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第8章 魔法使いのいる世界で、魔力を持たないまま生きていく君へ。

468.バネッサによる深夜の魚の解剖講座に、マンツーマンレッスンを希望する男子学生が現れた。男子学生が倒れたときのために、クッションいる?

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一方。

バネッサによる深夜の魚の解体講座。

使用人を帯同しない貴族の男子寮の自室の部屋の扉からネッド・チリル教授が入ってきたため、窓から逃げ出した男子学生が、そろりそろりとバネッサの方に近づいていた。

レベッカ・ショアは、近づく男子学生とバネッサを暗闇から見ている。

男子学生は、周囲をうかがいながら、恐る恐るバネッサに声をかけた。

「あのう。ここで、何をしているんですか?って、魚を切り刻んでいる!」
と声をかけた男子学生は、包丁を手に持つ少女の行動に驚愕すると同時に、その美貌に息をのんだ。

筆舌に尽くしがたい美少女に声をかけた自身に驚いた男子学生は、ひっと悲鳴をあげて飛び上がった。

「ジュゴン先生の授業の参加者が少なかったから、授業内容を広めにきたわ。
体験するなら、指導するわよ?
今なら、先着お一人様につき、マンツーマンレッスンね。」
とバネッサ。

深夜に美少女と二人っきりのマンツーマンレッスン!

ヒーローになりたくなくても、美少女と仲良くなりたくない、とは言っていない男子学生は、一も二もなく、バネッサの提案に飛びついた。

「あなたとマンツーマンレッスン、お願いします。」

レッスン内容を聞かずに、レッスンを申し込む男子学生。

バネッサは、微笑みを浮かべた。

「実践してみたけれど、教えるのは、初めてだから、一つ一つ、確認しながら、レッスンを始めるわね?」
とバネッサ。

「初めて!はい!ゆっくりじっくり確認しながらで結構です!」
と男子学生は、威勢よく返事した。

「良かったわ。」
とバネッサ。


その光景を闇から見守るレベッカ・ショア。

レベッカ・ショアの前世の意識は、男子学生を心配している。

『血とか解剖とか、平気な人は平気だけど。
あの男子学生は、バネッサしか見ていないから、我に返ったときに、ひっくり返って、頭を打たないように、クッションを用意したい。』
と前世の意識。

『ひっくり返る?』
とレベッカ・ショア。

『急にバターンと後ろにね。意識がないから、頭からいく。』
と前世の意識。

『魔法でクッションを用意したら、クッションに魚の血が染み付いて、生臭くなるかも。』
とレベッカ・ショア。

『交通安全のヘルメット!』
と前世の意識。

『何それ?』
とレベッカ・ショア。

『頭をクッションで囲むようなつくりの帽子をかぶる!』
と前世の意識。

『バネッサに連絡して、男子学生が倒れそうになったら、男子学生の頭だけは、バネッサに魔法で保護するようにしてもらう。
隣にいるバネッサの方が、早そうだし。』
とレベッカ・ショア。


マンツーマンレッスンは、無事に開始されるのだろうか?
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