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第7章 使用人を帯同しない女子寮の秘密

299.既に手腕を発揮している次代の最高権力者に楯突くメリットって、なんかあるかな?

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「メート家のご令嬢には、自力で稼いで、借金を返済させないと。メート家は、あてにできない。ご令嬢はタフだから、労働に問題はない。」
とキャスリーヌ。

「そういう問題じゃないわ。」
とご令嬢。

「えー。
学内の権力闘争に負けた家の娘、という名札はついているけれど、実態は、王太子の不興をかった家の娘だよね。

王太子が、王様になって、今の状況がよくなる見込みなんて、ないよね?」
とキャスリーヌ。

「王太子の周辺は、知っているよね?
知っていて、誰も動かないんだよね?

王太子に逆らうと、どうなるかの見本が、いつでも見えるところにあるからね。

逆に言えば、いつでも、誰でも、同じ目に遭う機会が訪れる。」
とキャスリーヌ。

キャスリーヌは、視界の端で、開けっ放しの扉が、そのままなのを確認。

職員に尋ねた。

「ここは、レベッカ・ショアの部屋だから、レベッカ・ショアとアーリントン・ポトディ以外はいらない。

職員は、カローナ・メートの扱いについて、どうすればいいかの規則を知っている?」
とキャスリーヌ。

「初耳です。私がいた当時の女子寮は、普通の女子寮でした。」
と職員。

「女子寮に、レベッカの荷物を運んだのは誰?」
とキャスリーヌ。

「侍女のアーリントン・ポトディです。良く知っているから、と。」
と職員。

「アーリントン・ポトディは、レベッカの荷物を元の場所に戻すために、使用人を帯同しない貴族の女子寮に行って、責任持って荷物を持ち帰ること。」
とキャスリーヌ。

「カローナ・メートの扱いについて、職員は、規則を調べてみて。使用人を帯同しない女子寮に戻りたくないなら、今日から、カローナ・メートは野宿するしかないよね。」
とキャスリーヌ。

「野宿ですって!私を匿いなさいよ。」
とご令嬢。

「匿われるご令嬢が得するだけで、周りは損しかしないよ?」
とキャスリーヌ。

予想外のキャスリーヌの返しに、むっとするご令嬢。

「匿われたいなら。

ニンデリー王国にいながら、
ニンデリー王国の王太子に楯突くだけの特大メリットを、カローナ・メート自身が提示してきなよ。

今のままなら、検討の余地なし。」
とキャスリーヌ。
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