子爵令嬢マーゴットの学園無双。相棒ミノカサゴの助言、知恵、剣と魔法、権力、資金力を使って、側近兼友人のキャスリーヌと、快適な学生生活を。

第4章 学生色々。学校でのトラブルって、避けられるものと、避けられないものがあるんだよね。

69.同年代が、残念なら、どうする？

マーゴットは、バネッサとキャスリーヌと話し合いをして、方針をまとめた。

バネッサでは、ナユカ・ジョンストンが友人関係で誤魔化してくる可能性があるため、マーゴットがコーハ王国の代表になることにした。

マーゴットは、この2ヶ月足らずの学園生活を振り返ってみる。

入学前に、卒業生の思惑をぶつけられたので、12歳の感性で、バネッサを仲間に引き入れ、数の力で、卒業生であるバネッサの兄を弾き飛ばした。

入寮する段になって、寮費の横領が分かり、入寮を見合わせ、コーハ王国の外交部に担当者を派遣して調べてもらったら、寮費の横領だけでなく、第1王子派の貴族令嬢に寮の部屋を横取りされていたと判明。
寮の部屋を取り返すのに、退去しないとゴネるご令嬢がいたため、強制執行に踏み切ったが、それでも、1ヶ月かかった。
強制執行に踏み切らなければ、2ヶ月経っても、部屋を明け渡していなかったと思う。
強制執行をかけたとき、部屋にいた令嬢も侍女も退去の準備をしていなかった。

寮の部屋の件でも、際立っていたが、学生の質の悪さが目につく。

平民は、実力主義を勘違いして、貴族とトラブルになると、人は皆平等と主張して、騒ぐ。

ニンデリー王立学園の実力主義は、身分が低いが才能に溢れた者を引き立てる目的で唱えられているのである。

騒いでいる平民は、貴族の影響がある土地では、就職出来まい。

もしかして、ニンデリー王立学園の質を低下させるために、どこぞから送り込まれた工作員だったりするのだろうか。

工作員なら、やり手だ。
視界に入ると鬱陶しいが、学園内の分断には一役かっている。

授業に取り組む姿勢は、どの学生も問題がない。
マーゴットの出席している授業は、全員が真面目に取り組んでいる。

授業以外が、おかしい。

外国から貴族の入学を受け入れておきながら、外国の貴族学生を下に見て、何がしたい？
ニンデリー王国も、ニンデリー王立学園も。

ニンデリー王立学園にいる学生は、頭の足りない貴族が多すぎる。
ニンデリー王国の次世代は、絶望世代と呼んでいいとマーゴットは思う。

世代交代する前に、ニンデリー王国で見るべきものは、見ておかなくては。

ニンデリー王立学園に入学して2ヶ月足らず。

マーゴットは、ニンデリー王国の次世代には全く期待できない、という結論に至った。