上 下
16 / 98

第十五話 幸の過去その一

しおりを挟む
「海原幸さん、僕とお付き合いして下さい!」
 
 幸は高校の帰り、偶然出会った同じクラスの男子にコンビニで、告白される。

「えーと、もしかして罰ゲームか何か?」

「違うよ!僕は海原さんが本当に好きで告白したんだ!」

「・・・・・・」

 その男子の名は、豊田昴とよたすばるという明るく優しい性格で、かなりの正直者で有名だった。

 そして、人が嫌がる仕事を率先してやるような人だった。そんな彼に幸は恋愛感情を抱いていた。

 幸は自分の頬をつねる。

「どうしたの⁉自分の頬なんかをつねって!」

「ごめん。夢かと思って・・・・・・でも、夢じゃなかった」

 幸は満面の笑顔になる。

「えーと、じゃあ・・・・・・」

「うん。よろしくお願いします」

「やったー!」

 昴は両手で、ガッツポーズをとって喜ぶ。

 幸は正直嬉しかった。自分が好きだった相手から、告白され、彼氏彼女の関係になれたのが・・・・・・しかし、世の中はそう上手くはいかなかった。

 数週間後──休日

「幸・・・・・・」

「何?」

「幸に確認したいことがあってね」

「確認したいこと?」

「うん。実はね・・・・・・出てきて」

 昴が声を掛けると物陰から十代くらいの女子が出てくる。

「彼女は永野芽衣。僕らと同い年で、僕はこの娘とも付き合いたい。いいかな?」

「えっ!」

「よろしくお願いたします」



 

しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

踏み出した一歩の行方

BL / 完結 24h.ポイント:49pt お気に入り:65

【完】生まれ変わる瞬間

BL / 完結 24h.ポイント:106pt お気に入り:114

悪役令息の義姉となりました

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:24,766pt お気に入り:1,414

貴方の初恋は死んだのです。

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:14pt お気に入り:9

カウントアップ

恋愛 / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:14

101通目の手紙

恋愛 / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:0

言ってはいけない言葉だったと理解するには遅すぎた。

BL / 完結 24h.ポイント:170pt お気に入り:460

言いたいことは、それだけかしら?

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:55,778pt お気に入り:1,461

離婚活

恋愛 / 完結 24h.ポイント:21pt お気に入り:13

処理中です...