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第6章 可動式魔法遺跡、クークード遺跡の見学ツアーに参加しよう。
204.転生貴族令嬢レベッカ・ショア。前世の意識からの警告が止まない。『誘いにのるのは、絶対ダメ!』『魔法があれば、大丈夫じゃない?』
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レベッカ・ショアの前世の意識が警告している。
『どんな呼びかけにも答えちゃダメ。』
『こんなに落ち着いて統率がとれている集団で、女の子を狙う大人の男が、初犯なわけない。』
『犯罪を悪いとも思っていないし、女の子に対してなんとも思わない類のやつだから!』
『優しさは、言葉だけ。信じちゃダメ。』
『ついていったら絶対にダメ。』
『段取り良すぎる。
あっちからも、こっちからも、大人の男が集まってくるなんて。
このあたり、私達と、男達しかいない。
最初から、計画していたんだよ、きっと。
女の子が来たら、捕まえるつもりで!』
レベッカ・ショアは、前世の意識に了承を伝える。
前世の意識は、最後の方、悲痛な叫びになっていた。
前世の意識が、パニックになりそうなくらいに饒舌なお陰で、レベッカ・ショア自身は冷静になれた。
バネッサが緊張して、警戒しているのは、レベッカ・ショアよりも前に、大人の男が潜んでいることに気づいたからだ、とレベッカ・ショアは思った。
12歳のバネッサみたいな美少女に近寄ってくる大人の男。
1人じゃなく、集団。
しかも、前世の意識によると、初犯じゃなさそう。
つまり。
今までにも、毒牙にかけてきた女の子がいるってこと?
レベッカ・ショアは、ムカムカしてきた。
バネッサ1人が標的で、レベッカ・ショア自身が標的ではない、と考える程、レベッカ・ショアは目出度い頭をしていない。
レベッカ・ショア自身が、標的になっていることは、十分理解している。
男達の視線は、バネッサの方が多く集まっているが、レベッカ・ショアにも注がれていると感じる。
『計画的で、男の数が多いよ。捕まえて、どこかへ連れていくつもりじゃ?』
前世の意識に、顔があれば、青ざめているだろう。
『連れていく?誘拐ってこと?』
レベッカ・ショアは、前世の意識の言葉に閃いた。
集団の男達の目的が、この場でどうこう、ではなく女の子をこの場から連れ去ることなら。
『人質、身代金、人身売買。男達の狙った理由が、貴族のご令嬢にあったら、誘拐目的の可能性がある。』
と話す前世の意識。
だから、美少女のバネッサだけではなく、レベッカ・ショアも注目を浴びているのか、とレベッカ・ショアは思った。
レベッカ・ショアの胸中には、
怖い気持ちと同じくらい、負けたくない気持ちが生まれている。
女の子を集団で、どうこうしようとするなんて、そんなこと、二度と考えないくらいに、男達の根性を入れ替えてやりたい。
前世と違い、この世界には魔法がある。
レベッカ・ショアは、魔法を使えるようになった。
魔法を使えば、どうにかできるんじゃない?
