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とあるインテリヤクザの受難

第1話 とある詐欺師の場合 2※

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    「ふふふふざけんなよてめえ!竜崎さんがんなことするわけねえだろーが!!大概にしろガキ!」

    竜崎を人一倍敬愛する虎居が動揺を隠せず声を荒げる。

    「言ってることが小学生みたいですよ。もう少し理性的になった方がいいと思います。」

    こいつは人を煽る天才かよ何て考えながらも緊縛などされるわけにはいかないので竜崎も説得を始めた。
 
   「こいつの言う通りそんなことできねーから諦めな。ほら早く金出せ、早く帰りてーんだこっちは。」

    「そっかー、でも俺欲しいものは手にいれないと気が済まないんですよね。」

    言い終わるか終わらないかのうちに電光石火のスピードで何かが竜崎の視界に入った。まずいと思った時にはもう身動きが取れなかった。

    ふと自分の体を見ると、

  「なんじゃこりゃぁ!!!」

    亀甲縛り!!あの刹那で空中でしかもこんな複雑な縛りを行ったというのか。自分に巻かれた荒縄の一端は首輪のリードのように、九条の右手が握っていた。

    「捕まえた。」

    九条がその縄を力一杯引っ張ると竜崎の体も一緒にずざざと引きずられる。

    「なんだよてめえこれ!?」

    「俺、詐欺師兼縄師なんです。」

    「縄師だと!?ふざけんな!人間離れしてんじゃねーか!ていうかなんで俺なんだ!?」

    「いや、すごくそそられますよ貴方。ちょっくら頂きますね。」

    「ふざけるな!おいてめーら、こいつ捕まえ、ひっ!」

 言い終わらないうちに九条の手が竜崎の体を撫でまわす。 辺りを見ると子分たちは既に皆九条の緊縛の餌食となっていた。もちろん亀甲縛りではないが。

 「あーあ、貴方のお仲間みんな役にたちませんねえ。まあ、その方が俺としては好都合だけど。」

 「やめろ変態!」

 「変態は誉め言葉ですよ?」
 
 竜崎の制止も聞かず、縄の隙間から指を入れ器用にシャツのボタンを開けていく。あっという間にズボンまでおろして首輪のようになった縄を掴んで、子分たちの方を向かせる。

 「あっ」

 目が合いなんとも言えない気まずさと恥ずかしさで自然と顔が紅潮するのを感じる。

 「ほら、部下の皆さんに見られてますよ。恥ずかしいですか?」
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