処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ

シロタカズキ

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策略の牙

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「やれ、ダミアン、ジャスパー、グレゴリー」

ダリウスの冷酷な声が、遠くから響く。

ダミアン・グリフィスは、静かに一歩踏み出した。
その瞳には、兵士でも貴族でもない、ただの“策士”としての冷徹な光が宿っていた。

「ふふ、勇者殿。あんたは確かに強い……が、力だけじゃ戦は制せんよ」

ダミアンが小さな合図を送ると、ジャスパー・エングラム率いる伏兵が、周囲の瓦礫や建物の影から一斉に弓を引いた。
すべてが、レオンを中心に重なり合う射線。逃げ場は限られている。

さらに──

「ここで死ね、異端者がァ!!」

怒号とともに、グレゴリー・キングストンが放った異端魔法。
拘束の鎖が、地面から伸び、レオンの脚を絡め取る!

「……ほう」

レオンは眉をひそめた。
一瞬、剣を振り払うが、束縛と四方から迫る矢の雨。
ごくわずかに、動きが鈍る。

それを見逃さなかったダミアンは、即座に第二波の伏兵を繰り出した。
瓦礫の中に仕込んだ爆裂符が爆発し、目くらましと爆風がレオンを包み込む!

「これで、終いだ!」

ジャスパーが叫び、伏兵たちが一斉に突撃をかける。

──だが。

「……なかなか面白い手だ」

爆煙の中から、ひときわ鋭い光が閃いた。

次の瞬間、風のように動いたレオンが、爆炎をものともせず伏兵たちを斬り伏せる。
矢を、鎖を、戦場の罠ごと、ただ一太刀で断ち切っていく。

「知略は悪くない。だが──」

燃え盛る爆煙の中、赤い瞳が不敵に輝いた。

「──力なき策謀など、俺には届かん」

気づけば、ジャスパーの胸には血の花が咲き、グレゴリーは両断され、ダミアンすらも額に一筋の血を流していた。

ダミアンは、思わず後退る。
(……バケモノめ)
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