30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。

ひさまま

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第一章

遺跡

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 森を歩く。

 森の地形はなんとなくわかる。ユーリさんの知識だと思う。でも、はっきりしない部分もある。ユーリさんが意識して見ていない物だと曖昧な知識になっているんだと思う。

 森の奥に遺跡の様な物がある。

 おじいさんからは、そこから奥は言ってはいけないと教えられていた場所。森が深くなるからかな?

 ユーリさんの記憶だと、そこにカモミールらしき物があったんだよね。

 いいよね、カモミール!お茶にもなるし、色々な効能もあるし、美肌にも良い。

 庭に移植しようと、背負子にマジックバックではない麻袋とスコップを持って採取に来ている。





 なんで、遺跡が盗賊の根城になっているかな~。
 なんで、私このタイミングで遺跡に来ちゃったかな~。

 なぅ。盗賊に捕まっています。


 カモミールの若いのをスコップでザクザクしていたら、中にいる盗賊に気付かれて捕まってしまった。

 いや、言い訳をさせて欲しい。普通の人だったのよ。顔に傷があったり、ヒャッハァな露出の服を着ていたり、ぐへへへとかガハハハとかの笑い声なら気付いたよ。


 普通の村人?の様なおいちゃんが、何でカモミールを掘っているのか聞かれて、健康と美容に良いと話したら娘に教えてあげて欲しいと言われた。
 遺跡の中に住んでいるんだと思って、一緒に中に入ったら、男の人10人位と女の人2人が出てきて、びっくりしてるうちに縄で縛られてしまった。


 怖い。異世界怖い。自分の危機管理のなさも怖い。

 街の人との交流で警戒心が緩んでいたのもある。


 ガタガタ震えながら、盗賊の話を聞くと、
①私を売る
②共有財産にする
との案があるらしい。
共有財産って何よ?きっとろくでもないよね。
売るのは、奴隷現役の国に。

 くぅ~、昨日体をトゥルントゥルンにしたのは、リフレッシュのためだよ。売られたり、財産になるためじゃない。

 年配のおいちゃんの決定で売られることになったらしい。やだやだやだ奴隷とかやだ。 

 若めのおいちゃんは、共有財産にこだわってた。共有財産もやだ。


 水を渡される。ご飯はもらえない様子。縛られているので、若めのおいちゃんが水を飲ませる。お尻や太ももを揉まれて気持ち悪い。吐き気がする。

 年配のおいちゃんに、咎められて離れていく。やっぱり共有財産って、そういうことか。まだ奴隷で売られる方が良いのか?

 いや、自分の家にこもって好きなことするのが良いに決まっている。

 逃げてやる!
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