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第十七話 幸の過去その三

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「・・・・・・芽衣は僕の幼馴染で、今までは兄妹のようにしか思ってなかった。

 けど、芽衣に告白されて自分の心に気がつけたっていうのか・・・・・・その芽衣を好きになった。 
 
 でも、だからと言って幸のことも同じくらい好きで──」 

 ・・・・・・あたしがいるのに、なんで告白されただけで好きになってんのさ──  

 幸は、父が家を出た時のことを思い出す。

「・・・・・・別れよう」

「えっ!」

「やっぱり、あたし以外に彼女がいるのは嫌だし、許せない・・・・・・だから、別れよう」

「わかった。ごめん・・・・・・」

「じゃあ、あたし帰るね」

 幸は昴達に背を向け、去って行く。
 
 ちなみに幸はこの時点で母にはまだ話してなかった。

 それは母を驚かせようと思ってのことだった。  

 しかし、昴と別れてからは母に話してなくてよかったと思っている。 

 もし、話していれば、母に別れたことを話さなくてはならないし、別れた理由が理由だけに母の心に塩を塗ってしまうような気がしてならなかった──。


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