とレベッカ・ショアは考えた。
レベッカ・ショアは、このとき、もっと深く考えてみるべきだった。
魔力さえあれば、魔法が使える世界。
この世界には、魔力の存在を知って、魔法を練習し始めてから、半年に満たないレベッカ・ショアだけが、魔法を使えるのではない。
クークード遺跡は、魔法が使えないと入ることができない魔法遺跡。
クークード遺跡に入って動けている複数の成人男性。
彼らの熟練度は、人それぞれかもしれない。
それでも。
魔法を使い始めて半年未満のレベッカ・ショアよりは、魔法を使いこなせる可能性をレベッカ・ショアは失念していた。
レベッカ・ショアは、周りにいる成人男性と、魔法を使って戦って勝てるかどうか、戦いに勝つにはどうしたらよいか、を慎重に検討し、後先を考えてから、行動に移すべきだった。
最低限、レベッカ・ショアの隣で、警戒体勢だったバネッサに、相談してから動かなくてはならなかった。
このとき、先手必勝とばかりに。
レベッカ・ショアは、誰も待たなかった。
レベッカ・ショアは、魔力を練り上げ、魔法を繰り出した。
『どんな呼びかけにも答えちゃダメ。』
『こんなに落ち着いて統率がとれている集団で、女の子を狙う大人の男が、初犯なわけない。』
『犯罪を悪いとも思っていないし、女の子に対してなんとも思わない類のやつだから!』
『優しさは、言葉だけ。信じちゃダメ。』
『ついていったら絶対にダメ。』
『段取り良すぎる。
あっちからも、こっちからも、大人の男が集まってくるなんて。
このあたり、私達と、男達しかいない。
最初から、計画していたんだよ、きっと。
女の子が来たら、捕まえるつもりで!』
レベッカ・ショアは、前世の意識に了承を伝える。
前世の意識は、最後の方、悲痛な叫びになっていた。
前世の意識が、パニックになりそうなくらいに饒舌なお陰で、レベッカ・ショア自身は冷静になれた。
バネッサが緊張して、警戒しているのは、レベッカ・ショアよりも前に、大人の男が潜んでいることに気づいたからだ、とレベッカ・ショアは思った。
12歳のバネッサみたいな美少女に近寄ってくる大人の男。
1人じゃなく、集団。
しかも、前世の意識によると、初犯じゃなさそう。
つまり。
今までにも、毒牙にかけてきた女の子がいるってこと?
レベッカ・ショアは、ムカムカしてきた。
バネッサ1人が標的で、レベッカ・ショア自身が標的ではない、と考える程、レベッカ・ショアは目出度い頭をしていない。
レベッカ・ショア自身が、標的になっていることは、十分理解している。
男達の視線は、バネッサの方が多く集まっているが、レベッカ・ショアにも注がれていると感じる。
『計画的で、男の数が多いよ。捕まえて、どこかへ連れていくつもりじゃ?』
前世の意識に、顔があれば、青ざめているだろう。
『連れていく?誘拐ってこと?』
レベッカ・ショアは、前世の意識の言葉に閃いた。
集団の男達の目的が、この場でどうこう、ではなく女の子をこの場から連れ去ることなら。
『人質、身代金、人身売買。男達の狙った理由が、貴族のご令嬢にあったら、誘拐目的の可能性がある。』
と話す前世の意識。
だから、美少女のバネッサだけではなく、レベッカ・ショアも注目を浴びているのか、とレベッカ・ショアは思った。
レベッカ・ショアの胸中には、
怖い気持ちと同じくらい、負けたくない気持ちが生まれている。
女の子を集団で、どうこうしようとするなんて、そんなこと、二度と考えないくらいに、男達の根性を入れ替えてやりたい。
前世と違い、この世界には魔法がある。
レベッカ・ショアは、魔法を使えるようになった。
魔法を使えば、どうにかできるんじゃない?
とレベッカ・ショアは考えた。
レベッカ・ショアは、このとき、もっと深く考えてみるべきだった。
魔力さえあれば、魔法が使える世界。
この世界には、魔力の存在を知って、魔法を練習し始めてから、半年に満たないレベッカ・ショアだけが、魔法を使えるのではない。
クークード遺跡は、魔法が使えないと入ることができない魔法遺跡。
クークード遺跡に入って動けている複数の成人男性。
彼らの熟練度は、人それぞれかもしれない。
それでも。
魔法を使い始めて半年未満のレベッカ・ショアよりは、魔法を使いこなせる可能性をレベッカ・ショアは失念していた。
レベッカ・ショアは、周りにいる成人男性と、魔法を使って戦って勝てるかどうか、戦いに勝つにはどうしたらよいか、を慎重に検討し、後先を考えてから、行動に移すべきだった。
最低限、レベッカ・ショアの隣で、警戒体勢だったバネッサに、相談してから動かなくてはならなかった。
このとき、先手必勝とばかりに。
レベッカ・ショアは、誰も待たなかった。
レベッカ・ショアは、魔力を練り上げ、魔法を繰り出した。
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