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銀座ステレーション
銀座ステレーション(4)
しおりを挟む「見つけましてよ!!」
コルヴェナは、ずばーん、と人さし指を向けた。
(出た……)
デッサは、コックのオブジェから真下の歩道に飛び降り、間髪をいれず、一直線に向かってきた。
リグナが身構え、応戦する。
一方、コルヴェナのほうは、巨大コック帽の縁に体を預けながら、おっかなびっくり足がかりを探していた。
どうやら普通に降りてくるらしい——が、まずオブジェが設置されている屋上に到達できるのかも怪しい。
(じゃあ、なんであんなとこに登ったんだろ?)とモジャコ。
(そもそもどうやってあそこに?)とハル。
謎である……。
リグナとデッサは激しくぶつかり合った。
頭突きを喰らわし、デッサは詰問する。
「貴様、どういうことだ! なぜ寝返った!? クローズした通信チャンネルをいますぐ再オープンしろ!」
「……」
リグナは答えない。
「ふん! 回答したくなければそれでよい!!」
デッサはリグナの脚をつかみ、回転しながら投げ飛ばした。
リグナは通りの反対側のビルに背中から激突する。
そこへ、さらにデッサは突進し、リグナを壁から引き剥がして地面に叩きつけた。
「それとも答えられないのか? 所詮は半世紀も前のモデル、しかもプロトタイプ! なるほど廃棄されたわけだ!!」
デッサは鼻で笑う。
リグナは抵抗さえできない。
「貴様などもはや不要だ! このまま破壊してやる!!」
「——まずいな!」
モジャコは両足を屈伸させた。
「加勢する! ミコは〈追憶のカケラ〉を探せ!」
「え、あ、わかった!」
ハルはスマホの画面上の地図を拡大する。
光点は交差点の南東の角で点滅していた。
急いで浅草通りを渡る。
ふと、信号機の標識がハルの視界に入った。
(菊屋橋……)
目標の点と現在位置が地図の上で完全に重なった。
たぶん——と、巾着から携帯大幣を見つけ、広げれば、白い和紙の部分がほんのり輝き出した。
ハルは大幣を高く掲げた。
すると、足下の地面がまばゆく光って、透明に輝く何かが、回転しながらゆっくりと浮かび上がってくるのだった。
ちょうど視線の高さで上昇をやめる。
それは、立体化した星形ともいえる複雑な形の多面体で、回転を続けながら不思議に光彩を放っていた。
(小星形十二面体……)
ハルはつぶやく。
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