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しおりを挟む13、蓮
うわーうわー!要さんに誘ってもらった。
凄く嬉しい!
しかも、僕の誕生日の日。
20歳の。。。
凄いプレゼントもらっちゃった!
今まで生きてきて、1番嬉しい!!
こんな嬉しい事は、この先もう無いかもしれないけど。。。
その日は、店に帰って叔父さんに伝える。
「良かったなぁ、蓮。誘って貰って嬉しいか?」
「うん!嬉しい!要さんと、お出掛けだぁぁ!嬉しいなっ!」
「蓮は、要さんが好きなんだなぁ。」
「えっ?」
「ん?違う?」
「ううん。好き。優しくてカッコ良くて、側に居ると楽しい。」
「そうかそうか。でも、蓮。要さんは、男の人だよ?尊敬とか、憧れとか?」
「うん、それもあるかも知れない。でもね違うんだ。きっと、多分恋愛感情なんだと思うんだ。ねぇ、叔父さん。僕は変かなぁ男の人を好きになるって、おかしい?」
「いや、好きになるのに、男も女も関係ない。が、やっぱり周りからは、良くは思われないかもしれないね。でもね、叔父さんは、蓮が幸せになれるのなら、皆が反対しても、叔父さんだけは、味方でいるよ。応援する!」
「ありがとう。叔父さん。でもね。僕の片想いだから……いいんだ。要さんと一緒にいれるだけで、幸せなんだ。ここら辺がぽかぽかするんだよ。」
僕は、自分の胸に手を当てる。
こんな感情は、知らない。
要さんに会えると、胸がドキドキするし、話をすれば、胸がぽかぽかと、暖かくなるんだ。
どうしてだろう。
きっと叶わない恋なのに……
あんなに素敵な人が、僕なんか好きになる訳がない。
お見合いしてるって聞いたし。
きっと、綺麗な彼女がいるんだと、思う。
でも、僕を誘ってくれたんだ。
嬉しい!その日は、楽しもう。
その思い出だけで、生きていけるように。
それだけで、幸せだ。
そんな、日々を過ごしていると、店も終わり、叔父さんと、ゆっくりしている時に。
店の戸を「ドンドン」と、激しく叩く音が聞こえる。
僕は、ビクッとしながら叔父さんの方を見る。
「蓮、お父さんかも知れない。絶対、ここから動かないで、じっとして、出て来たら駄目だからね。」
僕は、頷くと、叔父さんは店の方へ行く。
僕は、怖くて耳を塞いで、部屋の隅っこに丸まって、じっとしていた。
しばらくすると、静かになりそっと目を開けた。
叔父さんが戻って来た。
「蓮、大丈夫か?」
「うん。お父さんだった?」
「あぁ、蓮を迎えに来たって。追い返した。蓮、お父さんに会いたいか?」
「わからない……お父さんは心配。だけど怖い……」
「蓮、怖いのは当たり前だ。もう、いいんじゃないか?お父さんと縁を切っても。じゃないと、蓮が壊れてしまう。不安の無い生活を過ごす事が今の蓮には大切な事なんだよ。」
僕は、涙が流れる事を止められない。
「叔父さん……僕、疲れたよ。もう、お父さんの暴力に怯えて生きるのは…つらいんだ。でも、お父さんを一人にする事がもっとつらいんだ。」
「蓮、お父さんは自業自得なんだよ。大切に大事に守ってやらないといけない蓮にあんなに酷い事をして許される訳がないんだよ。だから、蓮、お父さんと離れる決断をしなさい。もう、成人になるんだ。蓮からお父さんを切る事が出来る。そして、蓮、幸せになるんだ。」
「うん。僕、ちゃんと考える。」
「ゆっくりでいいから、自分が納得出来る決断をしなさい。」
「はい。」
その日の夜は、なかなか寝付く事が出来なかった。
今は、嫌な事は考えないようにして、要さんとの、お出かけを楽しみにしよう。
デ、デートって言うのかな?
いやいや!違う違う!!
だって、視察だ。って言ってた。
そうだよ。
でも、嬉しい。
誕生日にだよ。
今までで一番嬉しいプレゼントだよ。
どんな所なんだろう?
星がいっぱい見れる所って聞いたけど。
要さんは、僕と一緒がいいって言ってくれたけど、本当かな?
あの話の後、秘書の橘さんが、
「社長が、凄く楽しみにしてるんですよ。蓮君、迷惑じゃないですか?」
って言うから、
「とんでもないです。僕も凄く嬉しいですよ。迷惑だなんて!」
「そうですか。良かったです。是非楽しんで下さいね。その日は、誰もいませんからね、あ、案内の人はいますがね。」
「えっ?そうなんですか?」
「まだ、オープン前なんですよ。だから、気になった所は、是非、教えて下さい。参考にしますから。」
「あ、はい。わかりました。」
そうだよね。
浮かれてばかりじゃダメだよね。
ちゃんと見なきゃね。
うぅぅ……でも、楽しみ!
早く、誕生日の日が来ればいいのになっ!
と、やっぱりワクワクする僕だった。
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