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第五十四話 それから三日後
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それから三日後──幸の住むアパート。
幸はスマホを耳に当て、誰かに電話をかけていた。
「あ!もしもし、道夫さん?」
「ああ、幸ちゃん。どうしたの?」
「聞きたいことがあるんですけど、千冬ちゃんは大丈夫ですか?」
「大丈夫ですか?って言うのは?」
「いえ、この間のことで何かトラウマや何かないか心配で・・・・・・」
「あ~それね。大丈夫だよ。千冬は特に何の問題もなく、元気だよ。むしろ周りの友達にそのことを話してるくらいで」
「本当ですか?夜中にうなされて泣いてたりしてないですか?」
「大丈夫だよ。むしろ夢で桃山千遥が出てきたって喜んでたくらいだ」
「そうですか。それはよかった」
「けど、千冬の為にわざわざ電話をかけてきてくれてありがとね」
「いえ、元はといえばあたしのことで巻き込んでしまったので」
「いや、あれは別に幸ちゃんが悪いわけじゃないんだから気にしなくても大丈夫だよ」
「ありがとうございます。でも、千冬ちゃんにはそのことで何かと機転を利かせてもらったので、あたしのできる範囲で何かしてあげたいと思いまして」
「でも、お礼ならあのオムライスで十分だと思うけど・・・・・・」
「いえ、あれは元々作る予定でしたし、それとは別に何かして上げたくて・・・・・・」
「ん~でも、そんな気を使わなくても大丈夫だと思うけど──ん?どうした千冬?」
電話の向こうで千冬が道夫に何か訴えてるようだ。幸は耳を凝らして、よく聴いてみた。
「あたしも幸姉と話したい!代わって!代わって!」
「待ちなさい!──あ!幸ちゃん、ちょっと待ってて!千冬にも幸ちゃんの声が聞こえるようハンズフリーにするから」
「はい、わかりました」
ほんのちょっと待つと、
「幸ちゃん。もう大丈夫だよ」
道夫が電話を通して言う。
「わかりました。ありがとうございます。えーと、千冬ちゃん。あたしの声、聴こえる?」
「うん。聴こえるよ!幸姉は?」
「大丈夫、聴こえるよ。それで話なんだけど、この間はありがとね。それで、そのお礼にあたしのできる範囲で何かしてあげたいだけど、何かある?」
「それならね、幸姉と登兄とで映画を観に行きたい!」
「えっ!映画?しかも登さんと⁉」
「うん!」
幸はスマホを耳に当て、誰かに電話をかけていた。
「あ!もしもし、道夫さん?」
「ああ、幸ちゃん。どうしたの?」
「聞きたいことがあるんですけど、千冬ちゃんは大丈夫ですか?」
「大丈夫ですか?って言うのは?」
「いえ、この間のことで何かトラウマや何かないか心配で・・・・・・」
「あ~それね。大丈夫だよ。千冬は特に何の問題もなく、元気だよ。むしろ周りの友達にそのことを話してるくらいで」
「本当ですか?夜中にうなされて泣いてたりしてないですか?」
「大丈夫だよ。むしろ夢で桃山千遥が出てきたって喜んでたくらいだ」
「そうですか。それはよかった」
「けど、千冬の為にわざわざ電話をかけてきてくれてありがとね」
「いえ、元はといえばあたしのことで巻き込んでしまったので」
「いや、あれは別に幸ちゃんが悪いわけじゃないんだから気にしなくても大丈夫だよ」
「ありがとうございます。でも、千冬ちゃんにはそのことで何かと機転を利かせてもらったので、あたしのできる範囲で何かしてあげたいと思いまして」
「でも、お礼ならあのオムライスで十分だと思うけど・・・・・・」
「いえ、あれは元々作る予定でしたし、それとは別に何かして上げたくて・・・・・・」
「ん~でも、そんな気を使わなくても大丈夫だと思うけど──ん?どうした千冬?」
電話の向こうで千冬が道夫に何か訴えてるようだ。幸は耳を凝らして、よく聴いてみた。
「あたしも幸姉と話したい!代わって!代わって!」
「待ちなさい!──あ!幸ちゃん、ちょっと待ってて!千冬にも幸ちゃんの声が聞こえるようハンズフリーにするから」
「はい、わかりました」
ほんのちょっと待つと、
「幸ちゃん。もう大丈夫だよ」
道夫が電話を通して言う。
「わかりました。ありがとうございます。えーと、千冬ちゃん。あたしの声、聴こえる?」
「うん。聴こえるよ!幸姉は?」
「大丈夫、聴こえるよ。それで話なんだけど、この間はありがとね。それで、そのお礼にあたしのできる範囲で何かしてあげたいだけど、何かある?」
「それならね、幸姉と登兄とで映画を観に行きたい!」
「えっ!映画?しかも登さんと⁉」
「うん!」
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