愛玩奴隷〜咲〜

うなさん

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秘密

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「さっくん、久しぶり。」
穏やかな声とふわふわした笑顔が相変わらずだ。
この人が社長をしているなんて、未だに信じられない。
そう思いながら、僕も笑顔を返す。
「久しぶり、おじさん。」

おじさんは僕をじっと見つめて、優しく微笑んだ後、
ふと思いついたように言った。
「さっくん、ご飯ができるまで少し遊びに行こうか。」
「いいの?お仕事は?」
「今日はお休みにしてもらったから大丈夫だよ。」
その言葉に甘えて、僕も遠慮なくお願いする。
「じゃあ、勉強教えてほしい。」
「勉強?」
おじさんが驚いた顔をして、少し笑う。
「うん、ダメ?」
僕は渾身の上目遣いでじっと見上げる。
「……しょうがないなあ。」
「やった!」
相変わらずおじさんはこういうお願いに弱い。

「二次関数のグラフがx軸の負の部分と異なる2点で交わるとき……」

「あー、疲れた。」
大きく伸びをする。
「お疲れさま。
 さっくんは飲み込みが早いから教えていて楽しいよ。」
「ほんとに?」
「もちろん。いつでも聞きにおいで。」
僕は嬉しくなって、思わず笑顔になる。
「ありがとう。」
「頑張ったし、お菓子でも持ってこようか?」
「やった!」

おじさんがお菓子を取りに行ったあと、
ふとスマホが鳴る音が聞こえた。
誰からだろう。
つい気になって、画面をのぞき込む。

……「SM玩具店」?

まさか、おじさんが?

足音が近づくのが聞こえた僕は、とっさにおじさんを引き止めた。
「お、おじさーん! 僕、喉乾いちゃった!」
「ああ、オレンジジュースでいいかい?」
「うん、ありがとう!」

ほっとしたのも束の間、もう一度スマホを開くと、
案の定ロックはかかっていなかった。
まったくおじさんらしい。
けど、もう少し警戒心があってもいいのに。
いや、今は助かったか。

画面には「SMクラブ・Night」の文字。
おじさんが経営している、ということなのだろうか。
頭が追いつかない。
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