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天帝
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織姫に案内されたのは、天帝の私室。
てっきり、だだっ広い謁見の間みたいな場所で跪きながら話を聞いてもらうのかと思っていたけれど、まるで違った。
最高神と呼ばれる高上玉皇大帝ーー天帝は、ゆったりとした白い衣をまとい、リラックスした様子で椅子に腰掛けている。
鼻の下には、某ジャガイモチップスのキャラクターみたいな髭が生え、顎にも平筆みたいな幅の髭が長く伸びている。尻上がりのキリリとした眉は、ピクリとも動かない。小さく切れ長の吊り目は、手にするグラスに向けられていた。一本足の丸テーブルの上には、赤ワインみたいな濃く赤い色の液体が入っているガラス製のボトル。細かな細工が施され、高級感を漂わせている。
織姫と陽菜は、はたして相手にされているのか、いないのか。天帝の反応を見ているだけでは判断が難しい。
陽菜は天帝の様子をチラチラと盗み見ながら、部屋のドア近くに立ったまま、斜め前に立つ織姫の説明を黙って聞いていた。
「というわけで、父上……陽菜ちゃんをツクヨミノミコト様の元へ送ってあげたいのです」
事の経緯を説明し終えた織姫は、口を挟むことなく、話に耳を傾けていた天帝の返事を待っている。
沈黙が、長い。
陽菜は、場の空気に耐えられなくなりそうだ。自分の息を吸ったり吐いたりする音が、やけに大きく聞こえる。
織姫にとっては慣れた光景なのだろうか、少しも動揺しているようには見えない。
二人の視線が注がれる中、天帝は足を組み換え、なるほどな……と呟いた。
「ことの経緯は理解した」
天帝の視線が、陽菜に向けられる。鋭く威厳のある眼差しに、陽菜は臆してしまう。
校長先生に一人で対峙するなんて比ではない。一人で内閣総理大臣や、天皇陛下にでも対面しているような心境だ。
最高神なのだから、当然だろう。
それに比べると、ツクヨミは本当に穏やかな神様だった。
セツやみんなに、とてもフランクに接していたし、傍から見ていて本当の家族のようだった。
あの包容力にも、惹かれたのだと思う。いいな、ステキだな、と思ってしまった。そんな憧れや、ツクヨミと一緒に居られるセツ達への羨ましさが、好きという感情に結びついてしまったのだと思う。
あの日、一緒にススキ摘みに行った祖母を悲しませたくなくてアッチの世界に戻ったけれど、もし一人だけで行ってしまっていたのなら……帰るという選択をしなかったかもしれない。
「陽菜と言ったか」
「は、はひ!」
天帝に名を呼ばれ、緊張から声が裏返る。恥ずかしくて耳が熱くなったけれど、天帝は少しも気にした様子も無く言葉を続けた。
「理解したぞ。そなたの心もな」
全て、心の奥底まで、天帝に見透かされているということだろうか。
気まずくて、陽菜は視線を床に向けた。
ピカピカに磨かれ、不安に押し潰されそうな自分の姿が映っている。テレビ番組で見たことがあるような、芸能人の豪邸に敷かれている大理石の床みたいだ。
「理解した上で、答えを述べよう」
天帝はグラスをテーブルに置き、巨躯を織姫と陽菜のほうに向ける。
「否だ」
「父上! なぜですッ?」
間髪入れずに、織姫は食い下がった。陽菜への想いが、同情が、行動の原動力に繋がっているのだろう。父親である天帝に、まったく臆していない。
天帝の鋭い眼差しが、織姫に向けられる。
「では、逆に問おう。なぜ我が、小娘の願いを叶えてやらねばならぬ?」
天帝の言葉に、陽菜は足元がぐらついた。
(そうだ……そうだよね)
陽菜は、なにも特別ではない。小学校に入学して半年ばかりが経過した、ただの小娘。偶然迷い込んでしまった、普通の人間なのだ。
(なにを勘違いしていたんだろう……。自分は、特別だって)
何度かアッチの世界とコッチの世界を行き来したせいで、自分は特別なんだと誤った認識をしてしまっていた。
(ヤダ……どうしよう。恥ずかしい……っ!)
