凄腕暗殺者は1回目の人生で殺し合った王子様に「どうして私を殺しにこないんだ？」と詰められています

再会

「おい坊主！お前の親が残した借金、今すぐ返してもらうぞ」


開口一番、おっさんの酷い物言いに首を傾げかけたが、そういえばこの人生では初対面なのか

1度目の時は確かパニックになって話にならなかったんだっけ。それで引き摺られるようにしてアジトにぶち込まれ僕は暗殺者になった。


どうして借金があるのかって？
僕の家はどうしようもなく貧乏だったから。
移民だったから両親は就ける職業も限られていたし住める家も指定されていた。

どうしてこの国に移り住んだのかは聞いたこと無いけれど、やむを得ない事情があったんだろう。そうじゃなきゃ流石に計画性が無さすぎる。


「お金はない。
だから僕を貴方の元で働かせて欲しい」


運動神経も良いんだ、とベッドから起き上がりその場でバク転をしてみせる

うん、身体は10歳だけど16歳の時と同じくらいの器用に動ける！
多分体力は無いだろうからそれが課題かな


「...お前、何か知ってるのか？」


呑気に考えていたら低い声になったおっさんが訝しげに呟いたが、すぐに「まぁ使いものになるから別に良いか」と自己解決していた。

あ、危なかった...
おっさんが“ボス”だって暗に言ってしまったようなものだ。彼が若干脳筋気味で助かった。

これからは前回の人生で知ってる情報で先回りしたりしないように気をつけなくちゃ