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第7章 使用人を帯同しない女子寮の秘密

311.キャスリーヌと、賑やかな魔導具。

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キャスリーヌは、ナンシー・ボーンの家族を探し出した。

「ナンシー。ナンシー。」
と呼ぶ成人男性。
「姉ちゃん、帰るよ。」
という男の子の声。
「ナンシー。しっかり。」
という成人女性。

「帰っちゃうの?
まだまだいいよね?
仲間が増えた。
1人、2人、3人。やったね。皆一緒にいようよ。
1人は嫌だよね?」
5歳くらいの男の子の誘う声。

「聞こえているよね?
置いていかないよね?
ずっと一緒にいるよね?
今から1人になんてしないよね?」
男の子の声は、続く。

「ぼくは、お家から誘拐されて、きみ達といるんだよ。
誘拐したのに置いていくなんて、酷いよね。
ぼくもお家が恋しいな。
お父さんお母さん、お姉ちゃん、元気かな?
会いたいな?」
男の子の声は、寂しがった後、ケタケタ笑い出す。

「寂しいなあ。ぼく1人。
1人なんて、つまらない。
あ、そうだ。
つまらないから、何かしようっと。
つまらないから、呪っちゃおう。
呪うぞ、呪うぞ。
ぼくを誘拐した恨みー。」
と男の子の声。

女の子の声が加わる。

「お母さんが、怪我をしたの。だから、ね?
お母さんの痛みを分からせてあげるね。
痛い思いをするのは、誰がいい?
せーので、指をさしてー。きゃはは。」
と女の子の声。

「誰も指をささなかったから、1人選ぶね。
私、男友達がいないから、君にする。
痛いの、痛いの、飛んでこいー。」
と女の子の声。

「頭が痛い。」
と悲鳴を上げる男の子。

「取り立てにきたよ。」
キャスリーヌは、にこにこしながら近づく。

男の子の声と女の子の声は、それぞれ、魔導具だ。

「お支払いは、現金一括払い。不足分は、労働で返すんだよ?
さあ、契約書にサインだよ。」
とキャスリーヌ。
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