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第4章 学生色々。学校でのトラブルって、避けられるものと、避けられないものがあるんだよね。
87.子どもの出来がよく、子どもに期待する親の中には、期待を肥大化させて、己の野望を育てる親もいる。そんな親子に近づいてきた者の目的は?
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「叔父は、最初、ハーメリーを裕福な平民と結婚させるつもりでいたみたいなの。」
ナユカが、ポツリポツリ言葉を漏らす。
「そうしなかったのは、叔父が思っていた以上にハーメリーの出来が良かったから。叔父は、ハーメリーに平民の婿というのが、惜しくなったの。」
とナユカ。
「叔父の元には、ハーメリーの縁談が幾つも持ち込まれていた。でも、全部、婿が平民だったって。
叔父は渋った。
あるとき、ハーメリーの優秀さを聞きつけた人に、ハーメリーを王子妃にしないか?と勧められたそう。
その気になった叔父は、ハーメリーの母とは1度離縁してから、伯爵家に来て、私の母と結婚したの。
ジョンストン伯爵になった叔父は、母が療養のために家を出てすぐ、ハーメリーの母を第2夫人として届けて、ハーメリーをジョンストン伯爵家の養女にした。」
伯爵家の家督狙いかと思いきや、一気に政治的な思惑がある黒幕がいる展開になった。
「伯爵夫人が本当に療養中か、療養先にいるか、貴女は確認した?伯爵夫人から連絡がきたことは、ある?貴女から、伯爵夫人に連絡はとれる?」
マーゴットは、ナユカに確認することにした。
「いえ。お母様は、叔父との結婚せいで、人に会うのを拒まれるようになられたから。私は、父の特徴を受け継いでいて、父と叔父は似ているから、私を見るとお母様は、状態が悪化されてしまうの。
お見送りのときも、遠目にでしか。」
とナユカ。
マーゴットは、情報を整理しながら紐づけて、組み立てる。
伯爵夫人が、無理やり結婚させられたというが、伯爵家から出て、平民になっていたナユカの叔父1人で出来ることではない。
伯爵夫人の側にいた人物の手引きがないと。
伯爵夫人が療養のため、屋敷から出ていき、嫡女のナユカは学園寮から出てこない。
伯爵邸にいるのは、ナユカの叔父と叔母。
ジョンストン伯爵家は、主人が入れ替わったも同然。
混乱しないのか?
たまたま?
それとも、狙い通り?
ナユカの叔父が、現ジョンストン伯爵だというのなら、現役のジョンストン伯爵である叔父が、伯爵として家の仕事をすれば、姪のナユカが、学業と家業にアップアップしなくて済むのではないか?
なぜ、しない?
もしくは、既にしている?
12歳のナユカに負担がかかり過ぎている現状。
ナユカの周囲は、誰もおかしいと思わないのか?
ナユカの母の伯爵夫人が、不調になるほどの仕事を12歳の娘が一手に引き受けるなど、破綻する未来しか見えない。
ナユカの話では、ナユカの母の伯爵夫人は、不調になるほど仕事をしていた。
そもそも、伯爵の代行をしている伯爵夫人が不調で倒れたら、伯爵家が回らなくなるのに、替えのきかないはずの伯爵夫人をそこまで酷使したのは、なぜ?
