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第8章 魔法使いのいる世界で、魔力を持たないまま生きていく君へ。

329.『文化』の授業。時代、地域、種族の文化を取り上げる授業だよ。今日は、亡国ソラニア。チェール・モンスの祖国の魔法遺跡を作った国の名。

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今日の授業は、『文化』。

この世界の歴史は、長い。
国も色々。
種族も色々。

文化の振り幅も大きい。

マーゴットのような人間は、勿論。

竜人のような長命種もいる。

鬼人もいる。

妖怪もいる。

文化の担い手の数だけ、文化が栄える。

今日の『文化』の授業は、滅亡した国の一つを取り上げている。

チェール・モンスの祖国の土地となる魔法遺跡を作り上げ、魔法遺跡だけを残して、滅亡してしまった国。

その名をソラニア。

ソラニアは、魔法使いの国として誕生した。

国中の魔法使いが、自身の技術の向上を目指して、改良を重ねた結果、ソラニアには、最高峰の魔法技術が集結した。

魔法技術大国となったソラニアの魔法技術は、当時、革新的過ぎて、ソラニアの魔法使い以外には広まらなかった。

魔法技術が廃れることを恐れて、国中に最高峰の魔法技術を仕込んだソラニア。

ソラニアの魔法技術は、特殊な発展の仕方をしたために、他の国や地域の魔法大系では、使いこなすのが難しく、ソラニア国内の継承者にほそぼそと継いでいく形になった。

最後の世代は、高齢を理由に、ソラニアから他国へ移住し、国民がゼロになった魔法技術大国ソラニアは、国土となる魔法遺跡だけを残し、滅亡した。

そんな、魔法技術の髄を凝らした文化。

マーゴットは、今日の授業を楽しみにしている。

他にも、チェール・モンスがこの授業に出席するので、教室で、チェール・モンスの様子を見る目的がある。

使用人を帯同しない貴族の男子寮に出入りを継続しているチェール・モンス。

魔法遺跡、クークード遺跡の見学ツアーの話が出た頃よりは、思い詰めていない様子のチェール・モンス。

スラッルス・トークンから聞いた、使用人を帯同しない貴族の男子寮の怪異について、触れ回ってはいけないという学園内の空気。

魚憑きのナンシー・ボーン。

マーゴットの部屋を毎夜攻撃してくる気配から、人の気配が薄れてきていること。

繋がりそうな部分が、分からなくて、マーゴットは、もどかしい。

教授が、教室に入ってきた。

気を取り直して、授業を聞こう。
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