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第九話 ちょっと面倒なことが起きてな

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 数時間後──宿

 タケシはレベルアップした時の能力や技などの確認後、ベッドで横になっていた。

「そろそろ時間だし、行くか」
 
 タケシは酒場タリーノへと向かった。

 そして、タリーノ前に着き、数分くらいカンタロウを待った。

「おーい」

 カンタロウが手を振りながら、タケシの元に来る。 

「どうも、カンタロウさん」

「まだ、十八時前だよな?」

「はい。まだ五分前です」

 タケシはギルドリングを触り、そこから出た映像で時間を確認した。

「よかった。帰り際になって、ちょっと面倒なことが起きてな」

「面倒なこと?」

「ああ・・・・・・ってそれは店ん中で話してやっから入れ、入れ」

「ああ、はい」

 タケシ達は店の中に入る。

「いらっしゃいませ」

「よう、リルちゃん」

「カンタロウさん、こんにちは」

「今日は連れが一人いるんだが、テーブル席空いてるか?」

「はい。大丈夫です。こちらにどうぞ」

 リルは二人をテーブル席に案内する。

「こちらの席になります」

「ありがとう。リルちゃん」

「いえ、どういたしまして。ご注文がお決まりしましたら、声をかけて下さい。失礼いたします」

「さて、まずは何を飲む?」

 タケシはリルの後ろ姿をじっと見ていた。

「タケシ?」

「・・・・・・ああっ!そうですね・・・・・・すみません」

「おまえ、リルに魅入ってたろ?」

「いえ、可愛い娘だと思って見てただけで、そんな魅入ってたわけじゃあ・・・・・・」
 
「それを魅入ってるっていうんだよ・・・・・・まあそれより、何を飲む?」 

 タケシは慌てて、メニューを見る。

「では、ぶどう酒で」

「いきなりぶどう酒か?なかなか飲める口だな」

「いえ、実家でぶどうを栽培してたので、それで・・・・・・」

「タケシの家は農家なのか?」

「はい。他にもいろいろと栽培してます」

「ほお。じゃあ俺もぶどう酒にするか。つまみはどうする?俺はウィンナーを頼むが」

 カンタロウはメニューをタケシに渡す。

「そうですね・・・・・・じゃあ、この豚のベーコンで」

「わかった。リルちゃん」 

 カンタロウが手を上げ、リルを呼ぶ。

「はい。少々お待ち下さい」


 しばらくして、リルがやってくる。

「お待たせして、申し訳ありません。ご注文をお伺いいたします」

「ぶどう酒を二つと豚のベーコン、ウィンナーを一皿ずつ頼む」

「はい。ぶどう酒を二つと豚のベーコン、ウィンナーを一皿ずつ。以上のご注文でよろしいでしょうか?」

「ああ、問題ない」

「では、失礼いたします」

 リルはその場から、離れる。

「それで、さっき言ってたちょっと面倒なことっていうのは?」

 カンタロウがタケシに顔を近づけ、話しかける。

「ああ、あまり大きな声で言えねえんだが・・・・・・魔物がこの町に侵入したかもしれないという話だ」

「ええっ!」


 




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