陽菜は、この場に居ちゃいけない。織姫の提案に乗るべきではなかった。
ツクヨミに、もう一度だけ会いたいと……思ってはいけなかったのだ。
青褪める陽菜に気づかず、織姫は「なぜって……」と、言葉を探していた。
「なんとも……そう、なんとも健気ではありませぬか?」
「健気だと?」
天帝の眉がひそめられ、眉間にシワが刻まれる。
織姫の言葉に、より熱がこもった。
「もう一度だけ会いたいという、とても一途な切なる想いに、少しくらい手を貸してあげてもよいではありませぬか」
「ならん」
「なぜ!」
一歩も譲らない織姫に、天帝は落ち着いた声音で告げる。
「我が、天帝だからだ」
威圧ではなく、威厳という見えない圧が重くのしかかるかのようだ。織姫の、息を飲む音が聞こえた。そして陽菜も息を飲む。
もう、この場所から逃げ出したくて、両方の膝がカタカタと震えている。少しでも気を抜けば、この場にへたりこんでしまいそうだ。
天帝は立ち上がり、ゆったりとした足取りで織姫の前に歩み出る。
「天帝である我が見ているのは、全体であり、個ではない。我を信じ、崇拝する民のために力を発揮する。だが、その娘は?」
陽菜は、違う。信者でも、なんでもない。ただの行き当たりばったりで、今ココに居る。
「我の存在も知らず、ただ自分の願いを叶えたいだけの娘に、してやれることなどなにも無い」
「ですが……これもなにかの縁とは、お思いになりませぬか?」
「思わぬな」
天帝は、訴えかける織姫の言葉に、微塵も揺らがない。
「ただの娘に慈悲をかけた。さすがは天帝であると評判になり、より評価が上がるのではないでしょうか」
「たかが子供一人の想いを遂げるために、あの天帝が易々と動いたと、反対に威厳が損なわれるわ」
天帝と織姫の言い合いを聞いていたくないからか、耳の付け根がムズムズとしてきた。
「父上、どちらのほうが好印象とお思いですの!」
「印象など知ったことか。ダメなものはダメだ」
「もぅ! 分からず屋の頑固者!」
ズズズ……と、耳元でなにかが動く。気持ち悪くて、ぅわっ、と思わず声が漏れた。
陽菜の声に反応し、織姫が振り返る。
「陽菜ちゃん……っ!」
織姫の目が、大きく見開かれた。慌てて駆け寄り、陽菜の顔に触れ、確認するように手を滑らせる。
「耳が……」
「耳?」
天帝も、険しい表情を浮かべ、陽菜の元へやって来た。
「そなた、ウサギの精か?」
「え?」
鏡代わりに床を見れば、頭にウサギの耳が生えている。
「あ! なんで?」
慌てて触ってみるも、間違いなく陽菜の耳だ。柔らかな毛の感触も、耳を触っている指先の感触も、どちらもある。
どうしてまた生えてきたのか、まったくもって分からない。
「前に……一度だけ、生えたことが……。でも、ツクヨミ様が影響を受けただけだって、すぐに治してくれたの」
頭上から、大きな嘆息が聞こえる。
天帝が額を押さえながら、やれやれと頭を振った。
「まったく、罪作りな男だ……」
天帝は陽菜を見下ろし、ウサギの耳を指差す。
「いいか。お前がツクヨミを想えば想うほどに、どんどん人間ではなくなっていく」
「人間じゃ、なくなる?」
問い返せば、天帝は「そうだ」と、幾分柔らかな雰囲気で陽菜に告げた。
「ここいらが潮時だ。こうなってしまっては、仮に日の本の国へ手続きをするにしても、時が経ちすぎる。願いを叶えてやれず、すまんな」
織姫に向けていた厳しい顔ではなく、慈愛の表情を浮かべている。
「父上!」
追いすがる織姫に、天帝は「いい加減にせぬか!」と、語気を強めた。
「織姫、陽菜をツクヨミに会わせたいというのは、お前の自己満足を満たすためか? 親切の押し売りだ。ワガママが過ぎる! 陽菜が家族の元へ帰れなくなってもよいというのか? ツクヨミに会うことが最優先か? それが優しさであると言い張るのなら、なんたる傲慢!」
「そんな……私くしは、ただ……よかれと思って」
織姫はシュンとして、今までの勢いが無くなる。
陽菜は「分かってるよ」と声をかけたかったけれど、天帝の放つ雰囲気から、それははばかられた。
織姫は、ただ、陽菜の気持ちを尊重してくれているだけなのだ。
織姫に、ツクヨミに会えるか尋ねなければよかった。陽菜の話さえ聞かなければ、織姫は天帝に頼んでみようとも提案せず、今みたいに怒られることは無かったのに。
