子爵令嬢マーゴットの学園無双。相棒ミノカサゴの助言、知恵、剣と魔法、権力、資金力を使って、側近兼友人のキャスリーヌと、快適な学生生活を。

第5章 丸付けは、全部終わってからだよ？後手に回ったからって、それが何？

149.『使用人を帯同しない男子寮で起きている怪異を解明してほしい。』『男子寮に女子が入るの？』『そこをなんとか。』

「貴族の男子寮？踏み込んでいいの？女子が。」
とキャスリーヌ。
複数の男子学生が、使用人なしで住んでいる建物に、未婚のお嬢様達が、入っていくのは、醜聞にしかならない。

「そもそも、解明しようがない場合もある。怪異と呼ばれるものには。」
とマーゴット。
「クロッグ・カーブ。話しなさい。」

「はい。あ、はい。話します。」
クロッグ・カーブは、マーゴットの圧を受けて、話し始めた。

「使用人を帯同しない貴族の男子寮には怪異の噂がでていたんですが、今までは、噂だけだったんです。怪異に遭うと、連れ去られる、という。最近、怪異について調べていた男子学生が、いなくなりました。」
とクロッグ・カーブ。

「男子学生の名前、国籍、年齢、クラス、他に判明している情報は？」
とマーゴット。

「スラッルス・トークン。ニンデリー王国ではない外国の貴族です。国名は、わかりません。新入生で、年齢は、12歳。新入生の貴族クラス。どっちのクラスだったか、忘れました。顔が広くて、貴族クラスの両方のクラスで、男女共に、交流している姿を見られています。」
とクロッグ・カーブ。

「クロッグ・カーブは、平民で、貴族の男子寮に行く機会がない。解明したい理由は？」
とマーゴット。

「謎は解明したいものです。」
とクロッグ・カーブ。

「謎の解明が、報酬の動機ね。」
とマーゴット。

「報酬を用意するわ。では、ニンデリー王国の内情を内側から話しなさい。」
マーゴットの言葉に、報酬を約束されたと喜んだクロッグ・カーブ。

マーゴットは、冷めた目で喜ぶクロッグ・カーブを見つめていた。