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後悔と過ち
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昼休みが終わって授業を受けたが、全く身に入らず私は白くなって泡を吹いていた。ツンツンルームメイトやリック師匠が気にかけてくれたけれど、そっとしておいてほしいと告げると、話しかけることはなくなった。
そして放課後、私は自習室にいた。部屋には丸いテーブルが六台ほど置かれている。
私は机に突っ伏して、何が起きたのか再び思い出す。
「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああん。ヴェネッサに嫌われちゃったあああああああああああああああ、きっとノエルにも引かれちゃったああああああああああああああああああああああああああああ」
涙と鼻水を垂らしながら、自分の過ちを後悔していた。
高慢なヴェネッサと掛け合ってイチャイチャしたかったという不純な動機が完全に裏目となり、彼女の逆鱗に触れてしまった。自業自得といえばそれまでだが、言ったことは私の本心だ。
(なんであそこまで怒ったんだろう……)
何が彼女を怒らせたのかを考えてみる。
彼女は公爵家という重責に耐え、友達を作ったり、悩みを打ち明けたりすることもなく孤高に生きてきた。親の期待、周りの期待に応え続け、誰にも弱みを見せず公爵家の令嬢として振舞い続けてきた。
そんな彼女が唯一上手くいっていなかったのが、アルフレッド王子との関係だ。
もちろん許嫁は親が決めていて、彼女はそれを全うしようと努力したが、あのヘタレ王子はこともあろうに逃げてしまっている。そして、ヴェネッサは恋愛については未熟でどう関係を良くできるのかわかっていない。周りの女子がそんな二人を見れば、ヴェネッサ令嬢と上手くいっていないなら落とせるんじゃね?、と王子の権力に魅かれて擦り寄ってくる。
さらに、王子は天然ジゴロな体質だ。
グイグイしていない女の子でも話す機会があれば、もしかして私のことを好きなのかしら? と彼のことが気になり、権力と美貌に惑わされる。そんな女子が後を絶たないのではなかろうか。外から見れば、私もそんな女子と同じだと思われているだろうが……
つまり、ヴェネッサは不安で焦っている。
このまま上手くいかなければ、他の女に取られてしまうのではないのか?
このまま上手くいかなければ、王子が拒絶するのではないか?
そして。
このまま上手くいかなければ、婚約破棄になって家の期待を裏切るのではないか?
……わかった。
…………わかってしまった。
そんな焦っている彼女の本心を突けば、怒るのは当然だ。
彼氏と上手くいっていなくて悩んでいるところ、他の女子に「あんた、彼氏と上手くいってないっしょ、別れれば?」と言われるようなものだ。実際にそうだとしても別れたくないのなら、ムキになってイラつき怒ってしまうのは不思議ではない。
(はあ、結局口が滑ったのが原因か……恋愛レベルがマイナス1になってそう……)
どうやって仲直り(仲良くはなかったけれど)すれば良いのか考えてみてもイマイチいい案が思いつかないし、ショックでもう動けない。
(立ち直るまで時間がかかりそう……)
そんなことを考えていると、
「おーい、おーい」
誰かが私に声をかけていた。突っ伏した状態で思考を巡らせていたので気が付かなかった。
(ん?)
頭を上げて声の主を確認する。
「やっと気付いてくれたな。辛そうにしてるけどなんかあったのか?」
私の前にいたのは、『緑色』の髪を持つ同学年の男子だった。
そして放課後、私は自習室にいた。部屋には丸いテーブルが六台ほど置かれている。
私は机に突っ伏して、何が起きたのか再び思い出す。
「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああん。ヴェネッサに嫌われちゃったあああああああああああああああ、きっとノエルにも引かれちゃったああああああああああああああああああああああああああああ」
涙と鼻水を垂らしながら、自分の過ちを後悔していた。
高慢なヴェネッサと掛け合ってイチャイチャしたかったという不純な動機が完全に裏目となり、彼女の逆鱗に触れてしまった。自業自得といえばそれまでだが、言ったことは私の本心だ。
(なんであそこまで怒ったんだろう……)
何が彼女を怒らせたのかを考えてみる。
彼女は公爵家という重責に耐え、友達を作ったり、悩みを打ち明けたりすることもなく孤高に生きてきた。親の期待、周りの期待に応え続け、誰にも弱みを見せず公爵家の令嬢として振舞い続けてきた。
そんな彼女が唯一上手くいっていなかったのが、アルフレッド王子との関係だ。
もちろん許嫁は親が決めていて、彼女はそれを全うしようと努力したが、あのヘタレ王子はこともあろうに逃げてしまっている。そして、ヴェネッサは恋愛については未熟でどう関係を良くできるのかわかっていない。周りの女子がそんな二人を見れば、ヴェネッサ令嬢と上手くいっていないなら落とせるんじゃね?、と王子の権力に魅かれて擦り寄ってくる。
さらに、王子は天然ジゴロな体質だ。
グイグイしていない女の子でも話す機会があれば、もしかして私のことを好きなのかしら? と彼のことが気になり、権力と美貌に惑わされる。そんな女子が後を絶たないのではなかろうか。外から見れば、私もそんな女子と同じだと思われているだろうが……
つまり、ヴェネッサは不安で焦っている。
このまま上手くいかなければ、他の女に取られてしまうのではないのか?
このまま上手くいかなければ、王子が拒絶するのではないか?
そして。
このまま上手くいかなければ、婚約破棄になって家の期待を裏切るのではないか?
……わかった。
…………わかってしまった。
そんな焦っている彼女の本心を突けば、怒るのは当然だ。
彼氏と上手くいっていなくて悩んでいるところ、他の女子に「あんた、彼氏と上手くいってないっしょ、別れれば?」と言われるようなものだ。実際にそうだとしても別れたくないのなら、ムキになってイラつき怒ってしまうのは不思議ではない。
(はあ、結局口が滑ったのが原因か……恋愛レベルがマイナス1になってそう……)
どうやって仲直り(仲良くはなかったけれど)すれば良いのか考えてみてもイマイチいい案が思いつかないし、ショックでもう動けない。
(立ち直るまで時間がかかりそう……)
そんなことを考えていると、
「おーい、おーい」
誰かが私に声をかけていた。突っ伏した状態で思考を巡らせていたので気が付かなかった。
(ん?)
頭を上げて声の主を確認する。
「やっと気付いてくれたな。辛そうにしてるけどなんかあったのか?」
私の前にいたのは、『緑色』の髪を持つ同学年の男子だった。
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