織姫が傲慢だというのなら、陽菜も十分傲慢だ。
「アッチの世界も、時は然程進んでおらぬだろう」
陽菜の頭に置かれた天帝の手の平から、温もりが伝わってくる。天帝は眉尻を少しだけ下げ、わずかに口を開いた。
「さらばだ」
「あ、あの……っ」
言うが早いか、陽菜の視界は真っ白になる。
織姫に感謝を告げる間もなく、謝罪することもできなかった。
伸ばした手が、空を掴む。
眩しさに閉じてしまった目を開けば、夜の空いっぱいに天の川が輝いていた。
てっきり、だだっ広い謁見の間みたいな場所で跪きながら話を聞いてもらうのかと思っていたけれど、まるで違った。
最高神と呼ばれる高上玉皇大帝ーー天帝は、ゆったりとした白い衣をまとい、リラックスした様子で椅子に腰掛けている。
鼻の下には、某ジャガイモチップスのキャラクターみたいな髭が生え、顎にも平筆みたいな幅の髭が長く伸びている。尻上がりのキリリとした眉は、ピクリとも動かない。小さく切れ長の吊り目は、手にするグラスに向けられていた。一本足の丸テーブルの上には、赤ワインみたいな濃く赤い色の液体が入っているガラス製のボトル。細かな細工が施され、高級感を漂わせている。
織姫と陽菜は、はたして相手にされているのか、いないのか。天帝の反応を見ているだけでは判断が難しい。
陽菜は天帝の様子をチラチラと盗み見ながら、部屋のドア近くに立ったまま、斜め前に立つ織姫の説明を黙って聞いていた。
「というわけで、父上……陽菜ちゃんをツクヨミノミコト様の元へ送ってあげたいのです」
事の経緯を説明し終えた織姫は、口を挟むことなく、話に耳を傾けていた天帝の返事を待っている。
沈黙が、長い。
陽菜は、場の空気に耐えられなくなりそうだ。自分の息を吸ったり吐いたりする音が、やけに大きく聞こえる。
織姫にとっては慣れた光景なのだろうか、少しも動揺しているようには見えない。
二人の視線が注がれる中、天帝は足を組み換え、なるほどな……と呟いた。
「ことの経緯は理解した」
天帝の視線が、陽菜に向けられる。鋭く威厳のある眼差しに、陽菜は臆してしまう。
校長先生に一人で対峙するなんて比ではない。一人で内閣総理大臣や、天皇陛下にでも対面しているような心境だ。
最高神なのだから、当然だろう。
それに比べると、ツクヨミは本当に穏やかな神様だった。
セツやみんなに、とてもフランクに接していたし、傍から見ていて本当の家族のようだった。
あの包容力にも、惹かれたのだと思う。いいな、ステキだな、と思ってしまった。そんな憧れや、ツクヨミと一緒に居られるセツ達への羨ましさが、好きという感情に結びついてしまったのだと思う。
あの日、一緒にススキ摘みに行った祖母を悲しませたくなくてアッチの世界に戻ったけれど、もし一人だけで行ってしまっていたのなら……帰るという選択をしなかったかもしれない。
「陽菜と言ったか」
「は、はひ!」
天帝に名を呼ばれ、緊張から声が裏返る。恥ずかしくて耳が熱くなったけれど、天帝は少しも気にした様子も無く言葉を続けた。
「理解したぞ。そなたの心もな」
全て、心の奥底まで、天帝に見透かされているということだろうか。
気まずくて、陽菜は視線を床に向けた。
ピカピカに磨かれ、不安に押し潰されそうな自分の姿が映っている。テレビ番組で見たことがあるような、芸能人の豪邸に敷かれている大理石の床みたいだ。
「理解した上で、答えを述べよう」
天帝はグラスをテーブルに置き、巨躯を織姫と陽菜のほうに向ける。
「否だ」
「父上! なぜですッ?」
間髪入れずに、織姫は食い下がった。陽菜への想いが、同情が、行動の原動力に繋がっているのだろう。父親である天帝に、まったく臆していない。
天帝の鋭い眼差しが、織姫に向けられる。
「では、逆に問おう。なぜ我が、小娘の願いを叶えてやらねばならぬ?」
天帝の言葉に、陽菜は足元がぐらついた。
(そうだ……そうだよね)
陽菜は、なにも特別ではない。小学校に入学して半年ばかりが経過した、ただの小娘。偶然迷い込んでしまった、普通の人間なのだ。
(なにを勘違いしていたんだろう……。自分は、特別だって)
何度かアッチの世界とコッチの世界を行き来したせいで、自分は特別なんだと誤った認識をしてしまっていた。
(ヤダ……どうしよう。恥ずかしい……っ!)
