでしょ? これからいっぱい呼ぶから。さあ、もう寝よう?」
「はっ? 何言ってんの? まだ寝ないよ? 20代の頃のようにとはいかないけど、一回で終わり、ってことはないよ。俺だってまだまだやれるところを証明しなきゃ」
その言葉に、寧々が青ざめる。
「わ、わたしは無理よ? もう無理! 絶対無理! 喉もカラカラ、そう! 水飲みたい!」
そう言って逃れるようにベッドから降りた寧々は、そのまま床にへたりこんでしまった。
「うわ、ちょっと何コレ、足に力が入らないんだけど」
「オイオイ、大丈夫かよ。ホラ」
本郷は慌てて寧々の腕を掴んで立たせると、再びベッドに横たわらせた。
「水は俺が持ってくるから、寝てろ」
そう言って部屋を出て行こうとして本郷だったが、ふと立ち止まると、もう一度ベッドに歩み寄り、横になっている寧々に覆いかぶさるようにして口づけをした。
「……ネネ、愛してる。本当の本当だからな」
「うん、わたしも……」
こうして二人は、同期から恋人へと関係を変えたのだった。
~終わり~
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