子爵令嬢マーゴットの学園無双。相棒ミノカサゴの助言、知恵、剣と魔法、権力、資金力を使って、側近兼友人のキャスリーヌと、快適な学生生活を。

第8章 魔法使いのいる世界で、魔力を持たないまま生きていく君へ。

523.キャスリーヌ。『つまらない話を聞いて、生産性があがる？』本日のお天気は、ところにより、空から招かざる客が降ってくる？

ベリーベリー・イニーは、バネッサに護衛されながら、ナンシー・ボーンの父親と弟がいないか探している。

「いない。」
とベリーベリー・イニー。

「その他大勢を減らしていけば、そのうち見つかるかも。生きていれば。」
とキャスリーヌ。

布人間は、はーとため息をついた。
「退屈じゃない話だったら聞く、とか言う子どもがいるなんて、世も末だわ。」

「つまらない話を聞いて、生産性があがる？」
とキャスリーヌ。

「ああ言えばこう言う。最近の子どもは、口ばかり達者になっていく。」
と嘆く布人間。

「人間の進化の歴史は、口から始まる説？」
とキャスリーヌ。

「ああ、もう。」
と布人間。

「時間は、有限。退屈じゃない話をしないなら、売る。」
とキャスリーヌは、きっぱり。

「退屈じゃない話になるか知らないけれど、私は、心配して見に来たの。」
と布人間。

「何を？」
とキャスリーヌ。

「そりゃ、あなた達よ。」
と布人間。

「私達に心配することなんて、何がある？」
と心外そうなキャスリーヌ。

「杞憂だったわ。なんという見た目を裏切る逞しさ。」
と布人間。

「退屈してきたから、売ろう。」
とキャスリーヌ。

「決断、早くない？まだ、会話初めて何分も経っていないのに。」
と布人間。

「儲からない話の匂いがする。」
とキャスリーヌ。

「ちょっと！お金から離れなさい。」
と布人間。

「布人間は、時間と金に代わる何を差し出せる？」
とキャスリーヌ。

「本当に、もう。
私の布を外そうとは思わないの？
子どもは、巻いてある布を外して遊ぶのが好きよね？」
と布人間。

「布の中身に興味があるかと言われても？」
とキャスリーヌ。

キャスリーヌが、布人間と遊んでいると。

バネッサとベリーベリー・イニーの上に影ができた。

バネッサは、すかさず、上空へ魔法を放つ。

キャスリーヌの真上には、影がない。

「お客。」
とキャスリーヌ。

「この子どもは、嫌になるくらい冷静ね。」
と布人間。

ナンシー・ボーンの家の屋根の高さより、高いところから、何かが撃ち落とされてくる。

バネッサは、ベリーベリー・イニーを引っ張って、落下地点から移動。

落ちてきたのは、目だけ出している四人組。

タン、タンタン、タン。

続いて四人が、ナンシー・ボーンの隣近所の家の屋根から飛び降りてきた。

続いて降りてきた四人も、目だけ出している。

「8人共、お揃いだね。どこかの制服？」
とキャスリーヌ。