陽菜は、この場に居ちゃいけない。織姫の提案に乗るべきではなかった。
ツクヨミに、もう一度だけ会いたいと……思ってはいけなかったのだ。
青褪める陽菜に気づかず、織姫は「なぜって……」と、言葉を探していた。
「なんとも……そう、なんとも健気ではありませぬか?」
「健気だと?」
天帝の眉がひそめられ、眉間にシワが刻まれる。
織姫の言葉に、より熱がこもった。
「もう一度だけ会いたいという、とても一途な切なる想いに、少しくらい手を貸してあげてもよいではありませぬか」
「ならん」
「なぜ!」
一歩も譲らない織姫に、天帝は落ち着いた声音で告げる。
「我が、天帝だからだ」
威圧ではなく、威厳という見えない圧が重くのしかかるかのようだ。織姫の、息を飲む音が聞こえた。そして陽菜も息を飲む。
もう、この場所から逃げ出したくて、両方の膝がカタカタと震えている。少しでも気を抜けば、この場にへたりこんでしまいそうだ。
天帝は立ち上がり、ゆったりとした足取りで織姫の前に歩み出る。
「天帝である我が見ているのは、全体であり、個ではない。我を信じ、崇拝する民のために力を発揮する。だが、その娘は?」
陽菜は、違う。信者でも、なんでもない。ただの行き当たりばったりで、今ココに居る。
「我の存在も知らず、ただ自分の願いを叶えたいだけの娘に、してやれることなどなにも無い」
「ですが……これもなにかの縁とは、お思いになりませぬか?」
「思わぬな」
天帝は、訴えかける織姫の言葉に、微塵も揺らがない。
「ただの娘に慈悲をかけた。さすがは天帝であると評判になり、より評価が上がるのではないでしょうか」
「たかが子供一人の想いを遂げるために、あの天帝が易々と動いたと、反対に威厳が損なわれるわ」
天帝と織姫の言い合いを聞いていたくないからか、耳の付け根がムズムズとしてきた。
「父上、どちらのほうが好印象とお思いですの!」
「印象など知ったことか。ダメなものはダメだ」
「もぅ! 分からず屋の頑固者!」
ズズズ……と、耳元でなにかが動く。気持ち悪くて、ぅわっ、と思わず声が漏れた。
陽菜の声に反応し、織姫が振り返る。
「陽菜ちゃん……っ!」
織姫の目が、大きく見開かれた。慌てて駆け寄り、陽菜の顔に触れ、確認するように手を滑らせる。
「耳が……」
「耳?」
天帝も、険しい表情を浮かべ、陽菜の元へやって来た。
「そなた、ウサギの精か?」
「え?」
鏡代わりに床を見れば、頭にウサギの耳が生えている。
「あ! なんで?」
慌てて触ってみるも、間違いなく陽菜の耳だ。柔らかな毛の感触も、耳を触っている指先の感触も、どちらもある。
どうしてまた生えてきたのか、まったくもって分からない。
「前に……一度だけ、生えたことが……。でも、ツクヨミ様が影響を受けただけだって、すぐに治してくれたの」
頭上から、大きな嘆息が聞こえる。
天帝が額を押さえながら、やれやれと頭を振った。
「まったく、罪作りな男だ……」
天帝は陽菜を見下ろし、ウサギの耳を指差す。
「いいか。お前がツクヨミを想えば想うほどに、どんどん人間ではなくなっていく」
「人間じゃ、なくなる?」
問い返せば、天帝は「そうだ」と、幾分柔らかな雰囲気で陽菜に告げた。
「ここいらが潮時だ。こうなってしまっては、仮に日の本の国へ手続きをするにしても、時が経ちすぎる。願いを叶えてやれず、すまんな」
織姫に向けていた厳しい顔ではなく、慈愛の表情を浮かべている。
「父上!」
追いすがる織姫に、天帝は「いい加減にせぬか!」と、語気を強めた。
「織姫、陽菜をツクヨミに会わせたいというのは、お前の自己満足を満たすためか? 親切の押し売りだ。ワガママが過ぎる! 陽菜が家族の元へ帰れなくなってもよいというのか? ツクヨミに会うことが最優先か? それが優しさであると言い張るのなら、なんたる傲慢!」
「そんな……私くしは、ただ……よかれと思って」
織姫はシュンとして、今までの勢いが無くなる。
陽菜は「分かってるよ」と声をかけたかったけれど、天帝の放つ雰囲気から、それははばかられた。
織姫は、ただ、陽菜の気持ちを尊重してくれているだけなのだ。
織姫に、ツクヨミに会えるか尋ねなければよかった。陽菜の話さえ聞かなければ、織姫は天帝に頼んでみようとも提案せず、今みたいに怒られることは無かったのに。
織姫が傲慢だというのなら、陽菜も十分傲慢だ。
「アッチの世界も、時は然程進んでおらぬだろう」
陽菜の頭に置かれた天帝の手の平から、温もりが伝わってくる。天帝は眉尻を少しだけ下げ、わずかに口を開いた。
「さらばだ」
「あ、あの……っ」
言うが早いか、陽菜の視界は真っ白になる。
織姫に感謝を告げる間もなく、謝罪することもできなかった。
伸ばした手が、空を掴む。
眩しさに閉じてしまった目を開けば、夜の空いっぱいに天の川が輝いていた。
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