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第七十八話 幸せからの・・・・・・その四

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「幸にはそう思わせる何かがあるんじゃないかと私は思う」

 もしかして、あたしの感情が顔に出るのと関係あるのかな?・・・・・・。

「ちなみに幸の感情が顔に出やすいのと関係あるのか、ないのかは正直わからない」

 ・・・・・・あたしの心が読めるの⁉

「でも、全員とは言わないが、心当たりがあるんじゃないか?」

 幸は昴と駿河が思い浮かんだ。

「・・・・・・」

「思い当たるようだな。あとはその逆で思ったほど、受け入れてもらえなくて浮気したとか・・・・・・」

 幸は猛が浮気相手と布団の中で激しく身体を揺らして、声を荒げていたことを思い出す。

「くっ!」

 幸が思わず、うつ向く。

「それも思い当たるようだな。しかも相当嫌な思い出として」

「・・・・・・」

「あと例外として、お前の胸に満足できなかったとか・・・・・・」

「うっ!」

 今度は悟を思い出した。幸はさらにうつ向いた。

「それも思い当たるようだな・・・・・・豊胸手術受けるか?金は出してやるぞ!」

 幸が雅彦を睨む。

「冗談だ。そう怖い顔をするな」

 あんたのは冗談に聞こえないんだよ!

「こんだけ前の彼氏に浮気されてると・・・・・・今の彼氏にも浮気されるかもな」

「!」

 幸がテーブルを平手で叩く。

「登さんはそんなことしない!」

「・・・・・・そう思って、今まで散々浮気されてきたんじゃないか?」

「でも、登さんは今までの彼氏とは違う!」

「・・・・・・それはどうだかな」

「・・・・・・」

「さて、そろそろお開きとするか」

 雅彦が伝票を取ろうとすると、

 「!」

 幸が伝票を奪うように取る。

「あんたなんかに奢られたくない!」

「・・・・・・そうかい。後悔しても知らんぞ」

「後悔なんかしない!」

「・・・・・・ふっ」

 雅彦が立ち上がる。

「うっ!」

 雅彦が突然、胸を押さえて苦しみ出した。幸がそれに気づく。

「ちょっと、どうしたの⁉」

 幸が駆け寄る。

「・・・・・・くっくっくっ」

「?」

「はははは」

「⁉」

「すまない。あまりにもあっさり騙されるもんだから思わず・・・・・・」

「はぁ!」

「そう怒るな。こうでもしないとなかなか幸の顔を近くで見れないと思ってな」

「ふざけないで!」

「・・・・・・」
 
 幸が会計をし、二人は店を出ていく。




 



 
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