マーゴットは、はっとした。
気づいたのだ。
伯爵夫人は、伯爵の代行。
替えがきく。
伯爵夫人には、嫡女である娘のナユカがいる。
ナユカは今年12歳。
社交経験がなく、ナユカの世界は、家の中だけで完結していた。
ナユカは、大人の言いなりにするには丁度よい年齢と性格だ。
大人の庇護を求める年齢。
与えられた仕事に文句を言わずに取り組む従順さ。
併せて。
仕事を滞らせないだけの能力もそこそこある、とみた。
時系列で整理する。
夫である伯爵が亡くなり、伯爵代行になった伯爵夫人。
過労で不調気味の伯爵夫人と無理やり結婚して、伯爵になったのは、伯爵夫人の夫である亡き伯爵の弟。
伯爵夫人が、結婚を強行されて体調を本格的に崩し、療養のために伯爵家の屋敷を出た。
入れ違いに、夫の弟は、結婚して、我が子をもうけている平民の妻を第2夫人に、妻との子どもを伯爵家の養女とした。
伯爵家の養女を第2王子妃にと勧めた者がいて、実父の伯爵は乗り気。
策略と陰謀の匂いがする。
ナユカが、ポツリポツリ言葉を漏らす。
「そうしなかったのは、叔父が思っていた以上にハーメリーの出来が良かったから。叔父は、ハーメリーに平民の婿というのが、惜しくなったの。」
とナユカ。
「叔父の元には、ハーメリーの縁談が幾つも持ち込まれていた。でも、全部、婿が平民だったって。
叔父は渋った。
あるとき、ハーメリーの優秀さを聞きつけた人に、ハーメリーを王子妃にしないか?と勧められたそう。
その気になった叔父は、ハーメリーの母とは1度離縁してから、伯爵家に来て、私の母と結婚したの。
ジョンストン伯爵になった叔父は、母が療養のために家を出てすぐ、ハーメリーの母を第2夫人として届けて、ハーメリーをジョンストン伯爵家の養女にした。」
伯爵家の家督狙いかと思いきや、一気に政治的な思惑がある黒幕がいる展開になった。
「伯爵夫人が本当に療養中か、療養先にいるか、貴女は確認した?伯爵夫人から連絡がきたことは、ある?貴女から、伯爵夫人に連絡はとれる?」
マーゴットは、ナユカに確認することにした。
「いえ。お母様は、叔父との結婚せいで、人に会うのを拒まれるようになられたから。私は、父の特徴を受け継いでいて、父と叔父は似ているから、私を見るとお母様は、状態が悪化されてしまうの。
お見送りのときも、遠目にでしか。」
とナユカ。
マーゴットは、情報を整理しながら紐づけて、組み立てる。
伯爵夫人が、無理やり結婚させられたというが、伯爵家から出て、平民になっていたナユカの叔父1人で出来ることではない。
伯爵夫人の側にいた人物の手引きがないと。
伯爵夫人が療養のため、屋敷から出ていき、嫡女のナユカは学園寮から出てこない。
伯爵邸にいるのは、ナユカの叔父と叔母。
ジョンストン伯爵家は、主人が入れ替わったも同然。
混乱しないのか?
たまたま?
それとも、狙い通り?
ナユカの叔父が、現ジョンストン伯爵だというのなら、現役のジョンストン伯爵である叔父が、伯爵として家の仕事をすれば、姪のナユカが、学業と家業にアップアップしなくて済むのではないか?
なぜ、しない?
もしくは、既にしている?
12歳のナユカに負担がかかり過ぎている現状。
ナユカの周囲は、誰もおかしいと思わないのか?
ナユカの母の伯爵夫人が、不調になるほどの仕事を12歳の娘が一手に引き受けるなど、破綻する未来しか見えない。
ナユカの話では、ナユカの母の伯爵夫人は、不調になるほど仕事をしていた。
そもそも、伯爵の代行をしている伯爵夫人が不調で倒れたら、伯爵家が回らなくなるのに、替えのきかないはずの伯爵夫人をそこまで酷使したのは、なぜ?
マーゴットは、はっとした。
気づいたのだ。
伯爵夫人は、伯爵の代行。
替えがきく。
伯爵夫人には、嫡女である娘のナユカがいる。
ナユカは今年12歳。
社交経験がなく、ナユカの世界は、家の中だけで完結していた。
ナユカは、大人の言いなりにするには丁度よい年齢と性格だ。
大人の庇護を求める年齢。
与えられた仕事に文句を言わずに取り組む従順さ。
併せて。
仕事を滞らせないだけの能力もそこそこある、とみた。
時系列で整理する。
夫である伯爵が亡くなり、伯爵代行になった伯爵夫人。
過労で不調気味の伯爵夫人と無理やり結婚して、伯爵になったのは、伯爵夫人の夫である亡き伯爵の弟。
伯爵夫人が、結婚を強行されて体調を本格的に崩し、療養のために伯爵家の屋敷を出た。
入れ違いに、夫の弟は、結婚して、我が子をもうけている平民の妻を第2夫人に、妻との子どもを伯爵家の養女とした。
伯爵家の養女を第2王子妃にと勧めた者がいて、実父の伯爵は乗り気。
策略と陰謀の匂いがする。
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